カクテルの定番、ジンバック。ジンと何かでできていることは想像できますが、バックとは一体何? ジントニックとの違いは? などなど,、ジンバックにまつわるあれこれを調べてみました。また、ジンバックのように、ジンを使った簡単なカクテルのレシピもたくさんご紹介します。
ジンバックとは?
お酒に詳しくない人でも一度は聞いたことがありそうなジンバック。どこのバーでも注文できる、世界的に有名&定番のロングカクテルです。
注文すると、大抵レモンやライムなど、柑橘系のフルーツをスライスした物がデコレーションされて来ます。グラスの中に入っていたり、フチに飾られていたりしますが、それはただのアクセサリーではなく、実際その柑橘類が使用されているということ。柑橘系の果汁の爽やかさが特徴の、飲みやすいカクテルなんです。
ジンバックと名前が付いているように、もちろんメインとなるお酒はジンです。ジンは、スピリッツ(蒸留酒)に分類される、アルコール度数の高い、強いお酒です。世界の4大スピリッツというものがあり、ラインナップはウォッカ、テキーラ、ラム、そしてジン。いずれも強そうなお酒ではないですか?
その中でもジンは洗練された風味が特徴的です。ジュニパーベリーという、低木の果実を乾燥させたスパイスが、あの独特の香りの元になっています。
西ヨーロッパで古くから飲まれていたお酒で、現在はイギリス、オランダ、ドイツなどで作られるものが多く流通しています。
そのジンを、柑橘類の果汁とジンジャーエールで割ったものが、ジンバックです。
・ジンバックの由来は?
ジンバックを英語で書くと、Gin Buck。Buckは鹿のことです。鹿で蹴られたように効いてくる強いカクテル、ということで名付けられた説がありますが、他の色々なカクテル同様、国により、時代により、その説は色々ですし、そもそも現代の一般的なジンバックは鹿に蹴られたように感じるほど強いカクテルではありません。おそらくこの名前が付けられた当時は、ジンの割合が多く、もっと強いカクテルだったのでしょう。
根拠のある説かどうかは置いておいて、バーのカウンターで話のタネにするような場合、こういった蘊蓄をたれるのも楽しいかもしれませんね。
・ジンバックの度数は?
一般的なジンバックのレシピは、ジン45mlにレモン30ml、ジンジャーエールを適量ですが、カクテル1杯のアルコール度数は平均15度程度になるように作られています。アルコール度数が15度というと、平均的な日本酒やワインと同程度です。
・ジントニックとの違いは?
ジントニックはその名の通り、ジンをトニックウォーターで割ったカクテルです。トニックウォーターは、炭酸水に柑橘系のエキスや甘みを加えた清涼飲料水で、ウィルキンソンやカナダドライなどが有名ですね。甘くて炭酸が爽やかで、こちらも飲みやすいカクテルです。
ジンバックは、同じスピリッツのジンを割って飲むカクテルですが、その割り材が違います。まずはレモンジュースがジンの2/3量入るので、酸味が強めということと、ジンジャーエールで割るので、ピリピリとした刺激が心地よく、やさしい甘さのジントニックよりは、刺激を求める系のカクテルになります。
アルコール度数はどちらも同じくらいなので、どちらを選ぶかは、味や刺激の強さの好みだけでしょう。
・ジンとバックの意味は?
ジンは、もともと利尿作用のある薬用酒でした。17世紀のオランダでは「ジェネーバ」と呼ばれていたそうですが、その後欧州全体に広がるにつれ、名前も短く簡単に「ジン」と呼ばれるようになり、庶民の間にも知られるようになったそうです。
バックは前述の通り、英語で鹿を意味します。鹿全般を指すdeerに対して、buckは雄鹿、しかも若くて元気の良い、やややんちゃな雄の鹿のイメージなので、鹿にけられたほどの衝撃を受ける酔い方をしそうなカクテルということで、ジン+バック、と名付けられたのではないでしょうか?
ちなみに、ジンバックのベースを、ジンではなく、ブランデーやラム、ウォッカなどのスピリッツに変えると、それぞれ、ブランデーバック、ラムバック、ウォッカバックとなります。
自宅でできるジンバックの作りかたをご紹介!
