サラダの主役の野菜といえば、レタスですよね。通年スーパーで見かけますが、旬の時期がいつなのかを知っていますか?
この記事では、レタスの旬は何月か、旬ごとの主な産地、おすすめサラダやちょっとユニークなレタスレシピなどを紹介します。
レタスの旬と産地
スーパーにいつも並んでいるレタスですが、実は出荷時期により「春レタス」「夏秋レタス」「冬レタス」に分かれており、季節によって少し味も違います。
ここでは、日本で生産されるレタスの旬や主な産地を紹介します。
春レタスの旬・産地
レタスは、気温が15〜25℃のとき最もよく発育する野菜。春から夏にかけては特にレタスの美味しい時期です。
4月〜5月を旬とする春レタスは、瑞々しく、シャキシャキした歯触りと濃い旨みがあります。
春レタスの出荷量トップは茨城県。令和3年産の作物統計調査によると茨城県の春レタス出荷量は34,600tで、全国出荷量の約3割を占めています。また、長野県や兵庫県でも栽培が盛んです。
出典:e-Stat 政府統計の総合窓口/作物統計調査 作況調査
夏秋レタスの旬・産地
夏秋レタスは、暑い季節でもレタスに適した気温の地域で栽培されます。夏秋レタスは春レタスより小ぶりなこともありますが、そのぶん味が濃厚です。
夏は冷涼な北海道や、長野県・群馬県の高冷地、秋は気温の安定した平野の茨城県などが主な生産地です。夏秋レタスの有名ブランドといえば、長野県南佐久郡川上村の「川上村レタス」。
標高1,000m以上の千曲川源流にある川上村は、昼夜の寒暖差が大きい地域です。その寒暖差により、旨みがギュッと凝縮された柔らかい夏秋レタスができます。
6月下旬〜9月に出荷されるので、見かけたらぜひ味わってみてください。
冬レタスの旬・産地
冬レタスは、寒い時期でも気候が厳しくない西日本で生産が盛ん。
西日本の代表的な産地は日照時間の長い静岡県や、温暖な兵庫県の淡路島、香川県、長崎県などの九州各地です。産地によりやや差がありますが、冬レタスの旬は11月〜3月頃となります。
兵庫県・淡路島は西日本有数の冬レタス生産地。淡路島レタスはふんわりと大ぶりで瑞々しく、心地よいシャキシャキ感が特徴です。兵庫県をはじめ大阪府など広い地域に出荷されます。
香川県の特産冬レタスといえば、名前が可愛らしい「らりるれレタス」。観音寺市を中心に生産されるこのレタスは、葉が厚いので瑞々しさの持ちがよく、ほんのり甘いのが特徴です。
レタスの安い時期・高い時期は?
一般的に、レタスの価格が安い時期は出荷量が増える期間、高い時期は出荷量が減る期間です。
レタスは年間を通して産地をリレーしつつ生産されており、地域によって出荷のピークが違います。例えば、東京中央卸売市場のデータを見ると、出荷量が増える6月〜8月は価格が安くなり、出荷量が減る9月〜2月は高くなる傾向です。
また、露地栽培のレタスは大雨などの影響を受けるため、台風の季節になると出荷量が変動し、驚くほど価格が上がることもあります。
出典:農畜産業振興機構 野菜情報総合把握システム
レタスの品種
レタスの品種は意外に多く、10種類以上もあります。ここでは、スーパーでよく見るものから「これもレタス?」というものまで、主なレタスの品種を紹介します。
玉レタス
多くの人が「レタス」と聞くとイメージするのが玉レタス。スーパーでよく見かける、淡い緑色でパリっとした食感の丸いレタスです。
