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里芋の旬はいつ?種類や美味しい時期、レシピまで一挙にご紹介!

里芋の旬はいつ?種類や美味しい時期、レシピまで一挙にご紹介!

ほくほくとした食感がたまらない里芋。原産地は、インド東部からインドシナ半島にかけての熱帯・亜熱帯で、日本でも古くから栽培されてきました。

その歴史は稲作よりも古く、山に自生する「やまいも」とは対照的に、里で丹精込めて育てられることから「里芋」と呼ばれるようになったのが由来。里芋にはでんぷんや食物繊維、カリウムなどが多く含まれており、栄養豊富な野菜としても有名です。

この記事では、里芋の旬や産地、栄養価に加えて、さまざまなおいしいレシピもご紹介いたします。四季折々の味わい深い里芋の魅力に触れながら、お気に入りのレシピを見つけてくださいね。

「里芋」と「山芋」の違いとは

「里芋」と「山芋」の違いのひとつに、分類があります。里芋はサトイモ科サトイモ属に属し、山芋はヤマノイモ科ヤマノイモ属に分類されます。

また、見た目からもそれぞれの違いが見てとれます。里芋は丸くてコロンとした形状をしている一方で、山芋は細長い棒のような形状をしています。さらに調理方法も異なり、山芋は生ですりおろして食べられますが、里芋は生では食べられないため、火を加える必要があります。

このように、種類や見た目、食べ方も異なる里芋と山芋ですが、旬の時期は共通しています。里芋は山芋と同じく、秋から冬にかけてが一年の中で美味しく食べられるシーズンです。そのため、旬の季節には、里芋と山芋の両方の美味しさを楽しむことができますよ。

里芋の旬

里芋の収穫は、9月から3月まで半年ほど行われています。秋から冬が最もおいしい時期で、具体的には10月から12月に食べ頃を迎えます。

収穫の準備のために種イモを植える時期は、おおよそ5月前後の春。しかし、気温の関係で地域によって植える時期が少し異なり、関東周辺では4月〜5月下旬、寒冷地域では5月〜6月中旬、暖かい地域では3月下旬〜5月上旬に行われます。

冬に収穫される里芋は、寒さによってでんぷんが甘みに変化し、独特の風味と甘みが引き出されます。そのため、煮物、炒め物、おでんなどの定番料理から、天ぷら、揚げ物などさまざまな料理で楽しまれていますよ。

地域や気候による違いはあるものの、どの地域でも秋から冬にかけて里芋の魅力を満喫できます。

里芋の品種

里芋は、スーパーでよく見かける品種として、「土垂(どだれ)」と「石川早生(いしかわわせ)」の2つがあります。

関東地方では「土垂」が、関西地方や九州では「石川早生」が親しまれています。どちらの品種も粘り気があり、土中で親いもから子いもや孫いもが育つという特徴があります。

このように、里芋は品種ごとに異なる特徴があり、調理方法や料理によってさまざまな味わいが楽しめます。以下では、5つの品種を詳しくご紹介していますので、ぜひチェックしてください。

セレベス

「セレベス」は、インドネシアのセレベス島から伝わった珍しい品種です。赤みがかった色合いが特徴で、「赤芽」や「大吉」とも呼ばれています。

また、セレベスは、一般的な里芋よりもぬめりが少なく、じゃがいもと里芋の中間のような食感をしています。口当たりが良く粘質感があるので、特に煮物におすすめですよ。

セレベスは九州地方で主に栽培されており、寒さにはやや弱め。そのため、温暖な気候の地域での栽培が適しています。赤みがかった色合いと特有の食感は、料理にアクセントを加え、食卓を彩ります。セレベスという名前に込められたインドネシアの風土を感じながら、その独自の味わいを楽しんでみてください。

海老芋(唐いも)

「海老芋」とは、特別な栽培方法である「土寄せ」によってえび型に仕上げた里芋です。関西では「京いも(きょういも)」とも呼ばれ、高級京野菜として知られています。

海老芋は、江戸時代初期に九州から京都に持ち帰った唐いも(とうのいも)を、京都の料理屋の初代当主が栽培したことが始まりとされています。海老芋は肉質が柔らかく、煮崩れしにくい特性と独特の甘みをもっており、さまざまな料理で活用できます。

