ズッキーニは味にクセがなく、フランス料理やイタリア料理でよく使われる野菜です。
キュウリやナスに似ていますが、実はカボチャの仲間。「ズッキーニ」という名前は、小さなカボチャというイタリア語が語源です。
本記事ではズッキーニの旬が何月か、産地や美味しく食べられる調理法などを紹介します。
ズッキーニの旬の時期・季節
ズッキーニはビタミン類やカリウムを含む野菜です。ズッキーニの旬の時期や季節について解説します。
ズッキーニの時期
ズッキーニの旬の季節は、初夏から夏にかけてです。流通量が増えるため、スーパーで価格が安い時期も同じく夏頃になります。
また、ズッキーニの仲間「カボチャ」は完熟してから収穫しますが、ズッキーニは熟する前に収穫します。
なぜならズッキーニは大きくなりすぎると繊維質が増え、食感が悪くなるからです。長さが20cmになったところで収穫します。
秋ズッキーニの旬
一般的なズッキーニは春に種をまいて初夏〜夏に収穫しますが、9月に種まきをする「秋ズッキーニ」もあります。
秋ズッキーニは夏が旬のものより黒っぽい色をしており、病気に強く育てやすい品種です。
また、つるが伸びないので場所を取らないのも特徴。家庭菜園向きの野菜といえます。
秋ズッキーニの旬は地域によって差はありますが、10月・11月ごろまで収穫可能です。
ズッキーニの産地
ズッキーニは輸入に頼っているイメージがありますが、実は日本国内でも栽培されています。ズッキーニの産地は以下の通りです。
北海道
寒冷地のため生産量こそ少ないものの、北海道でもズッキーニは栽培されています。他の地域と収穫時期が異なるため、秋頃になると出回ります。
長野県
長野県はズッキーニの生産量が全国1位です。2020年の生産量は3,370tで、国内シェアの29.8%を占めます。特に、飯山市での生産が盛んです。
ズッキーニは成長スピードがとても速く、受粉後3日で収穫します。たった1日収穫が遅れるだけで、規格外の大きさになってしまうのだとか。
また、ズッキーニの皮は傷つきやすく、機械での収穫はできません。そのため、ひとつひとつ手で収穫します。最盛期は、1日500本以上収穫することもあります。
参照元:農林水産省「地域特産野菜生産状況調査」
新潟県
新潟県では、湯沢町や南魚沼市の塩沢地区がズッキーニの産地として有名です。田んぼの転作作物として、長年栽培されてきました。
また、津南町では越後湯沢の雪解け水を使った「雪水ズッキーニ」が栽培されています。
この地域は、準高原地域のため昼夜の寒暖差が大きく、おいしい野菜が栽培できる環境です。
津南町のズッキーニは、みずみずしくて甘味があると人気になっています。
千葉県
千葉県八街市では、珍しい「ジャンボズッキーニ」が栽培されています。大根ほどの大きさで、1本1㎏を超えるものもあります。
通常ズッキーニは大きくなると種や皮が固くなり、おいしく食べられません。しかし、ジャンボズッキーニは大きくても生で食べられるほどみずみずしく、やわらかいのが特徴です。
飲食店では、薄くスライスしたジャンボズッキーニを「食べられるお皿」として出すところもあります。
宮崎県
宮崎は、国内生産量2位のズッキーニの産地。県内全域で生産されていますが、特に有名なのが児湯地区や新富町です。
ハウス栽培がメインで、3〜5月頃から周年出荷されます。ズッキーニは生産サイクルが早いため、3ヶ月に1回収穫が可能です。露地栽培では、6〜8月にかけて収穫されます。
また、新富町はズッキーニの施設園芸の先駆けとして知られています。1980年頃、日本で初めてビニールハウスで本格的にズッキーニを栽培し始めました。
長崎県
九州では宮崎県のほか、長崎県や福岡県・鹿児島県などでも栽培されています。
長崎県でも、露地栽培のズッキーニは6〜8月が出荷の最盛期です。
ズッキーニとは?特徴と栄養
ズッキーニは長くて緑色をした野菜というイメージがありませんか?実は、さまざまな色や形をしたズッキーニがあるんです!