その形から「結球型レタス」に分類されます。英語で「パリッとした」を意味する「クリスプ」をつけ「クリスプレタス」や「クリスプヘッドレタス」と呼ばれることも。
レタスのなかで生産量が最も多く通年出回りますが、旬の時期は春と夏秋です。
サニーレタス
サニーレタスは玉レタスのように丸くない「非結球型」のレタスで、リーフレタスの一種です。
成長するとポリフェノールのアントシアニンにより葉先が赤紫色になります。苦味が少なく柔らかいので、何かを巻いて食べるのにもぴったりです。
一般的な出荷のピークは夏の初めや秋頃。サニーレタスの生産全国1位の長野県では、5月〜9月が旬となります。
ロメインレタス
ロメインレタスはシーザーサラダでおなじみのレタス。玉レタスのような結球型とサニーレタスのような非結球型の性質が混ざった「半結球型」のレタスです。
見た目は白菜に似た縦長の楕円形。葉が厚く軸が太いので、炒めても美味しく食べられます。
エーゲ海のコス島が原産のため「コスレタス」と呼ばれることもあります。
暑さや寒さに弱いロメインレタスは、温暖な春から夏前と秋頃が旬です。
サラダ菜
サラダ菜は結球型のレタスですが、玉レタスほど丸くありません。しかし、よく見ると外側の葉がやや重なっており、中央部分がゆるく丸まっています。
バターを塗ったような光沢がある葉なので「バターヘッド型」ともいわれます。
サラダ菜は葉が厚めで柔らかく、苦味やクセも少ない食べやすいレタスです。
他のレタスと同様暑さに弱いため、露地栽培のサラダ菜は5月〜6月頃と9月〜10月頃が旬。ハウス栽培のサラダ菜は1年を通して出回ります。
サンチュ
焼肉のお供でおなじみのサンチュは、リーフレタスの一種の非結球型レタス。
「サンチュ」は韓国での呼び名で、日本では「包菜(つつみな)」「かきチシャ」などと呼ばれ、奈良〜平安時代にはすでに栽培されていました。
ちなみに「かきチシャ」と呼ばれるのは、食べ頃になった外側の葉を掻いて収穫するから。スーパーのサンチュが数枚ずつのパックで売られているのは、こういう訳なんですね。
サンチュは柔らかな食感と、肉厚でシャキッとした歯触りが特徴。年間を通して出回っていますが、5月頃の出荷量が比較的多くなっています。
レタスの特徴と栄養
どんな季節でも食卓にのぼる、私たちの生活に欠かせないレタス。ここでは、レタスの歴史や主な栄養を紹介します。
レタスの歴史
レタスの原産地は地中海沿岸から西アジアの地域。
その歴史は古く、紀元前4000〜4500年頃にはエジプトで栽培されていたと分かっています。
もとは野生種だったその頃のレタスは非結球型だったそうです。レタスはその後中国を通じて10世紀頃日本に伝わり「チシャ」として食べられました。
玉レタスのような結球型が日本に伝わったのは明治時代以降となります。
レタスの栄養
レタスは水分の多い野菜ですが、いろいろな栄養も入っています。主な栄養素を紹介します。
- カリウム 余分な塩分の排出をサポートし、むくみの改善に役立つ
- ビタミンE 抗酸化作用があり、動脈硬化の予防や高血圧リスクの低下に役立つ
- ビタミンB1 糖質の代謝をサポートし、疲労の回復に役立つ
- 食物繊維 血糖値の急激な上昇を抑える。スムーズなお通じをサポートする
出典:独立行政法人 農畜産業振興機構
レタスの豆知識
日々なにげなく食べているレタスですが、実は食事以外の分野でも活躍しています。ここではレタスの豆知識を紹介します。
レタスは春の季語?