農家の技によって育てられた食材の美しい形状は、華やかな見た目を活かした特別な料理に利用されることが多くあります。煮物や炊き込みご飯、揚げ物など、さまざまな料理においてその特有の食感と風味を楽しむことができます。京都の伝統と農家の技が織りなす「海老芋」の魅力をぜひ味わってみてください。

石川早生

「石川早生」は夏の7月〜8月に収穫される里芋の品種で、土垂と比べると小ぶりで丸い形なのが特徴です。この品種は大阪府で古くから栽培され、現在でも主に関西以西で生産されています。また、ほかにも宮崎県や千葉県、静岡県など、各地で多くの生産が行われています。

ぬめりが強いので、皮ごと茹でてから身を押し出すように剥がし、そのままごま塩などを付けて食べる「きぬかつぎ」という料理が有名です。石川早生は、その歴史的背景と風味豊かな特徴から、地域の食文化とともに人々に愛されています。

土垂

「土垂」は関東地方を中心に広く栽培されている、代表的な里芋の品種です。コロンとした楕円形の形状で、貯蔵性にも優れており、年間を通じて市場に出荷されています。

土垂は煮くずれしにくくホクホクとした食感から、炊き込みご飯や煮物、炒め物など、和食から洋食まで幅広い料理に利用されます。その安定した品質と風味ゆたかな味わいから全国で広く親しまれており、家庭料理だけでなくレストランにも欠かせない食材です。

タケノコ芋

「タケノコ芋」は円筒状の大きな里芋で、地上に頭を出している様子がタケノコに似ていることからそう呼ばれています。この品種は子いもをつけず、親いもを食べることが特徴。サイズが大きいため皮を剥くのが簡単で、扱いやすい品種です。

たけのこ芋は、その形状と食感から、煮物や炊き込みご飯に適しています。皮ごと調理することもでき、豊かな味わいと優しい甘みが料理に華やかさを与えます。宮崎の風土が生み出すたけのこ芋の独特の魅力をぜひ堪能してみてください。

親いも、子いも、孫いも…とは?

里芋の栽培は「種いも」と呼ばれる芋を植えてから始まります。この種いもが地中で成長し、「親いも」となります。親いもの周りには「子いも」が形成され、これがさらに成長して「孫いも」となるのです。

この連鎖的な成長過程が里芋の特徴であり、親・子・孫と続くことから、子孫繁栄の象徴ともされます。普段食べる里芋は、この子いもか孫いもの段階で収穫されたものです。親いもは株を支える役割で、子いもと孫いもは食用として楽しまれます。

里芋の収穫量No.1は、埼玉県!

農林水産省のまとめによると、2021年における里芋の収穫量No.1は埼玉県。埼玉県は約1万8700トンの収穫量で、2位は千葉県、3位は宮崎県です。

埼玉県内では、所沢市、狭山市、入間市、日高市、川越市、三芳町など多くの地域で里芋が栽培されています。特に、西部地域の所沢市や狭山市では、独自の工夫が凝らされた「トコろんのおやつ」や「里芋のフロマージュ」などの商品が生産されているのが特徴です。

ほかにも産地はたくさん

里芋は、ほかにも産地があります。例えば、愛媛県は温暖な気候と土壌により、ほんのり甘くてなめらかな食感の里芋が収穫されます。また、鹿児島県も温暖な気候が里芋栽培に適しており、深い味わいと風味が楽しめます。

新潟県においては寒暖差が大きいため、糖度が高く甘みが引き立った里芋が採れます。さらに、福井県の大野市上庄地区で育つ「大野里芋」はブランド里芋で、20年前から全国的な人気を集めています。

岡山県の奈義町では、火山灰からできた「黒ぼこ」と呼ばれる土壌が里芋の育成に適しています。ここで栽培される里芋はぬめりが強く、風味豊かでほのかな甘みも楽しめます。奈義町では芋煮会「芋-1グランプリ」も開催され、特産の里芋を使った芋煮が競われます。

このように、里芋は幅広い地域で収穫され、多くの人から愛されています。

里芋の栄養とレシピ

里芋は、粘性物質による栄養が豊富に含まれ、その特異的な成分が健康に与える影響は多岐にわたります。

ここからは、里芋の栄養の価値とそれを最大限に引き出すためのレシピを3つご紹介します。これらのレシピを取り入れることで、美味しさと健康の両立を実現できるはずです。栄養を効果的に摂取し、心地よい食事のひとときを楽しみましょう。

里芋の栄養は「ぬめり」にある!

