メロンといえば、贈り物にする高級フルーツのイメージがありますよね。スーパーの売り場には1年じゅうメロンがあるので、旬が何月なのか知らない人も多いでしょう。
実はメロンにも旬があり、その時期は特に美味しく、また値段が安くなることもあるんです。
この記事ではメロンの最盛期はいつなのか、全国にあるメロンの品種や旬の時期、甘さを活かしたデザートレシピなどを紹介します。
メロンの品種ごとの産地と旬
メロンの産地といえば、夕張メロンで有名な北海道の印象が強いかもしれません。しかし、メロンは日本全国で多くの品種が栽培されており、色や味わいもバリエーション豊かなんです。
産地によって少し違うものの、多くのメロンは夏に流通するので「夏のフルーツ」といえるでしょう。ここでは、メロンの品種とその産地、旬の季節を詳しく紹介します。
夕張メロン
夕張メロンは、皮の網目とオレンジ色の柔らかい果肉、リキュールのような豊かな香りが特徴です。
国産メロンで一番有名といってもいいでしょう。夕張メロンの品種名は「夕張キング」。夕張の名を冠するのは、北海道夕張市でのみ生産が許されるからなんです。
しかも、色や重さ、糖度、ネット(網目)のかかり具合などの厳しい基準に合格しないと、夕張メロンを名乗ることはできません。
夕張メロンのシーズンは、6月〜8月下旬まで。出荷後は函館市などに卸されます。
観光名所でもある函館朝市ではたくさんの夕張メロンが販売され、その場で食べることもできます。
富良野メロン
「富良野メロン」とは一つの品種の名前ではなく、北海道富良野地域で生産されるメロンをまとめた呼び名です。
いろいろな品種がありますが、大きくは果肉がオレンジ色の「赤肉」と、緑色の「青肉」に分けられます。
赤肉系メロンはルピアレッド・R113・ティアラ・レノン・妃などの品種があり、青肉系メロンにはキングメルティ・天恵・キスミー・黄美香などがあります。
品種ごとに出荷のピークが違うので、富良野メロンの旬は5月中旬〜10月頃と長めです。
肥後グリーン
肥後グリーンは主に熊本県で栽培される、とても甘いメロンです。
一般的に「甘い」とされるメロンは糖度14度ほどですが、肥後グリーンの平均糖度は16~17度。皮の緑色が濃く、少し楕円形という特徴もあります。
また、多くのメロンは購入してから食べ頃まで数日かかりますが、肥後グリーンはすぐ食べても美味しいメロンです。
デリケートなためハウス栽培で管理され、出荷時期も5月〜6月中旬までと短め。やや貴重な品種のメロンといえます。
アールスメロン
アールスメロンは別名「マスクメロン」と呼ばれる、最高級のメロンとして有名な品種です。
「アールス」は英語で「伯爵の」という意味。アールスメロンには「伯爵のお気に入り」という意味の名前が付いているんです。
アールスメロンは表面の網目が細かく、果肉は緑色。食べるととろけるようにジューシーで甘みと香りが強い品種です。
温室栽培のため一年じゅう出回りますが、出荷量が多く、かつ値段が安い時期は8月頃となります。
アールスメロンの出荷量が特に多い都道府県は静岡県。特に袋井市や浜松市で栽培が盛んです。
また、茨城県や熊本県、高知県でも多く栽培されています。メロン狩りを楽しむなら、愛知県渥美半島・伊良湖地域への訪問がおすすめ。
6月〜8月はアールスメロン狩りが楽しめ、思う存分メロンを食べられる「食べ放題プラン」もあります。
秋メロン
一年じゅう出回るアールスメロンですが、地域によっては食べ頃を限定して出荷するものもあります。
その一つが、熊本県などで生産される秋メロンです。秋メロンは、夏に近い環境でハウス栽培するため燃料コストがかかり、夏に出回るものよりやや値段が高め。
ですが、濃い甘みと完熟した食感で人気があります。秋メロンの食べ頃は10月中旬〜11月頃までです。
冬メロン
寒い冬でも、ハウス栽培のアールスメロンならとろけるような甘さを楽しめます。冬の時期におすすめなのは、沖縄県宮古島の特産品「宮古島メロン」です。
冬でも温暖な宮古島は、日本最南端のメロン生産地でもあります。12月中旬〜1月上旬頃まで出荷される宮古島メロンは、クリスマスやお正月でも楽しめる特別なメロンとして人気です。
イエローキング
イエローキングは、奈良県で品種開発されたちょっと変わり種のメロンです。表面はツルンとして網目がなく、皮は明るい黄色をしています。
大きさは小型で重さは1kg前後。果肉は緑がかった白色で、柔らかくサクッとした食感です。糖度は一般的なメロンと同様14〜15度あり、爽やかな甘みを持ちます。
イエローキングは愛知県田原市(渥美半島)で露地メロンの主力として栽培され、熊本県の上益城郡・益城町などでも栽培が盛んです。
