プレスリリース

“サステナブルな文化を創造する”廃棄物を使った現代アートの公募|全国128名から集まった応募のグランプリ作品は、生地生産工場から排出された繊維を用いた“触れて感じる”ユニークな作品

廃棄物を使った現代アート入選全7作品は1年間山口県周南市<COIL>にて展示公開予定

廃棄物処理事業を展開する中特グループは2022年12月10日、廃棄物を使った現代アート作品を募集する「COIL Upcycle Art Contest 2022」(後援:環境省 他)の最終審査会を開催し、全国128名が参加した公募で入選した7作品から最優秀作品を含む計3点の優秀作品を決定しました。


・最終審査会ライブ配信のアーカイブ映像はこちら▼
https://youtu.be/k6P4lkjzIV0
・全作品の概要はこちら▼
https://www.chutoku-g.co.jp/none/28862



グランプリ受賞作品ことだまのうつわ-[毳器]-/押鐘まどか(おしかね・まどか、東京都)


テキスタイルデザイナーとして活動する作家が、生地の高速大量生産の過程で排出される繊維(*注1)の存在に疑問を持ったことで制作に至ったという作品。口を持つ不思議な生命体のような作品の群は、直接触れることでその素材を感じ取ることが出来る。(展示期間中はサンプルのみ触れることが出来る)

*注1:別名『生地耳(きじみみ)』

《本作品は、ユニークなテクスチャーをトリガーして、触感のリテラシーと環境倫理の問いを投げかけ、人新世のあちらがわからの声を感じる役割を忍ばせたソフトスカルプチャーである。「触感」は共感を伝えるのが難しい領域だが、しかし、手で作ることや手で感じとることは、誰しもが主観で感じて直接体に深く響く行為だ。つまり触感のリテラシーと生への喜びとは深く結びついていると信じている。ことだまのうつわ-[毳器]-が、多くの人の環境への意識を共有するきっかけになれればと願っている。(ステートメントより抜粋)》


押鐘まどかさんの作品

作品の詳細

押鐘まどかさんプレゼンの様子




準グランプリ受賞作品:おこもり/森有未(もり・あゆみ、埼玉県)


素材の透明性や光の透過をテーマとして制作活動をしている作家が、自身が利用する定期宅配サービスで毎回大量に発生する透明なビニール袋に光が差し込む様子からインスピレーションを受けた作品。自然光溢れる環境に1人籠ってぼーっとできるようなインスタレーション作品となっている。

《どうぞ優しく触れてみてください。入り口は狭いので体を低くしながら、1人ずつ順番に中へお入りください。
外から見るだけでなく、作品の中に入って触れることで「そこにある」ことを実感する。
その小さな体験は、作品を介して自分自身を見つめる動きのように思います。(ステートメントより抜粋)》


森有未さん作品

森有未さんプレゼンの様子




審査員特別賞受賞作品:在り方/鈴木麻希子(すずき・まきこ、東京都)


服飾系大学院に在籍中の作家が、いずれ捨てられるもの(今回は食べ物の皮)を用いて自身の制作活動の肝となる「縫う」という行為によって表現した作品。時間の経過や儚さ、一度縫うと元通りにはならない『繕い』はまるで元に戻せない地球環境や命の破壊を連想させる。また写真により実寸大以上に引き延ばすことで、普段は見過ごしてしまいそうな細部まで大衆と共有しようと考えた。

《作品にある、時間の経過、儚さ、元通りにはならない繕いは、地球の環境や命とリンクしていきます。消費・廃棄されてしまうモノへの、再認識へ繋がるスイッチになれたら、と願っています。(ステートメントより抜粋)》


鈴木麻希子さん作品

鈴木麻希子さんプレゼンの様子




様々な背景を持つクリエイターが初めて廃棄物を起点として創作に向き合った今年度公募


<その他4作品>
その他4作品

(左上から)
・『廃棄本は、ごみ?作品?資源?MOMINICATION 揉みにケーション=MOMU 揉む × COMMUNICATION』/しょうじまさる
・『Circulation』/柏崎桜(かしわざき・さくら)
・『音物達(おともだち)』/直井大紀(なおい・だいき)
・『Material Anatomy』/シモ×dom(しもどむ)

