お知らせがあるとここに表示されます

コメントがあるとここに表示されます

編集部からの連絡

編集部からの連絡があるとここに表示されます

プレスリリース

【第六回 わさび懇話会】国内生産量はピークの3分の1に…消えゆく「わさび」を救うため、各界エキスパートが可能性を再定義!研究家・生産者・メーカー・料理家が語る、カギは“香り”

~本わさびとチューブわさび、それぞれの活用法や相性のよい食材も新発見~

株式会社万城シーズニングパートナーズ(本社:東京都中央区、代表取締役常務執行役員:三代 康雄、以下「BSP」)は2026年2月4日に「第六回 わさび懇話会 わさび業界の今 ~“香り”が拓くわさびの可能性~」を開催いたしました。
本イベントでは、「わさびを取り巻く課題」をテーマに各界のエキスパートによるディスカッションを行うほか、味や香りの研究者・高橋貴洋氏と八雲茶寮総料理長・梅原陣之輔氏のタッグによる、わさびの香気成分に基づいた“香り引き立つわさびのフルコース”を提供しました。


参加者(左より):万城シーズニングパートナーズ 代表取締役常務執行役員 三代 康雄氏、藤屋わさび農園有限会社 望月 啓市氏、岐阜大学 准教授 山根 京子氏、八雲茶寮 梅原 陣之輔氏、味香り戦略研究所 主席研究員 高橋 貴洋氏


わさびを取り巻く課題

わさびを取り巻く3つの課題に対する取り組みや今後について、各業界の視点からディスカッションを行いました。
■課題1.:わさびの作り手・技術の継承
伝統的なわさび栽培の現場では、技術継承のあり方が大きな転換期を迎えています。

【生産者の視点】望月 啓市 氏(藤屋わさび農園)
藤屋わさび農園の望月啓市氏は、熟練農家の技術が感覚的でマニュアル化が難しく、独自のルール(暗黙知)や世代間のコミュニケーション不足が技術継承の課題であると指摘しました。これに対し、現在は若手農家がSNSを活用して産地の垣根を越えたオープンな情報共有を行っており、従業員や農家が即座に理解できる科学的根拠に基づいたマニュアル作成にも注力しています。業界の縮小を防ぐため、今の環境や状況に合った栽培方法の確立や技術継承を進め、若手が担える体制づくりを目指すとしています。





【研究者の視点】山根 京子 氏(岐阜大学 准教授)
イベントに参加された岐阜大学の学生からも、わさび栽培は時間もかかり、育成が困難であるという声があがり、岐阜大学の山根京子氏は、その課題解決に向けて、大学として科学的根拠に基づいた研究に取り組んでいきたいと話しました。

■課題2.:わさびの品種の継承
生産量の激減(2000年代の4,000トンから2024年には1,496トンへ※)という衝撃的な数字を背景に、品種維持の難しさが語られました。 

※引用文献:山根 京子, 小林 恵子(2024).日本の伝統食材ワサビの生産動向と課題.園芸学研


【研究者の視点】山根 京子 氏(岐阜大学 准教授)
岐阜大学の山根京子氏は、わさびの生産量が2000年代半ばから2024年にかけて大幅に減少している背景として、農家減少や気候変動、食害を挙げました。かつて存在した希少な品種が農家の離農と共に消滅した事例や、苗栽培の継続によるDNAの劣化が品種減少を招くリスクを指摘。現在はその対策として、全国での品種の所在調査やDNAによる管理・保証といった基礎研究に取り組んでいることを示しました。また、海外からの問い合わせが多く注目が集まっている一方で、日本人がその価値に気づいていない現状に触れ、在来わさびの魅力に気づいてもらうことが重要であると述べました。





【生産者の視点】望月 啓市 氏(藤屋わさび農園)
藤屋わさび農園の望月啓市氏は、わさびを作りたい人は多い一方で、荒廃地(後継者がいなくて荒廃された土地、水の湧き出が悪くわさびの出来がよくないため荒れてしまった土地)による課題を指摘しました。栽培に挑戦しても環境に適応できず、品質の悪さから辞めるケースが多いことから、人がいないことよりも環境に合わせた栽培方法の研究が重要であると述べました。こうした課題に対し、環境変化に対応した苗や栽培方法の調査を進めるとともに、現在の技術を駆使して荒廃したわさび田を復活させる開発に取り組んでいることを示しました。