温暖な地域から早く旬を迎えるので、九州の熊本県では4月中旬から出荷が始まります。一般的な旬は出荷がピークとなる5月〜7月中旬です。
つがりあんメロン
青森県つがる市は東北地方有数のメロン生産地。津軽地域を代表するメロンに「つがりあんメロン」があります。
つがりあんメロンとは「津軽で生まれ、津軽で育ったメロン」という意味で、地元のメロン協議会が推奨する6品種の総称です。
つがりあんメロンにはスイートルビーやハニーゴールデン、レノンなどがあります。品種によりピークが異なるため、出荷時期は6月上旬〜9月下旬と長めです。
スイートルビーは果肉がオレンジ色の赤肉メロンで、糖度が高くジューシーな味わいが特徴です。
美味しく食べるには常温で追熟させるのがコツ。メロンのお尻が柔らかくなってきたら食べ頃です。日持ちする品種なのでじっくり追熟できます。
ハニーゴールデンは淡い緑色の果肉と大き目サイズが特徴の青肉メロンです。
爽やかな甘みと夕張メロンに似た柔らかな食感があり、その柔らかさゆえに皮の近くまで食べられます。
タカミメロン
タカミメロンは前述したアールスメロンや、香りの良いアムスメロンなどを交配させた品種です。
「貴味メロン」と表記されることもあります。濃い緑色の皮に薄い網目のある見た目と、やや歯応えが強くジューシーな肉質が特徴です。
タカミメロンの生産地として代表的なのは千葉県。特に旭市飯岡地区では「飯岡メロン」ブランドの一つとして栽培が盛んです。
また、茨城県や熊本県でも多く栽培されています。タカミメロンの旬は5月〜8月頃までで、出荷のピークは6月〜7月です。
マリアージュ
マリアージュは見た目の美しさに定評のあるメロンです。外側はグレーがかった緑色で綺麗に網目が入り、果肉は鮮やかなオレンジ色。
フランス語で「結婚」を意味する「マリアージュ」と名付けられたのは、お祝いの席でも映える美しさが理由です。
糖度は16度前後で甘みが強く、かつクセのない味わいで人気があります。
マリアージュの代表的な生産地は山形県や宮崎県で、重さ1.2〜1.6kg程度のものが多く出回っています。旬の時期は夏の盛りの7月〜8月頃です。
マルセイユ
マルセイユは細かい網目にバスケットボール状の縦ラインが入った、ユニークな見た目が特徴です。
重さは1kgと小ぶりですが、綺麗なオレンジ色の赤肉で香りと甘みが強く、メロンの魅力がギュッと凝縮されています。
マルセイユの代表的な生産地は福井県です。あわら市などでは「花咲紅姫」、鯖江市では「夢てまり」としてブランド化され人気が出ています。
その他、坂井市でも栽培が盛んです。マルセイユの出荷期間は6月の上旬〜下旬と短く、希少価値の高いメロンでもあります。
プレミアムメロン「極み」
プレミアムメロン「極み」は、その希少価値から「幻のメロン」とされる逸品。
茨城県鉾田市(旧茨城県旭村)で生産されるアンデスメロンなどを光センサーにかけ、糖度18度以上を厳選したメロンです。
鉾田市のJA直売所「サングリーン旭」で販売されており、市場にはほとんど出回りません。
販売時間に直売所に行くと購入できますが、予約の受付はなく、当日販売分が数分で売り切れることも。
通販で購入する場合は、Amazonや楽天市場などで取り扱いがあります。
レノンメロン
レノンメロンは、国内で最も早い時期に出回るとされるメロンです。低温や病気に強いため寒い時期でも育てやすく、熊本県などでは2月〜3月に出荷されます。
オレンジ色の果肉はとてもジューシーな食感。皮が薄く種の部分が小さいので、果肉をたっぷり楽しめる品種です。
その他のメロンの産地
これまで述べた有名な品種の他にも、全国各地で様々な品種・ブランドのメロンが栽培されています。
以下では主なメロンと産地を挙げました。網目の有無や果肉の色などそれぞれ特徴が違うので、食べ比べると楽しいですね。
- 摩周メロン(赤・青)/北海道釧路地域
- くんねっぷメロン/北海道訓子府町
- 月形メロン/北海道札幌市
- アイボリーメロン/北海道小平町
- 秋田美人メロン/秋田県
- 庄内砂丘メロン/山形県酒田市・鶴岡市
- あきみどり、サニースィート/新潟県
- 天空のメロン/福島県
- いばらきメロン/茨城県(大洗・水戸など)
- 飯岡メロン・銚子メロン/千葉県
- サマードリーム・サマールージュ/神奈川県三浦半島
- 星と蜂のメロン/長野県
- モリヤマメロン/滋賀県
- 京だんごメロン/京都府
- 倉吉プリンスメロン/鳥取県
- パリス/福岡県
- 南国グリーン/鹿児島県
メロンの特徴と栄養
ここでは、メロンに網目がある理由や含まれる栄養など、メロンの基礎知識について解説します。
メロンの皮の網目はなぜできるの?
