太刀魚の旬の時期・季節はいつ?名前の由来や美味しい食べ方も紹介

太刀魚の旬の時期・季節はいつ?名前の由来や美味しい食べ方も紹介

夏から秋にかけて旬を迎える太刀魚は、上品な味わいの白身魚です。しかし、大きな太刀魚は捌きにくそう、食べ方が分からない、などと思っている人もいるかもしれません。

この記事では、太刀魚の旬の時期・季節のほか、美味しく食べられる調理法などを紹介します。下処理の方法も解説するので、ぜひ、旬の太刀魚のおいしさを家庭で味わってみてください。

太刀魚の旬の時期

旬の太刀魚はもちろんのこと、少し旬を過ぎた太刀魚も栄養たっぷりで美味しく食べられます。ここでは、太刀魚の旬の季節や安く買える時期、秋・冬の太刀魚の美味しさを紹介します。

太刀魚の旬の季節

太刀魚の旬の季節は7〜11月頃で、6〜11月頃の繁殖期と重なります。特に真夏の太刀魚は、脂がのっていて、上品な味わいのなかに旨味が凝縮されており食べ頃です。

また、太刀魚は加熱しても身が固くなりにくい魚です。刺身として食べても、塩焼きや煮付け、揚げ物などにしても美味しいですよ。

美味しい太刀魚はハリがあるので、触れてもいいなら感触を確かめてみましょう。また、表面の銀色がきれいで、目が澄んでいれば新鮮な証拠です。切り身の場合は、鮮度が高いほど身に透明感があります。

太刀魚が安い時期は?

その年の状況によっても変わりますが、豊洲市場での太刀魚の相場は、4月くらいから高くなり、夏から秋にかけて安くなっていきます。冬の12~1月あたりの太刀魚の相場は、比較的安い傾向です。

太刀魚は、1年中水揚げされ、季節によらず味わいが安定していると言われています。お得に買える時期は、狙い目ですよ。

秋から冬の太刀魚は美味しい?

旬の時期を過ぎても、太刀魚は美味しく食べられます。産卵後に水揚げされる秋から冬の太刀魚は、寒い冬を越すために栄養をたっぷり蓄えた状態です。身が太い太刀魚は、大人の指4本分くらいの体高(腹部から背中にかけての高さ)まで成長しています。

体長1.5mを超える大型の太刀魚もいますが、あまりに大きいと味がぼやけがちです。体長が1mを少し超えるものを目安に選ぶと、美味しい太刀魚を買えますよ。

太刀魚が水揚げされる地域

太刀魚の多くは、西日本の温かい海で水揚げされます。太刀魚が主に水揚げされる、長崎県・五島や和歌山県の特徴を解説します。

長崎県・五島

長崎県・五島は、全国有数の好漁場です。黒潮によりプランクトンが集まる五島列島近海は、魚たちの格好の餌場です。東シナ海の荒波でもまれた魚たちは、過酷な環境で身がしまっています。夏から秋の五島列島近海では、太刀魚をはじめとして、カンパチやメダイ、サバやカツオなども水揚げされます。

五島列島近海で水揚げされる太刀魚には、平成23年度に「五島太刀」というブランド名が付けられました。五島太刀は夏から秋にかけて漁獲され、曳縄(ひきなわ)漁で水揚げされます。曳縄漁とは、船から釣り糸・釣り針を吊したものをひき回す漁獲方法です。

また、「五島箱入娘」というブランドもあります。五島箱入娘には、春夏秋冬の4つの季節ごとに、太刀魚をはじめとする旬の魚介類が認定されています。五島箱入娘に認定されるには、品種ごとの基準項目をクリアしなくてはなりません。審査は無差別検査で、5回連続して審査に合格したもののみ、五島箱入娘を名乗ることができます。

和歌山県

和歌山県は、太刀魚の漁獲量が全国トップレベルです。和歌山県の太刀魚のほとんどは紀伊水道の沖合いで漁獲され、有田市の箕島漁港に水揚げされます。有田市は、地元で水揚げされた太刀魚を、「紀州紀ノ太刀(きのたち)」としてブランド化しました。和歌山県も、紀州紀ノ太刀を優良県産品(プレミア和歌山)に認定し、知名度アップに乗り出しています。

箕島漁港で獲れたての太刀魚は、あっさりとした味わいながらも脂がのっています。箕島漁協直営の「浜のうたせ」の鮮魚コーナーでは、新鮮な太刀魚を購入できます。食堂では、太刀魚をはじめとする鮮度抜群のグルメを楽しめますよ。

有田市は、オリジナルの太刀魚グルメも魅力です。「うな重」ならぬ「たち重」や、小ぶりの太刀魚を骨ごとすり潰して油で揚げた「ほね天」など、有田市ならではのグルメを堪能できます。3枚おろしにした太刀魚をそのままの長さで揚げた、ビッグサイズの「太刀魚フライ」も人気です。

太刀魚とは?名前の由来や特徴・季語

太刀魚は一般的な魚とは異なる特徴的な見た目をしています。ここでは、太刀魚の名前の由来や特徴、季語などを解説します。

太刀魚の名前の由来

太刀魚の名前は外観に由来しています。銀色に光る体が刀のように見えるため太刀魚と名付けられたという説や、静かな海中で頭を上にして泳ぐ習性があり、立っているように泳ぐ姿から「立ち魚」と呼ばれた、などの説があります。