・最終審査会出品7作品の作品概要はこちら▼
https://www.chutoku-g.co.jp/none/28862


『クリエイティビティによってサステナブルな世界観を創り、文化のスタンダードにする』を目的とした今年度の公募には全国各地計128名の方からの応募があり、昨年と併せると総勢250名を超えるクリエイターの方々から応募を頂いたという形になりました。今年度は、昨年度の第1回目と比べ「環境問題などの観点から作品を制作したことが無い人たちに機会を与えた」という点が新たな進化だと考えます。

昨年は廃棄物の存在に疑問を持ち、既にそういったものを用いて制作活動を行っている方々たちを評価していたとすれば、今年はより自由なアイデアを募集するために普段の活動で廃棄物を特に意識したことのない一般のクリエイターの方々からの参加を評価しました。それにより、エコやエシカルなどで連想されるような既存のイメージや概念から距離を置いた、独自の珍しい角度から物事を見つめさせてくれる素晴らしい7作品が生まれることとなりました。

また運営に関しても、入選後からディレクターが入選された作家7名とSNS等を通じて密にコミュニケーションを取ることで、作品について議論する機会を設けたり、作家が望む表現や展示の実現のため最大限サポート出来るような環境を整えました。実際に「こんなに深く環境問題や廃棄物のことを考えたことはなかった」「事務局にサポートしてもらえて良い結果物ができた」などの嬉しい感想をいただいており、地道ながらも私たちの目指す世界観の実現へ一歩近づけたのではないかと自負しています。

今後はこれらの作品を展示・一般公開することによってより多くの方々と共有し、作品や廃棄物について新たな対話・議論が始まるようサポートをしていく予定です。


<最終審査会でのプレゼンテーションの様子>
柏崎桜さんプレゼンの様子

シモ×domプレゼンの様子

直井大紀さん審査員質疑の様子


<その他の様子>
受賞者と審査員

入選作家集合写真

作家同士の談笑の様子

終了後の交流会の様子


撮影:ヨシガカズマ




COIL Upcycle Art Contest2022概要


■公募期間:2022年6月1日~7月29日
■1次審査:8月初旬
■1次入選発表:8月末
■最終審査会2022年12月10日
■審査員:
・中野 良寿(なかの・よしひさ) 現代美術家/山口大学教授/N3ART Lab 代表
・渡邉 朋也(わたなべ・ともや) 山口情報芸術センター[YCAM] アーキビスト/ドキュメントコーディネーター
・高田 隆(たかた・たかし) 周南公立大学 学長
・しばた みなみ アーティスト/ORINASU スクラップでビルド
■総合プロデューサー・ディレクター:橋本 季和子(はしもと・きわこ)
■主催:株式会社中特ホールディングス(山口県周南市)
https://www.chutoku-g.co.jp/





今後の公募運営と作品の活用について


今年度の公募によって生み出された7作品は、1年間山口県周南市にある主催者オフィスにて展示し、同時に作品を通してより多くの方々へ廃棄物や環境問題についての問いを投げかけるため、各関係者様と協議を行い全国各地での展示行脚を行います。

『サステナブルな世界観を文化のスタンダードとする』という公募の目的にもある通り、来年度以降の公募においても引き続き全国・世界各地のクリエイターの方々と協同しながら現代アートによって未来に向けた対話と議論のきっかけを生んでいく活動をより活性化したいと考えています。

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展示をご希望の方はCOIL Upcycle Art Contest運営事務局(担当:橋本)までご連絡ください。
連絡先メールアドレス:coil@chutoku-g.co.jp
※展示を確約するものではございませんので予めご了承ください。

<展示場所>
住所:山口県周南市久米3034-1/株式会社中特ホールディングス本社

(C)Shigeo Ogawa

<編集履歴>
2022.12.14 17:00 直井大紀さん作品タイトル漢字表記訂正:音友達×→音物達〇

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