NISAとは「少額投資非課税制度」のことで、金融機関にNISA専用の口座を開設すると、そこで購入した株や投資信託などから得られる利益に税金がかからないという仕組みです。口座を作ることができるのは20歳以上と決まっていましたが、平成28年1月から、20歳未満の未成年者に「ジュニアNISA」の口座開設ができるようになりました。1人あたり1口座、取引開始は平成28年4月から。口座開設には、日本国内に住民票をもつ全ての国民(国籍が外国籍でも対象)に、専用の12桁の番号が割り当てられている、マイナンバーが必要です。
当然ながら、未成年者では自己判断で投資ができないため、両親もしくは祖父母などの親権者が代理で行うこととなります。この制度の最大のメリットは「非課税投資」で、節税しながら資産運用できるという点。非課税期間は投資した年から最長5年間、投資上限額は毎年80万円まで(5年間で最大累積400万円)です。非課税枠は通常のNISAに比べ低額にはなりますが、子どもを持つ親世代の長期投資を促すという国の目的もあるので、5年間も非課税とは嬉しいかぎりです。これを機に親子、祖父母と孫が一緒に学びながら生活設計や資産形成をしていくきっかけになると良いですね。
活用次第で投資教育、大学などの教育費の準備、贈与税対策などの効果が期待されますが、長期運用を目的としているがゆえ、非課税の適用を受けるためには原則18歳まで運用資金の引出しはできません。ズバリ、18歳までは運用資金が実質凍結状態となるのです。
また、投資に夢中になりすぎて絶対必要な学資や生活資金を使って運用する人たちも少なくなさそうですが、もちろん株価の価格変動で元本割れのリスクが伴うので、過剰な投資はとても危険です。もし期間途中にジュニアNISA口座から払出しを行う場合(災害等で緊急に資金が必要な場合を除く)は、過去の利益に対して課税され、同時にジュニアNISA口座が廃止されるのでご注意ください。
まずは、「誰のために」「何のために」資産運用するのか? スタートをきる前に家族で一度目的を確認したり、運用ルールを設けることが必要かもしれません。また、「18歳になれば本人が自由に口座から引き出す事ができる」という仕組みのリスクも忘れてはなりません。昨今、小学校や中学校での道徳時間でも、お金の大切さ・金銭管理・株式などの理解を深める金融教育が授業の一環として既に導入されていますが、親の金融教育も試されるところですね。
子どもが使える内容の株主優待を実施している企業も数多くあるので、子どもや孫を交えて興味関心のある企業や株主優待をベースに投資先を一緒に探してみることから始めるのも面白いですね。今後、資産運用の最新トレンドになるかもしれませんし、子どもに金融リテラシーを身につけさせる良い機会になりそうです。各証券会社からも続々と特典付きのキャンペーンが登場しています。ジュニアNISA口座開設の詳細は証券会社各社へ問い合わせて、しっかりと理解を深めてから開始しましょう。
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