プレスリリース
谷川俊太郎さんが手がけた唯一のプラネタリウム作品 「夜はやさしい」を7月2日より再上映
日本科学未来館
2025.06.02
本作オリジナルの詩に包まれながら世界の夜空をめぐる
日本科学未来館(略称:未来館 館長:浅川智恵子)は、谷川俊太郎さんが自ら手がけた唯一のプラネタリウム作品「夜はやさしい」を、2025年7月2日(水)から12月27日(土)まで再上映します。本作は谷川さん原案のプラネタリウム作品として2009年から約7年間にわたり未来館で上映していたもので、地球上のさまざまな地域から見える星空と、その土地で聞こえる音、そして各地の夜をうたう詩のことばを通して、地球の広がりとその中にいる自分の存在を改めて感じられる作品です。谷川さんが本作のためにまとめた書き下ろしを含む自選の詩を、俳優・麻生久美子さんの透明感のある朗読で味わうことができます。
谷川さんと未来館の映像作品との関わりは、2005年公開のプラネタリウム作品「暗やみの色」に始まります。ダークマターなど宇宙の「見えないものに目を凝らす」ことをコンセプトとしたこの作品に、書き下ろしの詩「闇は光の母」を寄せてくれました。その後、あたかもその夜その場所にいるかのような、世界の夜を音と詩でつなぐプラネタリウム作品を作りたい、と谷川さんから提案があり、自ら構成や演出にも深く関わられ、本作「夜はやさしい」が完成しました。
本作は、ヨーロッパ、アフリカ、南米など世界6カ所の「夜」を旅していきます。それぞれの場所で、大自然や人々の喧噪、音楽や生きものたちの鳴き声など、バラエティに富んだ環境音が星空を彩ります。各地をつないでいくのは谷川さんの詩。名作「朝のリレー」を彷彿とさせる、各地をつなぐ“夜のコラージュ”ともいうべき作品です。

「夜はやさしい」
初公開から16年の時を経ても色あせない、子供から大人までいつまでも深く心に残る、まるで一篇の詩のようなプラネタリウム体験をお楽しみください。

※鑑賞にあたっては事前予約が必要です。
予約は2025年6月25 日(水)から、下記サイトにて
未来館オンラインチケットサイト

谷川俊太郎さん(撮影:深堀瑞穂)
見て聴く夜 谷川 俊太郎少年時代に見たプラネタリウムは東京の夕暮のスカイラインから始まったのですが、そのとき流れるのがバッハの<G線上のアリア>、音楽とともに空がだんだん暗くなって星が輝き始める、それが私の宇宙を感じる原体験のひとつになっています。青空の下で聞く物音や音楽と、星空の下で聞くそれとでは、ずいぶん大きな違いがあるように思います。少年時の感動を再現したいという個人的動機からスタートして、このプログラムは夜の視覚空間と聴覚空間のいわば詩を媒介にした化合…を目指します。
(2009年公開時に制作したリーフレットより)
父の発案の「夜はやさしい」にそっと身を委ねると、決して、ことばで書かれたものだけが「詩」ではないのだと、気付かされる。地球に生きる鳥たち、動物たちの鳴き声、様々な人々のお喋りと歌や踊り、風の音、波の音。この愛しい惑星の、全ての音たちのハーモニーで奏でられる「音の詩」を、まるで、そっと神が見守っているかのような、星々の瞬きも「光の詩」。
時々、お気に入りの車椅子に腰掛け、静かに夜空の星々を見上げていた、晩年の父の後ろ姿を思い出します。それら全ての「詩」を指揮していたのかな、微笑みながら。

谷川 賢作さん
日本科学未来館 毛利 衛 名誉館長 (「夜はやさしい」監修)
16年ぶりに「夜はやさしい」を見て胸をつかれたのは、「耳をすませていると文字を忘れる」という一節でした。祝いの宴の太鼓と波音が交じり合うセネガルのにぎやかな夜の場面に添えられた言葉です。言葉に対して物理学者のような厳格さを持っていると感じた谷川さんが“文字を忘れる”ほどに、地球上には豊かな音が鳴っていて、自然や我々の存在そのものの大きさを教えてくれる。そのことに気づいた今、より一層この作品を味わえるようになった気がします。

