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「探求」と「探究」は意味が違う!例文付きで使い分けを徹底解説

「探求」と「探究」は意味が違う!例文付きで使い分けを徹底解説

「探求」と「探究」はどちらも「たんきゅう」と読むうえ、字面もよく似ていますよね。実は漢字だけでなく意味も少し似ているため、違いがよくわからないと感じている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、混同されがちな「探求」と「探究」の意味の違いについて、例文を交えて分かりやすく解説します。この記事を読めば両者の意味の違いがわかり、使い方をマスターできるようになりますよ。「探求と探究ってどう違うの?」と疑問に感じている方は、ぜひこれを機に覚えてしまいましょう!

「探求」と「探究」の意味の違い

「探求」は「探し求める」、「探究」は「探し究(きわ)める」と書きます。しかし、これだけではいまいち意味の違いが理解できませんよね。まずは、それぞれの意味を辞書の説明を交えながら詳しく解説します。

探求

  • [名](スル)あるものを得ようとしてさがし求めること。さがし出して手に入れようとすること。「幸福の―」「貴重本の所在を―する」(引用:goo辞書)

「探求」は「探し求める」と書くように、あるものを得ようと行動する様子を表す言葉。一般的に、自分自身の内側や外の世界を深く理解しようとすることを意味します。また、新しい知識や理解を得るために、積極的に学び続けることも含まれます。個人的な好奇心や情熱に基づいて、あるテーマやトピックに対して精力的に取り組む様子が伺える言葉です。

例えば、あるものを探し求めてあちこち探し求める人を「探求者」と言ったり、物事を理解するために探し求める心を「探求心」と言ったりします。「探求」の類義語は、「深掘り」や「掘り下げ」などです。「追い求める」と言い換えることもできるでしょう。

探究

  • [名](スル)物事の意義・本質などをさぐって見きわめようとすること。「真理の―」「生命の神秘を―する」(引用:goo辞書)

「究」という漢字には、「真理や本質をつかむため、これ以上行けないところまで推し進める」や「これ以上行けないところ」という意味があります。ある問題や課題に対して、積極的に調べて解明しようとする姿勢を表す言葉です。そのため、主に具体的な課題や問題、実用的な目的を持った研究や調査に対して使われる傾向にあります。

ちなみに、「探究」の類義語は「調査」「研究」「究明」などです。

2つの大きな違いは「目的」

「探求」と「探究」の意味の違いだけでは、「分かったようで分からない……」と混乱している方もいるでしょう。両者の違いは、その「目的」に焦点を当てると、より明確になります。

「探求」の目的は、なにか分からないもの、どこにあるか分からないものを追い求めることそのもの。主に、個人的な好奇心や哲学的な興味に基づいて行われます。哲学や宗教、芸術などの領域でよく使われる言葉です。

一方、「探究」は「ある物事を見極めて理解すること」であり、その目的は対象の物事を科学的な観点からの研究や調査などによって「解明」することにあります。つまり「探究」は、実験や分析などを通じて、現象や物事の根本的な原因や法則を理解しようとする科学的なアプローチなのです。そのため、科学や技術分野などの領域でよく使われます。

例文で理解をもっと深めよう

「探求」と「探究」の意味の違いを理解したあとは、実際の会話や文章ではどのような使い方をするのかをチェックしてみましょう。それぞれに例文を紹介しながら、どのような意味で使われているのかを解説します。

まだ両者の使い分けがあやふやな方は、例文を参考に「探求」と「探究」の違いをマスターしてください!

「探求」の例文

①彼は、自分の人生の目的を探求するために、世界中を旅しています。

上記の例文では、彼が人生の目的を「探し求めている」ため、「探求」を使います。この例文のように、自分自身や何かを深く理解するために熱心に探し求める姿勢や、精神的に成長しようと努める態度を表現する言葉として使用します。

②芸術家たちは常に新しい芸術表現を探求し、自分たちの表現力を向上させています。

上記の例文は、芸術家たちが新しい表現方法を「探し求めている」ことを意味しています。この例文のように、「探求」は個人の能力や知識を向上させるための積極的な行動として用いることもあります。

③人々は、幸福の真の意味を探求するために、哲学や宗教に興味を持ちます。

ここでの「探求」は、幸福というものの真の意味を理解しようとする積極的な姿勢を表しています。つまり、幸福について深く考え、それを追求するために、哲学や宗教に興味を持つことが重要であるということを示しています。

「探究」の例文

①科学者たちは、その病気の新薬を開発するために探究を続けています。

ここでの「探究」は、科学者たちがある病気の新薬を開発するために、膨大なデータを収集し、実験を繰り返している様子を表しています。

②理科の実験を通して、子どもたちの探究心を育みます。

ここでの「探究心」は、子どもたちが自分自身で問題を発見し、実験を通じてそれを解決しようとする心を意味しています。理科の実験は、自分自身で仮説を立てて実験を行い、その結果を分析・考察することで事象の因果関係を明らかにしていく行為であるため、「探究」が使われています。

③彼女は歴史の謎を解くために、熱心に探究を続けている研究者の一人です。

ここでの「探究」は、彼女が歴史において未解決の問題や謎に取り組み、それを深く掘り下げて解決策を探っていることを意味しています。上記の例文のように、「探究」は科学的な研究や歴史的な調査など、幅広い分野で使われる言葉です。

3つのミニクイズに挑戦!

それでは、「探求」と「探究」の違いがしっかり理解できているかどうか、ミニクイズでチェックしてみましょう。以下の例文に使われている「タンキュウ」にふさわしいほうを、「探求」または「探究」のいずれかから選んでみてくださいね。

クイズ①

彼は自身の幸福を「タンキュウ」するため、旅に出る決心をしました。

クイズ②

彼女は人生の意味を「タンキュウ」するため、哲学書を読むことに没頭しています。

クイズ③

彼らは人類の進化の謎を「タンキュウ」するため、研究に一生を捧げました。

答えはこちら

①の答えは「探求」です。

自分自身の幸福を「探し求めている」ため、「探求」が当てはまります。ここでの「探求」は、彼が自分自身や人生について深く考え、それを理解し、「自分の幸福とは何か?」を追い求めている、という意味です。

②の答えは「探求」です。

ここでは、彼女自身が人生の意味や哲学的な問いに対して、哲学書を読むことでその答えを「探し求めている」という意味で使われています。つまり、哲学書に書かれた哲学者たちの考え方や論理を追いかけ、自分なりの理解を深めることで、自己啓発や成長を促そうとしているのです。

③の答えは「探究」です。

この文章は、彼らが人類の進化の謎を解明するため、一生をかけて研究を続けたことを意味しています。より深い理解や知識を得るために、調査・研究を進めたことを表現したいため、探究が正解です。

英語表現もチェック!

おまけとして、「探求」と「探究」のそれぞれの英語表現もチェックしておきましょう!

探求を英語で表現する際は、「quest」や「research」などが用いられます。いずれもある物事を「探し求める」ことを表す英単語です。

一方で、「探究」は英語で「inquisition」と言います。「inquisition」には、「審理、探究、取り調べ」「宗教裁判、異端審問」といった意味があります。

まとめ

「探求」は「あるものを得ようとして探し求めること」、「探究」は「物事の意義・本質などを探って見極めようとすること」を意味します。どちらも似たような意味を持つ言葉ですが、探求の目的が物事の意義を追い求めること自体であるのに対して、探求の目的はなんらかの事象を理解・解明することという違いがあります。

混同されがちな漢字ですが、上手に使い分けて、言葉の幅を広げてくださいね!

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