意外と知られていないズッキーニの特徴や、栄養素について解説します。
ズッキーニの特徴
ズッキーニは見た目がキュウリやナスに似ていますが、カボチャの仲間であるウリ科の野菜です。
アメリカ・メキシコが原産地とされ、日本で普及し始めたのは1980年に入ってから。近年では家庭菜園でも人気が高まっています。
スーパーでよく見かけるズッキーニは緑色や黄色ですが、白色の品種もあります。食感は緑色より黄色の方が、皮が薄く柔らかめです。
また、一般的に流通しているズッキーニは細長い形をしていますが、丸いものや「ジャンボズッキーニ」と呼ばれる大きな品種もあります。
ちなみに、ズッキーニとはイタリア語で「小さなカボチャ」という意味で、和名は「つるなしカボチャ」です。
花も食べられる!花ズッキーニ
ズッキーニの中には、花まで調理して食べられるものがあります。
日本で流通している花ズッキーニの多くは、成長する前の小さな実が付いた雌花を受粉前に収穫したものです。
ズッキーニの花は朝に開き、日が暮れるとしぼむため、早朝に収穫されます。
イタリアやフランスでは花の部分にチーズなどを詰め、揚げたり炒めたりして食べるのが一般的です。
花ズッキーニは傷むのがはやいうえ5〜7月にしか出回らないので、見つけたらぜひ食べてみてください。花ズッキーニならではの食感と風味が楽しめます。
ズッキーニの栄養
ズッキーニにはビタミンやカロテン、カリウム、食物繊維といった栄養が含まれています。
- ビタミンC
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンB6
- カロテン
- カリウム
- 食物繊維
ビタミンCは、美肌や貧血予防におすすめの成分です。ビタミンB1は疲労回復、ビタミンB2は脂質をエネルギーに変えるサポートをします。
ビタミンB6は、免疫機能の正常な働きを維持するのに必要です。
カロテンは抗酸化力が非常に高いのが特徴で、皮膚や粘膜、目の健康維持に役立ちます。
カリウムは、体内の余分な塩分を排出する働きがあります。
食物繊維は便秘予防におすすめの成分です。肥満や糖尿病、高血圧などの予防や改善にも効果的といわれています。
ズッキーニの保存方法
ズッキーニは冷やしすぎると「低温障害」を起こし、変色や食感が悪くなります。
正しい冷蔵・冷凍保存の方法を知って、おいしくいただきましょう。
冷蔵保存
切る前の状態のズッキーニは、1本ずつ新聞紙やキッチンペーパーなどで包み、ポリ袋に入れて保存します。冷えすぎない野菜室へ入れておきましょう。
あまり日持ちはしないため、3〜4日ほどで使い切ってください。使いきれずに残ってしまったズッキーニは、後述する冷凍保存にするともう少し長持ちします。
冷凍保存
切った後のズッキーニは軽くゆでて水気を切り、ラップやジップ式バッグに入れて冷凍保存するのが便利です。
切るのが面倒な時は、丸ごと1本ラップでぴったり包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍しましょう。使う時に2〜3分流水で解凍すれば、包丁で切りやすくなります。
保存期間は2週間が目安です。冷凍すると食感が変わるため、煮込み料理などの加熱して食べる料理が向いています。
ズッキーニのレシピ紹介
ズッキーニは煮込み料理や炒めものはもちろん、生でも食べられる野菜です。新鮮なズッキーニは、サラダにしてもおいしいですよ。さまざまなズッキーニのレシピを紹介します。
ラタトゥイユ
ズッキーニといえば、ラタトゥイユを思い出す人も多いのではないでしょうか?たっぷりの野菜が使われているので、栄養満点!
しっかり煮込まれて野菜のかさが減り、食欲のない時でも食べやすいですね。
ねこじゃらしさんのアイデア
作っておくと便利なラタトゥイユ♪
材料 : 玉ねぎ、人参、セロリ、ズッキーニ、ニンニク / ベーコン(他のお肉やソーセージでもOK!) / カットトマト(缶詰、レトルトなど) / オリーブオイル、ケチャップ、砂糖、ローリエ
野菜いっぱいのラタトゥイユを作っておくと色々使えて便利です
これから暑くなると冷たく冷やしたままでも美味しくて食欲がない時でも
ビタミンたっぷり補給できます♪
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ズッキーニとツナの梅しそサラダ
火を通したズッキーニしか食べたことがないなんて、もったいない!
新鮮なズッキーニは生で食べてもおいしいです。ぜひサラダで、旬のズッキーニを味わってみてください。
花ぴーさんのアイデア
無限にイケる♪ ズッキーニとツナの梅しそサラダ
材料 : ズッキーニ / ツナ缶(ノンオイル) / 梅干し / 大葉 / 塩昆布 / マヨネーズ
美味しくて無限に食べられます♪
梅しそがきているのがポイントです。
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ズッキーニの煮物
ズッキーニは和風の煮物にしてもOK。短時間しか煮込まなくても、時間をおけば味が染みてきます。
暑くて火を使いたくない時や、ちょっとした作り置きをしたい時に便利です。歯ごたえを残したいなら短めに、トロトロ食感が好きなら長めに煮ます。
増田陽子さんのアイデア
夏に助かる作り置き短時間煮物♪ズッキー煮(ズッキーニの煮物)
材料 : ズッキーニ / しめじ / ●だし / ●みりん / ●醤油 / 塩 / 油
ズッキーニは和風の煮物にも向いています。短時間で煮ても、そのままおけば味が染み込んでいきますよ。暑くて火をなるべく使いたくない夏、短時間で作れる煮物は助かります♪
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ズッキーニの旬を知って美味しく食べよう
ズッキーニは見た目がキュウリやナスに似ていますが、カボチャの仲間です。
初夏から夏にかけて旬を迎え、日本では長野県や宮崎県で多く生産されています。ズッキーニは色や形にさまざまな種類があり、9月に種まきをする「秋ズッキーニ」や、花まで調理して食べられる「花ズッキーニ」もあります。
ズッキーニは煮込み料理でよく使われますが、生や和風の味付けで食べるのもおすすめです。
暮らし二スタにはさまざまなズッキーニのレシピが掲載されていますので、ぜひ検索してみてください。
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