「カットラス(片刃の短剣)フィッシュ」「サーベルフィッシュ」のように、太刀魚は英語でも刃物にちなんだ呼び名が定着しています。

太刀魚の特徴

太刀魚の特徴は、鱗がないことです。鱗がない代わりに、太刀魚の体の表面はグアニン色素層で覆われています。グアニン色素はキラキラした見た目で、人が触っただけですぐに落ちてしまうほど薄く落ちやすいんです。ちなみに、グアニン色素は、マニキュアなど化粧品のラメの原料として使われていたと言われています。

他にも、太刀魚には、胸びれや尾びれ、腹びれが退化して目立たないという特徴もあります。また、歯は鋭く、エビなどの甲殻類や小魚を噛み砕いて食べる魚です。

秋の季語

太刀魚は、旧暦の8月である「中秋(ちゅうしゅう)」の季語です。中秋は、現行暦の白露(はくろ)(9月8日ごろ)から寒露(かんろ)の前日(10月7日ごろ)までにあたります。太刀魚の旬の時期と中秋は、一部重なりますね。

太刀魚を使った俳句には、正岡子規の「太刀魚の 水きつて行く 姿かな」「太刀魚の 出刃庖丁に はてにけり」などがあります。

太刀魚の美味しい調理法

本段落では、下処理も含め、さまざまな調理法の太刀魚料理を紹介します。シンプルに美味しい太刀魚を味わえる刺身や、塩焼き・煮付け・天ぷらの作り方を参考に、太刀魚を調理してみましょう。

太刀魚の下処理

太刀魚の歯は鋭く触っただけでもケガをすることがあります。危ないため、頭ごと切り落とすか、口元のみ切断しておきましょう。

太刀魚には鱗がなく、鱗取りの手間がありません。腹を包丁で開き、エラを引き剥がすと内臓ごと取り除けます。尾の部分はほぼ身がないため、ぶつ切りにしましょう。内臓を取り除いた後はキッチンペーパーで水気を取ると、臭みを抑えられます。

なお、太刀魚は背びれの根元に硬い小骨があります。子どもなどに食べさせる予定があれば、危なくないように小骨を取り除きましょう。

刺身

新鮮な太刀魚は刺身にすると美味しいですよ。地域によってはスーパーでも気軽に太刀魚を買えます。わさびの他に、太刀魚はもみじおろしとの相性も抜群です。淡泊な太刀魚にもみじおろしの辛みが効いて、さっぱりと食べられます。

塩焼き

太刀魚はあっさりした味わいなので、シンプルな味付けで美味しさが引き立ちます。レモン汁などさっぱりしたタレやハーブ類などと相性がいいです。 焼き野菜や和え物など、付け合わせに夏野菜を添えると食卓が鮮やかになります。

栄養士まみさんのアイデア

【骨粗しょう症予防】焼いて!混ぜてのせて!塩焼き~レモンねぎソースがけ~

材料 : 太刀魚 / 塩 / 小ねぎ / ☆レモン汁 / ☆塩・胡椒 / ☆顆粒中華スープの素 / ☆ごま油

脂っこいんだけど…実はダイエットに向いている「太刀魚(タチウオ)」
そんなタチウオを使って、さっぱりしたレシピです♪

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煮付け

淡泊な太刀魚は、濃い味のタレで煮付けると旨みが全体に染み渡ります。太刀魚は肉質が柔らかく煮崩れしやすいので、弱火でじっくり煮ましょう。ぶつ切りの大きさや肉の厚みにより、煮込む時間を調整することがポイントです。

わんたるさんのアイデア

太刀魚の煮付け

材料 : 太刀魚 / ★水 / ★しょう油 / ★砂糖 / ★しょうが(すりおろし)

煮込み時間10分で作れる、太刀魚の煮付けです。
簡単でご飯がモリモリ食べられます♪

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天ぷら

カラッと揚がってジューシーな太刀魚は、おかずやお酒のツマミにぴったり。天ぷら衣に青のりを混ぜると、風味がよく彩りも鮮やかです。癖がないので、上品な香りの大葉と組み合わせてもいいですね。あらかじめ天ぷら衣に氷を入れておくと、カラッと揚がりますよ。

わんたるさんのアイデア

タチウオの青のり天ぷら

材料 : タチウオ / ★薄力粉 / ★水 / ★氷 / ★青のり / 油

青のりたっぷりの衣で揚げる、太刀魚の天ぷらです。サクサクしていておかずやおつまみにぴったり♪

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太刀魚の旬を知って美味しく食べよう

太刀魚の旬の時期・季節は、夏から秋です。旬の太刀魚は、上品な味わいで脂がのっていますよ。また、秋から冬の太刀魚も、栄養たっぷりで美味しく食べられます。今回紹介した下処理方法や刺身、塩焼きなどのレシピを参考に、太刀魚を調理してみましょう。

暮らしニスタには豊富なレシピが毎日投稿されています。太刀魚はもちろん、美味しいレシピがたくさん掲載されているので、ぜひご覧ください。

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