ジンバックの由来がわかったところで、さっそく飲みたくなって来ましたか? 近所のバーへ駆け込むのも良いですが、レシピが簡単なので、ジンバックは自分でも作ルことができますよ。
用意するのはたった3つの材料と氷だけ。スッキリしたロングタイプのグラスとマドラーがあれば、自宅でバー気分を味わえますね。
・ジン…45ml
・レモンジュース…30ml (果汁を搾ったものか、レモン果汁として売られているもの)
・ジンジャーエール…適量
【作り方】
氷を入れたタンブラーにジン、レモンジュース、ジンジャーエールを注ぎ、軽くかき混ぜます。これで完成!あればレモンの輪切りをグラスのフチに飾ると雰囲気も盛り上がります。
お酒に弱い人用にはジンを少なめにすると良いですが、お酒が強いからといって、ジンを多めに入れすぎると、ジンのクセが強くなり、カクテル自体がおいしくなくなってしまうのでほどほどに。自分好みの分量で調節できるのは、家飲みの良いところですね。
材料は全て冷やしておくとよりおいしく、爽やかにいただけます。
ジンを使ったおすすめカクテルって?
ジンバックを作りたくてジンを1本買ったけど、他に家で作れるカクテルはないの? という声もきっと出てくることでしょう。あるんです、自宅で気軽に作れるジン系のカクテルが。ジンを使ったカクテルレシピをご紹介します。
分量はおおよその目安なので、自宅ではそこまできちっと量る必要はありませんが、最初は基本の分量で試して、徐々に自分好みにアレンジしていくことをおすすめします。
それでは最高の家飲みカクテルレシピをどうぞ!
ジンフィズ
ジンをベースにソーダで割って、レモンの風味を効かせた爽やかなロングカクテル。ジントニックと似た味わいですが、それよりもさっぱりしている印象で、食事のときにもいっしょに飲んで邪魔しません。
【材料(1杯分)】
ジン…45ml
レモン果汁…20ml
さとう…小さじ1
炭酸水…適量
【作り方】
材料を混ぜるだけ!
ギムレット
ジンとライムのシンプルなショートカクテルですが、それだけにジンの種類は厳選するべきかもしれません。好みのジンとライムの酸味でパンチのある味に!
【材料(1杯分)】
ジン…45ml
ライム果汁…15ml
【作り方】
シェイカーでシェイクします。シェイカーがない場合は、マドラーでよく混ぜて。
オレンジブロッサム
ジンをオレンジジュースで割ったショートカクテル。オレンジジュースのフルーティな味わいとジンの爽やかさは相性抜群。オレンジジュースを多めにすれば、お酒に弱い人でも安心して楽しめますね。
【材料(1杯分)】
ジン…45ml
オレンジジュース…15ml【作り方】
【作り方】
シェイカーでシェイクします。シェイカーがない場合は、マドラーでよく混ぜて。
ホワイトレディ
コワントローというリキュール、お菓子に使うので家にあるという人も多いのでは?このコワントローとジンがまた合うんです。レモン果汁を搾って、見た目も涼しげで、品の良いショートカクテルに。
【材料(1杯分)】
ジン…35ml
レモン果汁、コワントロー…各15ml
【作り方】
シェイカーでシェイクします。シェイカーがない場合は、マドラーでよく混ぜて。
マティーニ
とても有名なカクテルなので、飲んだことがある人も多いのではないでしょうか。カクテルの帝王と称される完成度の高い一杯です。ジェームズボンドが愛飲していることでもおなじみですね。
【材料(1杯分)】
ジン…45ml
ドライ・ベルモット…15ml
オリーブの実…1個
【作り方】
材料をよく混ぜて!オリーブをピックに刺して添えると本格的に。
ダービー
ダービーには、ジンベースとウィスキーベースのカクテルがありますが、ドライジンで作るジン・ダービーは、ビーチブランデーを少々垂らしてシェイクし、ミントの葉を浮かべます。
【材料(1杯分)】
ジン…50ml
ピーチ・ブランデー…10ml
ミントの葉…1~2枚
【作り方】
シェイカーでシェイクします。シェイカーがない場合は、マドラーでよく混ぜて。ミントの葉は最後に浮かべます。
細雪
1956年に、サントリーのホームカクテルコンクールでグランプリを受賞した、日本発の色がきれいなカクテル。ホームカクテルのコンクールだけに、家で作って飲むのにぴったりのシンプルさです。
【材料(1杯分)】
ジン…30ml
赤ぶどうジュース…45ml
牛乳…小さじ3~4杯
【作り方】
グラスにジンとぶどうジュースを入れてよく混ぜ、細かい氷を入れたら、上から牛乳を注ぎます。
グルナデンフィズ
元々はざくろの実で作られていた真っ赤なシロップ、グルナデンですが、最近のものは赤い木の実をミックスしたものが多いようです。このシロップとジンの相性も抜群なので、ぜひ試してみてください。シロップは余ったらかき氷にも、炭酸で割ってジュースにしても。
【材料(1杯分)】
ジン…45ml
レモン果汁、グルナデンシロップ…各20ml
炭酸水…適量
【作り方】
ジンとレモン果汁、シロップをグラスの中でよく混ぜ、氷と炭酸水を加えます。
ジンリッキー
甘いお酒が苦手という人におすすめなのがこのジンリッキー。ジンとライムと炭酸水、このシンプルさがいいんです。マドラーでライムをつぶしながら飲むのがツウだそうで、これってどこか焼酎の梅干し割り的な香りがする、大人の飲み物ですね。
【材料(1杯分)】
ジン…45ml
ライム…1/2
炭酸水…適量
【作り方】
材料をグラスに入れてよく混ぜます。
シンガポールスリング
外国っぽいチェリーの独特の香りがクセになる、色鮮やかなロングカクテル。1915年に、シンガポールのラッフルズホテルで考案された、歴史のあるカクテルです。
【材料(1杯分)】
ジン…45ml
チェリーリキュール…15ml
レモン果汁…20ml
さとう…小さじ1 1/2
炭酸水…適量
【作り方】
材料をグラスに入れ、よく混ぜます。チェリーやレモンの輪切りを浮かべるのが定番。
ジンのおすすめ銘柄は?
