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「追求」と「追及」の違いを言える?例文や類語を学んで正しく使い分けよう

「追求」と「追及」の違いを言える?例文や類語を学んで正しく使い分けよう

「追求」と「追及」は同じ読み方でありながら漢字も一文字しか変わらないので、意味の違いをはっきりと説明できる人は少ないのではないでしょうか。

しかし、実は意味合いが異なる2つの言葉を誤って使用してしまうと、相手に伝えたいことが伝わらなかったり、さらには勘違いされてしまったりする恐れがあります。

そうならないためにも、意味の違いをしっかりと理解し、正しい使い分けを行いましょう。今回は、意味の違いから例文、類語まで徹底解説!本記事を見れば、「追求」と「追及」をスムーズに使い分けることができ、ビジネスシーンでも一目置かれること間違いなしです。

「追求」と「追及」の意味

まずは、意味の違いを学びましょう。「追求」と「追及」はたった一文字しか変わらないにも関わらず、意味合いやニュアンスがガラッと変わります。

ここでは、それぞれの意味だけでなく、2つの決定的な違いについても説明していますので、しっかりと使い分けられるようになりたいという方はぜひチェックしてくださいね。

「追求」の意味

  • [名](スル)目的を達するまでどこまでも追い求めること。追尋。ついく。「利潤を―する」

出典:goo辞書

「追求」は、ある目的や目標に向かって追い求めることを意味します。主に、自分が自分自身のために追い求める場合に使われるので、人に求める場合に「追求」は使われません。

「追」には、あとをおいかける・ルートを探る、「求」には、ほしがる・自分のものにしようとする、という意味合いがあります。自分のものにするために追いかけるということなので、使い方の例としては「理想を追求する」「幸福を追求する」などがあります。

「追及」の意味

  • [名](スル)(1) どこまでも追いつめて、責任・欠点などを問いただすこと。「責任の所在を―する」(2) 追いつくこと。「日のある中に本隊に―したいと思っていたが」〈火野・土と兵隊〉

出典:goo辞書

「追及」は、相手を問いただし、追い詰めることを意味します。追い詰めるというと物理的に追い詰める様が思い浮かびますが、実際は言葉で問い詰めたり、責め立てたりする意味合いで使われることが多いでしょう。

「追」は「追求」と同様に、あとをおいかける・ルートを探る、「及」には、届く・おいつく、という意味合いがあります。追いついて、問いただすということなので、使い方の例としては「責任を追及する」「犯人を執拗に追及する」などがあります。

2つの違いは「相手に問い詰めることか」で決まる

「追求」と「追及」の大きな違いは、「相手に問い詰めること」かどうか。「追求」は相手に求める場合には使われず、「追及」は自分に求める場合には使われないので、迷ったらまずは誰に向けたものなのか考えてみましょう。

また、「追及」は、主に問題やトラブルが発生したときや、それによって責任の所在を求められるシーンなどで使われる言葉です。ただ相手に質問するだけのことには「追及」は使われません。場合によっては失礼に当たってしまうこともあるため、目上の人に使用する場合は注意しましょう。

一方で、「追求」は夢や幸福など、主に概念的な目標や理念、理想を粘り強く追い求めるときに使われる言葉です。ある商品が欲しいという場合や、走って追いかけるときなど、物理的に追いかける(求める)ときに「追求」を使うことはないので、しっかりと区別しておきましょう。

類語である「追究」の意味とは

「追求」と「追及」の類語である「追究」も、まったく同じ読み方をします。しかし、「追究」の意味は、深く調べて明らかにすること。もっと詳しく言うと、どういうものか分かっていないもののことを調べたり考えたりして明らかにすること、を指します。

「研究」に含まれる「究」には、きわめる・本質をさぐる、という意味合いがあります。そこに「追」の、ルートを探る、という意味を合わせるので、自分の概念を追い求めたり、相手を問いただすのとは意味が異なることがよく分かるのではないでしょうか。

使い方の例としては「宇宙の謎を追究する」「学問を追究する」など。主に公的な場で使われる言葉なので、覚えておいたほうが無難です。

「追求」と「追及」の例文

意味の違いや類語を頭にインプットしたら、例文もチェックしてみましょう。「もう使い方は理解した!」という人でも、例文を見ると意外と分かっていなかった、理解度がまだ浅かった、というケースがあります。