【メーカーの視点】三代 康雄氏(BSP代表取締役常務執行役員)
BSP代表取締役常務執行役員の三代康雄氏は、耕作放棄地となったいちご畑を活用し、流水環境を必要としない「畑わさび」の栽培に取り組んでいることを紹介しました。現在は約2,000平米の規模で安定した収穫に向けた基盤づくりを進めており、基礎研究こそが種を守る鍵であるとして、荒廃地の再生だけでなくわさびの歴史そのものを守る必要性を説きました。また、わさびにも人と同じように個性があるとし、その個性を活かした育成が重要であるとの考えを示しました。




いちご畑を活用した「畑わさび」栽培

■課題3.:生活者のわさび離れ
「刺身とそば以外に何に使うのか?」という、生活者や料理家の認識の壁を壊すためのディスカッションが行われました。
【メーカーの視点】三代 康雄氏(BSP 代表取締役常務執行役員)
BSP代表取締役常務執行役員の三代康雄氏は、生活者のわさび離れが深刻化し、喫食機会の減少が需要全体に影響していると指摘しました。わさびは、経験を通じて美味しさを理解する「後天的な味覚(アクワイアードテイスト)」であるとし、食べる機会を増やすことが「わさびのおいしさを知り、わさびが不可欠である」と感じる層の拡大につながるとの見解を示しました。
メーカーとしての取り組みでは、わさび懇話会を通じた知見の収集や、本わさびの魅力を損なわない商品開発に注力。特にわさび特有の「香り」に着目し、その再現性を高めることで生活者から高い評価を得ていると述べました。今後、この「香り」の魅力がさらに浸透することで、わさびの活用方法や可能性がより広がると展望しました。






【研究者の視点】山根 京子 氏(岐阜大学 准教授)
岐阜大学の山根京子氏は、わさびの嗜好性に関する研究結果から、消費者がわさびを「美味しい」と感じる最大の要因は辛味や甘味ではなく「香り」であったと述べました。この結果を踏まえ、本来の美味しさを伝える商品づくりにおいて香りに着目することの有効性を指摘しました。
イベントに参加した学生からは、レモンのように多様な料理にわさびを活用している事例や、マッチする料理の幅広さを周知することで喫食機会の創出につながるとアイディアも出ました。さらに、山根氏からは、わさびは身体に良い機能性食品であるという側面からも、より日常的な喫食を広めていくべきであるとの展望を語りました。

【料理家の視点】梅原 陣之輔氏(八雲茶寮)
八雲茶寮の梅原陣之輔氏は、料理界においてもわさびの取り扱い方法や魅力を引き出す活用術が十分に知られていない現状を指摘しました。コース料理の中で高単価な食材と合わせるなど、使い方が限定的になっている傾向に触れ、洋風料理への展開といったナレッジが不足していることが、出番を少なくしている要因であると述べました。こうした状況に対し、ウナギには山椒というような「この料理にはわさびが合う」という共通認識を定着させ、より多様なシーンでわさびが選ばれるようにしていくべきだとの展望を示しました。







わさびの香気成分に基づいた新感覚のコース料理

わさびの香りを最大限に際立たせる方法の集大成として、梅原氏にわさびを活用したコース料理を考えていただきました。わさびは、イメージが強い“ツンとした香り”だけでなく、リラックス効果のあるリナロールなど、多くの香気成分を持っています。また、本わさびとチューブわさびを比較しても含まれる香気成分は異なります。

※提供:味香り戦略研究所


※提供:味香り戦略研究所




また、味香り戦略研究所の高橋氏より、各料理の香気成分の組み合わせについて解説いただきました。





▽初午いなり





●料理の主要香気成分
硫黄系(生クリーム・マッシュルーム・鮭)
グリーンフレッシュ(ほうれん草)

<本わさび>フローラル香で華やかさを付与、青葉香などで爽やかさが倍増
<チューブわさび>硫黄系同士でコク・うま味を増強、持続する辛味が甘味を引き立てる

▽紅白なます





●料理の主要香気成分
1.グリーンフレッシュ(水菜、ディル)
2.刺激・辛み・スパイシー(かぶ)
3.硫黄系(まぐろ)

<本わさび>
1.グリーンノート同士で一体感あり
2.まろやかな辛味と穏やかに調和
3.フレッシュ感で鮮度を引き立てる

<チューブわさび>
1.持続する辛味がアクセントに
2.重厚な辛味で刺激を重ねる
3.硫黄系成分でうま味を増強

▽金柑 白和え





●料理の主要香気成分
1.硫黄系(豆腐・酒粕)
2.柑橘・フルーティ・花(金柑)