メロンの皮の網目「ネット」は、成長中のヒビ割れを修復した跡です。メロンの果肉が早く成長すると、皮に圧力がかかって表面にヒビが入ってしまいます。
すると、ヒビの部分から割れを防ぐために果汁が染み出し、ヒビを修復して網目状の跡ができます。
これがネットであり、人間の「かさぶた」にあたるものです。この網目が細かいほど、品質の良いメロンとされます。
また、品種によっては網目のない「ノーネット系」のメロンもあります。
メロンの果肉の違い
メロンの果肉は大きく分けると、オレンジ色の「赤肉」と緑色の「青肉」、そして白っぽい「白肉」に分けられます。
夕張メロンに代表される赤肉は、独特のコクがある甘みと、豊かで芳醇に広がる香りが特徴。果肉は柔らかめで、皮の緑色とのコントラストも綺麗です。
アールスメロンに代表される青肉は、濃厚ながら爽やかな後味の甘みとスッキリした香りが特徴です。
イエローキングなどの白肉は果肉がウリに近く、あっさりまろやかな甘さと上品な香りがあります。柔らかさと歯ごたえのバランスが良い食感も特徴です。
メロンの栄養
メロンには抗酸化作用や血流に役立つ栄養素が多く含まれています。メロンの主な栄養素は以下のようなものです。
- カリウム 利尿作用があり高血圧予防に役立つ
- βカロテン(赤肉に多い) 抗酸化作用があり、風邪や動脈硬化の予防に役立つ
- ビタミンB6 タンパク質の代謝に役立つ。赤血球の合成に関わり貧血を予防する
- ビタミンC 抗酸化作用があり、風邪や肌荒れの予防に役立つ
- アデノシン(ワタの部分に多い) 神経を鎮静させ、スムーズな血流を助ける
子メロン(摘果メロン)
品質の良いメロンを作るには、栄養をたっぷり与えることが重要です。そのため、順調に育つ実と同じ枝に発育の悪い実があると、栄養を奪うので間引かれます。
この間引かれた実は子メロン(摘果メロン)と呼ばれ、果物ではなく野菜として扱われます。
子メロンは熟していないので甘くなく、ウリのようにシャキシャキした歯ごたえです。
その味わいを活かし、炒め物の具材にしたり薄く切って漬物にしたりと、おかずとして活用されています。
メロンの日
5月5日といえば「こどもの日」。ですが、実は「メロンの日」でもあるんです。5と5を左右対称にして合わせると、上側はメロンのヘタ、下側は実の形に見えることが由来となっています。
さらに、毎月6日もメロンの日とされています。確かに数字の6もメロンの形と似ていますね。
これは2016年に茨城県で開かれたメロンサミットで決定されました。メロンは日本各地で旬の時期が異なるため、産地ごとにメロンの日を作れるよう決定されたそうです。
メロンの保存方法
品種にもよりますが、メロンは購入後すぐ食べるのではなく、食べ頃まで何日か追熟させるのがおすすめです。
熟す前のメロンを冷蔵庫に入れると傷みやすいので、冷暗所に置いてください。メロンを1日で食べきれなかったときは、味が落ちないように保存しましょう。
ここでは、メロンの保存方法について解説します。
冷蔵保存
食べ頃を迎えたメロンは、2〜3日で食べきるのが目安です。冷やして食べるときは、2〜3時間ほど前に冷蔵庫に入れるといいでしょう。
カットしたメロンを保存する場合は、全体をラップで密封し野菜室に入れてください。
冷凍保存
2〜3日でメロンを食べきれないなら、冷凍保存もできます。ですが、解凍したメロンは味が落ちるため、半解凍でシャーベットとして食べるのがおすすめです。
冷凍保存できる目安は2〜3週間。皮や種を除いたメロンをラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。
メロンのレシピ紹介
そのまま食べても美味しいメロンですが、スイーツに使うとさらなる魅力を発揮します。ここでは、メロンの甘さを活かしたレシピを紹介します。
メロンのアイスクリーム
アイスクリームメーカーがなくてもできる、メロンの甘さや風味を活かしたアイスクリームです。
本物のメロンならではのリッチな風味がたまりません。青肉メロンと赤肉メロン、それぞれで作って食べ比べるのも楽しいです。
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メロンの旬を知って美味しく食べよう
メロンの旬は夏が中心ですが、産地ごとに出回る時期が異なるためほぼ通年楽しめるフルーツです。
品種によって糖度や食感が違うので、食べ比べて自分好みのメロンを探してみましょう。
メロンを美味しく食べるには、食べ頃の見極めがポイント。自宅で追熟する場合は冷蔵庫ではなく、冷暗所に置くのが重要です。
料理のときはメロンの甘みを活かすよう、あっさりした味の食材を合わせるのがおすすめ。
毎日投稿される暮らしニスタのレシピもぜひ活用してくださいね。
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