里芋の特徴でもあるぬめりは、主に「ガラクタン」という炭水化物とたんぱく質の結合した粘性物質によるものです。このぬめりには、コレステロールの吸収を抑える効果や腸内の老廃物を排出する働きがあり、健康をサポートします。

また、里芋のぬめりには「ムチン」という成分も含まれています。ムチンはたんぱく質の消化・吸収を高め、胃腸の活性化にも役立ちます。

さらに、里芋は体内の余分なナトリウムを排出し、高血圧やむくみを予防するカリウム、糖質の分解を助けるビタミンB1、便通を促しコレステロールや毒素を排泄する食物繊維も豊富に含まれています。

里芋は鶏肉や卵と一緒に摂ると、ムチンの効果によりたんぱく質の吸収が促進され、スタミナをアップさせる効果も期待できます。ぬめりに秘められた栄養価を最大限に活かし、健康的な食事を楽しんでください。

シンバルさんのアイデア

里芋と鶏肉の筑前煮

材料 : 鶏肉 / 大根 / 人参 / 里芋 / うす揚げ / 砂糖 / 酒 / 白だし / 醤油 / だし / ゆずの皮

ほっこりと温かな「里芋と鶏肉の筑前煮」。なめらかな里芋のぬめりと、優しい味わいのだしが染み込んだ鶏肉がマッチしています。煮込むことで里芋はまろやかな食感と風味に変化します。食欲をそそる香りが立ち上る一品は寒い日にぴったり。ぜひ、心も体も温まる味わいを楽しんでみてください。

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tomocoさんのアイデア

里芋コロッケ

材料 : 里芋 / 豚ひき肉 / 玉ねぎ / 塩(里芋用) / A 醤油、みりん / A 塩 / A こしょう / 薄力粉、溶き卵、パン粉

サクサクの衣に包まれた「里芋コロッケ」。外はパリッと、中はほくほくの里芋が絶妙なバランス。揚げたての香りが食欲をそそり、一口噛むとほんのり甘みが広がります。おかずとしてもおつまみとしても、どんなシーンでもぴったりです。

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青山金魚さんのアイデア

里芋のレンチン煮

材料 : さといも(冷凍・Sサイズ) / うずらの水煮 / すき焼きのタレ / ごま油

手間いらずで簡単に作れるこの一品は、忙しい日の強い味方です。ふっくらとした里芋が、だしの風味とともに染み渡り、優しい味わいを楽しませてくれます。レンジで調理することで、里芋の甘みやほくほく感をそのまま引き出し、栄養もしっかり摂れます。ご飯のお供や一品料理として、食卓に彩りを添えてくださいね。

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里芋の保存方法

里芋を保存する際は、新聞紙で包んで冷暗所に保管するのが基本です。里芋は寒さと乾燥に弱いため冷蔵庫での保管は避けるのがベター。ゆでた里芋は水気をしっかり取り、ラップに包んで冷凍保存も可能です。

里芋は皮を剥くとぬめりがあり、加熱すると粘り気が出てきます。ぬめりは塩もみして洗い流すことができ、調理の味もよりしみ込みやすくなります。皮ごとゆでることで簡単に剥けますが、そのまま食べても里芋の素朴なおいしさが楽しめますよ。

保存方法に気を付けながら、里芋の風味と栄養を大切に味わいましょう。

まとめ

今回は、ほかにはない唯一無二の風味とホクホクとした食感を持つ里芋の魅力について、たくさん触れていきました。

里芋の歴史は古く、今でも日本の食文化には欠かせない食材。日本各地でさまざまな個性豊かな品種が育てられているので、食べ比べてみるのもおすすめです。旬の時期には栄養満点な里芋を、ぜひ食卓に並べてみてくださいね。

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