<本わさび>
1.グリーンノートで爽やかに
2.リナロールの柑橘香と共鳴

<チューブわさび>
1.硫黄系同士でうま味・深みを強調
2.刺激が甘味・酸味を引き立てる

▽黒毛和牛ローストビーフ





●料理の主要香気成分
1.グリーンフレッシュ(ルッコラ)
2.刺激・辛み・スパイシー(芽キャベツ)
3.硫黄系(牛肉)

<本わさび>
1.グリーンノート同士で調和
2.まろやかな辛味と穏やかに調和
3.フレッシュ感で肉の重さを軽減

<チューブわさび>
1.持続する辛味でアクセント
2.刺激を重ね温度感アップ
3.硫黄系同士で肉らしさ強調

▽煎り酒 玉子かけごはん





●料理の主要香気成分
1.刺激・辛み・スパイシー(からし菜)
2.硫黄系(卵黄)

<本わさび>
1.まろやかな辛味で層を形成
2.グリーンノートで爽やかに

<チューブわさび>
1.刺激同士で相乗効果
2.硫黄系同士で卵のうま味増強

▽酒粕チーズケーキと落雁





●料理の主要香気成分
1.硫黄系(酒粕・チーズ・生クリーム(チーズケーキ))
2.その他(三温糖(落雁))

<本わさび>
1.フローラル香で上品に香り付け
2.爽やかさで甘さを軽やかに

<チューブわさび>
1.硫黄系同調で深み・コクが増す
2.辛味が甘さを引き締める

わさび懇話会とは

わさびの文化、歴史、栽培、科学、料理などについて文化人、料理人、学術研究者など懇話形式で語る会。2022年に第1回を開催して以来、わさびの新たな可能性の追求、わさび業界が直面する後継者不足やわさび離れなどの課題について議論してきました。

わさび懇話会の沿革

1. 江戸時代×わさびの食文化 ~江戸時代におけるわさび文化発展の軌跡~(2022/11/17)
「聴く」「語る」「食す」の3部構成で実施。1、2部では江戸時代のわさび事情の講演・フリーセッションを行い、3部では料理人3者によるわさび料理の実食を行いました。

2. わさびの解体新書 わさびの茎~葉~根を丸ごと食べつくす(2023/3/13)
わさびの食べ方・調理方法に焦点を当てた講演・トークセッションの他、料理人4者によるわさびを丸ごと使用した料理の実食を行いました。

3. わさびの美味しさ、本当のわさびとは(2023/10/27)
わさびの消費者課題、加工わさびと本わさびの美味しさ、それぞれについて講演、実食を行い、取り組むべきことについて懇話形式で議論しました。

4. わさびで「ととのう」とは(2024/11/18)
様々な分野のスペシャリストによる講演・トークセッション、わさび×お茶のシナジー体験を実施しました。わさびの新たな可能性や気づきが生まれる場となりました。

5. 香りで伝えるわさびの価値 (2025/6/5)
各料理業界の有名シェフをお招きし、わさびの新たな可能性、その香りを最大限に引き出す組み合わせ、そして業界が直面する「わさび離れ」という課題について深くディスカッションしました。

会社概要

■万城シーズニングパートナーズについて
株式会社万城シーズニングパートナーズは、わさび製品を中心に香辛料・調味料を開発・製造する株式会社万城食品の一部事業を分割し、新たに設立された生鮮、CVS販路を管掌する万城食品のグループ企業です。“調味、薬味がもつ無限の可能性を拓く。生鮮食材をもっとおいしく、食卓を楽しく豊かに。
”を企業理念に掲げ、加工わさび、調味料、食品の仕入れ・販売を行います。






■万城食品グループについて
万城食品は1952年に創業した、わさび製品が主力の香辛料・調味料のメーカーです。わさび産出額、日本一の静岡県の三島市に本社を構え、産地から全国の食卓へわさびを届けています。“もっとおいしく、もっとたのしく”を企業理念に掲げ、現在ではわさび製品に加え、蒲焼のたれ、からし酢みそ、ドレッシング、調理用調味料など多様な商品を製造・販売しています。
ホームページ:https://www.banjo.co.jp/ 
万城食品楽天市場店:https://www.rakuten.co.jp/banjo-shop






企業プレスリリース詳細へ
PRTIMESトップへ
暮らしニスタとは?
よくある質問
暮らしサポーター

暮らしニスタの最新情報をお届け