次に、肝心のジンを選ぶ際のポイントですが、基本的に、現在世界中でメインで売られているものは「ドライ・ジン」というタイプのジンなので、この中から選ぶことになります。
あとはアルコール度数、銘柄による味の違いで自分の好みを探し当てれば良いわけですが、どこでも試飲をできるわけではありませんので、ここでは多くの人に好まれる3種類の銘柄をご紹介します。
ボンベイ・サファイア [ ジン 750ml ]/ BOMBAY SAPPHIRE(ボンベイ・サファイア)
並外れた風味バランスとデリケートなフィニッシュをで、世界中で人気のボンベイサファイア。他がマネできない独特の華やかな香りは、世界各国から厳選して集められた10種類のボタニカル(ハーブ、スパイスなど)を使用し、ヴェイパー・インフュージョンという独特な製法を採用しているためだそう。この製法が、ボンベイ・サファイア特有の深く華やかな香りと味わいを創り出しているんですね。
美しいブルーのボトルが家にあるだけで自慢できそうな一本です。
タンカレー ナンバーテン [ ジン 750ml ]/Tanqueray(タンカレー)
ジン好きなら一度は飲んでみたいタンカレー。この凛々しいボトルの佇まいにもうっとりですね。厳選されたボタニカル(香りづけ用のハーブなど)と生のフルーツが醸し出すエレガントで繊細な味わいが特長のスーパープレミアムジンなので、どんなカクテルにアレンジしてもしっかりとその風味を印象づけてくれます。
ウィルキンソン・ジン 37° [ ジン 1920ml ]/ウィルキンソン
日本が誇るウィルキンソンのジン。10種類のハーブが織りなす柔らかな飲み心地が特徴で、海外勢に比べるとまろやか。香りを楽しみながら飲んでみたい本格的なドライジンです。ウィルキンソンの炭酸水やジンジャーエールとももちろん相性が良く、家でカクテルを作る際にはウィルキンソンシリーズでまとめて、トータルな味のバランスを楽しみたいですね。
サントリー ビーフィーター ジン40度 [ 700ml ]/BEEFEATER(ビーフィーター)
爽やかな柑橘系の味わいが特徴で、ジントニックにぴったりなビーフィーター。シンガポールで生まれたカクテル「シンガポールスリング」は、このビーフィーターで作られました。今なおロンドン市内で蒸留を行なっているというこだわりを始め、頑固な紳士的イギリスの香り漂う正統派のジンは、基本中の基本として一度は飲んでおきたいブランドです。
ヘンドリックス ジン [ 700ml ]/ヘンドリックス・ジン
スコットランドのウイスキーメーカー「ウイリアム グラント&サンズ社」のプレミアムジン。原料に使われるキュウリとバラのエッセンスの調和によって生み出される、華やかな香りと柑橘系の爽やかな味わいが特徴です。そのまま飲んでも口当たりは最高ですが、トニックウォーターとの相性が良く、抜群に馴染みます。
まとめ
ジンの世界、なかなか奥深いものですね。やはり欧州で育ったお酒ということで、歴史と風格がワンランク上という印象。そんなエレガントなお酒、ジンで、さりげなくカクテルなど作ってホームパーティーでおもてなし♪できたらいいですね。
まとめ/伊波裕子
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