会場で特に印象的だったのが、アルツハイマー病の初期症状や日常の困りごとを再現した展示コーナー「アルツハイム 921号室」です。
ちなみに「なぜ921号室なの?」というと、9月21日が「世界アルツハイマーデー」であることに由来しているそう!
一見すると普通の家庭の部屋に見えますが、室内には当事者の方に見えている世界や日常の“違和感”がリアルに散りばめられていました。
【部屋の中に隠された「日常の違和感」と病気のサインの一例】
・同じ内容のメモが何枚も貼られた壁(記憶障害・不安感)
「3/1 美容院」と同じ内容のメモが複数枚貼られていました。
忘れるのが不安でメモを取るものの、「メモを書いたこと自体」を忘れてしまうため、同じメモが増えていってしまうのだそうです。
・冷蔵庫の中にいくつもある味噌(記憶障害)
冷蔵庫を開けると、同じ調味料がいくつも並んでいます。
家にある記憶が抜け落ち、「買わなきゃ」と買い物に行くたびに同じものを買ってしまう現れです。
・バッグの中のリモコン&冷蔵庫の中の財布(見当識障害・認知機能低下)
本来置くはずのない場所に物が仕舞われています。物の正しい用途や置き場所の記憶が曖昧になってしまう症状です。
・年月がずれたカレンダー(時間の間隔・見当識障害)
カレンダーの月がずれたままになっていたり、部屋のあちこちで時期がバラバラだったり。
今が「いつ」なのかを把握する感覚が薄れてしまうサインです。
・途中で放置された編みかけの毛糸(意欲低下・遂行機能障害)
趣味だったはずの編み物が途中で放置されています。
段取りを立てて作業を進めるのが難しくなったり、意欲そのものが低下してしまう症状です。
自分自身に「あれ?」と思うことがあったり、ご家族の部屋で「同じものがたくさんあるな」と気づいたりしたとき、それは単なる不注意や怠慢ではなく、脳からの小さなメッセージなのかもしれません。
トークセッションでは、配られた冊子を使って会場全体で脳のチェック体験も行いました。
・近時記憶テスト
最初に覚えた3つの言葉を、時間をおいて思い出す。
・視空間認知テスト
お手本通りに手を交差させて「キツネ」や「鳩」の形を作る。
「見た通りに体を動かす力」が衰えると、車のバック駐車で壁にぶつけやすくなったりするそうです。
・言語&想起力テスト
1分間で動物の名前をできるだけ多く挙げる。
実際にやってみると「う〜ん、何だったっけ!?」と頭をフル回転!
自分の脳の得意・不得意を知る良いきっかけになりました。
今回のイベントを通して実感したのは、「年のせいと諦めず、違和感に早く気づいて専門家に相談すること」の大切さです。
もしご自身やご家族の行動に気になる「物忘れ」が増えてきたら…
①「何で忘れるの!」と自分や家族を責めない(本人が一番不安を感じています)
②日常の小さな変化(メモの増加、同じ買い物など)をチェックしておく
③不安があれば、かかりつけ医や脳神経外科、認知症外来へ気軽に相談してみる
早めの気づきと相談が、自分自身や大切な家族の安心した暮らしを守る第一歩になります。
みなさんも、ぜひ一度「ご自身やご家族の日常のふとした変化」を優しく振り返ってみませんか?
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