松尾芭蕉の句「ちさはまだ青ばながらになすび汁」の「ちさ」とは「萵苣(チシャ)」、つまりレタスのこと。
春の季語でありレタスを総称する和名のチシャは、平安時代終わり頃には食べられていました。
茎を折ると乳のような白い液が出るので「乳草(チチクサ)」と呼ばれ、それがなまって「チサ」になり「チシャ」に変わったとされています。
小学校受験に出題される?レタスの季節
小学校の受験問題でも、レタスなど身近な野菜について出題されることがあります。
よく出題されるのは「レタスはどの季節の野菜か」などの季節問題や、「野菜と果物を分ける」などの仲間分け問題。
食卓で会話をしながら、楽しく学んでおくといいですね。
レタスの保存方法
レタスは収穫後、ビタミンCなどを消費して呼吸しています。常温で置いておくと、1週間でビタミンCが半減してしまうそう。
なるべく早く食べたいですが、難しい時もありますよね。ここでは、レタスに適した保存方法と保存期間を紹介します。
冷蔵保存
レタスを2〜3日保存する場合は、濡らした新聞紙やペーパータオルを敷いた容器に入れ、蓋を閉めて冷蔵しましょう。
玉レタスなら芯の断面に数本爪楊枝を刺し、成長点に傷をつけて養分の消費を抑えるのがおすすめ。
カットレタスを保存するなら、オリーブオイルを絡めておくのも一つの方法です。
空気に触れるのを防ぐので、しばらくは美味しい状態を保てます。シャキシャキのうちはサラダに、しんなりしたらスープなど加熱料理に使いましょう。
冷凍保存
冷凍できないイメージのレタスですが、ポイントを押さえれば大丈夫。
保存の際はレタスの葉を洗って水気を拭き、手でちぎって冷凍用保存袋に入れ空気を抜きます。金属製のバットなどに保存袋を乗せ、冷凍庫に入れましょう。
ご家庭の冷蔵庫に「急速冷凍機能」があれば使うのをおすすめします。この方法なら約3週間保存できます。
冷凍したレタスを解凍するとべちゃっとするため、凍ったまま炒め物や汁物などの加熱料理に使うといいでしょう。
レタスのレシピ紹介
サンドイッチやサラダに欠かせない食材のレタス。実は、加熱しても美味しい万能野菜でもあるんです。ここでは、レタスのさまざまな魅力を引き出すレシピを紹介します。
レタスの簡単サラダ
ちぎったレタスや他の食材、調味料をポリ袋に入れて振るだけ。あっという間にできる簡単なサラダです。
洗い物がほとんど出ないのも嬉しいですね。包丁を使わないので、子どもと一緒でも安全に楽しく作れます。
青山金魚さんのアイデア
30秒♥しゃかしゃか振るだけ♥うまうまコーンレタス
材料 : レタス※1 / コーン缶(食塩無添加)※1 / 丸鶏がらスープの素 / 塩昆布(塩分控えめタイプ) / ごま油
あともう一品にも、パパのおつまみにも。お野菜のおかず兼おやつにも♪
父の日に小さなシェフ(お子ちゃま)からパパへのプレゼント料理にもどうぞ♪
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レタスの温サラダ
レタスをしゃぶしゃぶ風に食べる、ちょっとユニークなアイディア温サラダです。
食感を生かすよう、レタスはサッと加熱するのがポイント。加熱すると苦味が抑えられるので、レタスが苦手な人もぜひ食べてみてください。
ぐっち夫婦さんのアイデア
生姜ごまポンで食べる♪まるごとレタスの豚しゃぶ温サラダ
材料 : レタス / 豚肉(しゃぶしゃぶ用) / 生姜 / ラディッシュ / <たれ> / ポン酢 / ごま油 / すりごま / 輪切り唐辛子
生姜が効いたタレが美味しい温サラダです。レタスがまるまる一つ食べられます!
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レタスの酸辣湯
適度な酸味が美味しい、レタスがたっぷり入った酸辣湯(サンラータン)です。
火の通りやすい食材ばかりなのでスピーディーに作れます。とろみのついたスープとしんなり食べやすくなったレタスが相性抜群です。
栄養士まみさんのアイデア
レタス1/2玉で風邪予防‼レタスとトマトの酸辣湯(サンラータン)
材料 : レタス / トマト(大) / しょうが / 卵 / 水 / 酒 / 鶏がらスープの素 / ☆酢 / ☆しょうゆ / ☆塩 / ☆ごま油 / ☆ラー油 / ♦水 / ♦片栗粉
あったかいスープレシピのご紹介♪
少し酸味があるので、食欲がない時でも食べやすいですよ❤︎
ガツンとした酸味ではないので、食べやすくなってます。
詳細を見る
レタスの旬を知って美味しく食べよう
レタスは古くから日本にあり、季語や受験問題にも登場する身近な存在。春、夏秋、冬と3回の旬があり、季節により主な産地が異なるので、食べ比べると楽しいですね。品種によっても味わいが違う、食べ飽きない野菜でもあります。
暮らしニスタに毎日投稿されるレシピもレタスメニューが豊富。ぜひ毎日の料理に活用してください。
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