理解度を深くするためにも、それぞれの例文は要チェック。日常生活で正しい使い分けがスムーズにできるよう、ぜひ目を通しておきましょう。

「追求」の例文

「追求」を使った例文は以下の3つです。

①企業活動の目的の一つに、利益の追求がある

利益は、企業活動する上での「目的」の中に含まれているものであるため、概念を追い求めるという意味で「追求」を使用します。

②彼は、理想の体型を追求しすぎている

「理想の体型」という彼の目標を追い求めているため、「追求」を使用します。

③私は、常にワインに合う料理の追求に励んでいる

「ワインに合う料理」という私自身の目的を追い求めているため、「追求」を使用します。

「追及」の例文

「追及」を使った例文は以下の3つです。

①トラブルの原因や責任の所在を追及しなければならない

トラブルに対する責任が誰にあるのかを問い詰めたい、ということなので「追及」を使用するのが適切。

②犯人と思わしき人物に現場の状況を執拗に追及した

トラブルや問題を表すシーンであり、犯人の疑惑がかかっている人物に対して、問い詰めるということなので「追及」を使用します。

③ある政治家への取材では「引き続き責任を追及していく」と語っていた

何か起きたことに対しての責任を問い詰める、ということなので「追及」を使用します。

英語表現の違い

実は、「追求」と「追及」の英語表現も少しだけ異なる程度なのです。それぞれの英語表現を見ておくことで、違った角度から言葉の理解を深めることができるでしょう。

また、ワンランク上の理解度を達成するには、それぞれの英語表現の違いを理解した上で、アウトプットまでできるとなおよし。ビジネスシーンで英語を使用する場合は、必ずチェックしてください。

「追求」の英語表現

「追求」は、英語で「Pursuit(パシュート)」と言い、「追求する」は「to pursue(トゥ パシュート)」と表現します。

ただし、「Pursuit」には「追撃する」「追跡する」など、物理的に追い詰めるような、少し過激な表現としても使われるため、使い方にはやや注意が必要です。

「the pursuit of happiness(幸福の追求)」など、Pursuit of〜のあとに自分の概念や理念、理想を表す単語を加えれば「追求する」という意味になるので、覚えておきましょう。

「追及」の英語表現

「追及」にはざまざまな表現がありますが、主に使われるのは「Pursue(パスー)」。「Pursuit」によく似ていますね。「追及する」は「to pursue(トゥ パスー)」と表現します。

しかし、「Pursuit」と違い、「Pursue」には物理的に追いかけるような過激な意味合いはあまりありません。ですので、「To pursue the issue of the causal relationship(因果関係の追及)」のように、トラブルや問題に対して誰かを問い詰める場合に使うのが適切です。

「追求」と「追及」の言い換え

ここでは「追求」と「追及」の言い換えについていくつかご紹介します。言い換えをいくつか学んでおくと、表現の幅が大きく広がりますよ。

例えば、文章を考える場合や人に伝える際、同じ意味でも適切な言い換えをすることで相手にも伝わりやすくなります。ぜひ確認しておきましょう。

「追求」の言い換え

追いかける/求め行く/追い求める/逐い求める/探し求める など

出典:Weblio類語辞典

「追及」の言い換え

問い詰める/問いただす/取り調べる/捜査する/捜索する など

出典:Weblio類語辞典

3つの例文クイズにチャレンジ!

ここまで、さまざまな角度から理解度を深めてきました。最後に、しっかりと理解できているか3つのクイズにチャレンジしてみましょう。

ぜひ、全問正解を目指して頑張ってくださいね!

クイズ①

生命、自由及び幸福「ツイキュウ」に対する国民の権利

クイズ②

国会での「ツイキュウ」はおよそ3時間も続いた

クイズ③

警察で余罪を「ツイキュウ」する

答えと解説

①は「追求」が正解。実は、日本国憲法13条に定められている文言で、自由や幸福といった目に見えない理想や概念を追い求めるという意味です。

②は「追及」が正解。国会で行われるのは誰か相手に向けての尋問。ただ質問するだけでなく、問いただすニュアンスが強いため、追及が適切です。

③は「追及」が正解。余罪(=現時点で判明している以外の罪)を問い詰めるという意味なので、追及が適切です。

まとめ

今回は、「追求」と「追及」について徹底的に解説しました。一文字変わるだけでこんなにもニュアンスが変わってしまうなんて、と驚いた人も多いのではないでしょうか。ビジネスシーンでの活躍や、日常生活での表現の幅を広げるためにも、漢字の違いを「追求」することはとても大切なことです。

これからもたくさんの言葉をインプットして、正しい日本語をマスターしていきましょう。

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