毛利 衛 名誉館長

Tender is the Night MAP
出発地の東京から世界6カ所にわたり、各地の夜空がドームスクリーンに映し出され、あたかもその夜にその場所にいるかのような音場が観客を包み込みます。☆は星空の見どころです。
1.インドネシア バリ島 12月 【アジア】
数万のヒンドゥー寺院があり、「神々の島」とも呼ばれる地。210日というバリ暦では、毎日どこかでお祭りがあります。60年ぶりの豊作を祈る祭りのガムランの音が、田んぼから聞こえるにぎやかな蛙の声とまじり合います。
☆小さな星が寄り添うように集まる「すばる」。インドネシアでも昔から農作の目印です
2.ドイツ ミュンヘン 6月 【ヨーロッパ】
バイエルン州の州都。夜のビヤホールには人が溢れ、広場では音大生のストリートミュージシャンたちが音楽を奏でています。ソプラノの澄んだ歌声が響き渡り、街角はまるで劇場のようです。
☆ドイツでは“大きな荷車”と呼ばれる「北斗七星」。北極星の周りをめぐり天頂まで昇ります
3.セネガル ダカール 3月 【アフリカ】
アフリカ大陸最西端にある国で、ダカール・ラリーの終着点。かつて奴隷たちが船に乗せられたゴレ島は今は世界遺産に。三日三晩続く祝いの宴、タムタムの音に、子供たちのはしゃぎ声と悠久の時の詰まった波音が重なります。
☆オレンジ色の1等星アークトゥルスが輝く「うしかい座」。そのモデル、天を担ぐ巨人アトラスは山脈として知られています
4.ブラジル バイーア 1月 【南米】
バイーア州・サルヴァドールは、ブラジル音楽の中心地。年越しのフリーコンサートには、世界的なミュージシャンが帰国して登場。30万人が集まり、皆一晩中歌い踊ります。
☆南半球では夏に見られる「オリオン座」や「おおいぬ座」。シリウスから南に向かうと「大マゼラン雲」が浮かびます
5.アメリカ ニューオリンズ 4月 【北米】
ミシシッピー河のほとり、ジャズの発祥地とされる音楽の都。この街でルイ・アームストロングは生まれ育ちました。静かに船が行き交う昼間の河畔とは一変、夜のバーボンストリートには、にぎやかなライブ音楽が溢れ出します。
☆赤いアンタレスとその周りの星が釣り針のように連なる「さそり座」。天の川が濃く見えるこの辺りが銀河系の中心方向です
6.オーストラリア アーネムランド 12月 【オーストラリア】
オーストラリア北部にある、アボリジニの村。自然と一体となった伝統的な暮らしが続く地域です。夜の歓迎の儀式では、ディジュリドゥの音が大地にこだまし、波と虫の音とともにゆっくりとした時間が流れていきます。
☆全天88星座の中で最も小さい「みなみじゅうじ座」。天の川に穴が空いたように見える場所の正体は、暗黒星雲です

プラネタリウム投影機 「MEGASTAR-IIcosmos」について
約1,000万個の恒星を投影します。2004年に設置された当時、「世界で最も先進的なプラネタリウム」(※)としてギネス世界記録に認定されました。2025年3月の改良によって星がより鮮明になり、最新のデータにもとづいて作られた恒星原板(星の位置と明るさを忠実に再現した特殊なガラス板)を用いることで、さらにリアルで美しい星空が再現できるようになりました。
(※)現在の記録タイトルは「プラネタリウム投影機により投影された星の最多数」に変更されています
ドームシアターについて
高輝度RGBレーザー4Kプロジェクター2台による全天周・超高精細立体視映像システムと連動したプログラムを上映することで、空気感や気配までも感じられるような、明るく鮮やかな映像をドーム型スクリーンに映し出します。
(「夜はやさしい」は3D作品ではありません)

ドームシアター
日本科学未来館
〒135-0064 東京都江東区青海2-3-6
TEL:03-3570-9151 FAX:03-3570-9150
URL:https://www.miraikan.jst.go.jp/
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日本科学未来館(略称:未来館 館長:浅川智恵子)は、谷川俊太郎さんが自ら手がけた唯一のプラネタリウム作品「夜はやさしい」を、2025年7月2日(水)から12月27日(土)まで再上映します。本作は谷川さん原案のプラネタリウム作品として2009年から約7年間にわたり未来館で上映していたもので、地球上のさまざまな地域から見える星空と、その土地で聞こえる音、そして各地の夜をうたう詩のことばを通して、地球の広がりとその中にいる自分の存在を改めて感じられる作品です。谷川さんが本作のためにまとめた書き下ろしを含む自選の詩を、俳優・麻生久美子さんの透明感のある朗読で味わうことができます。
谷川さんと未来館の映像作品との関わりは、2005年公開のプラネタリウム作品「暗やみの色」に始まります。ダークマターなど宇宙の「見えないものに目を凝らす」ことをコンセプトとしたこの作品に、書き下ろしの詩「闇は光の母」を寄せてくれました。その後、あたかもその夜その場所にいるかのような、世界の夜を音と詩でつなぐプラネタリウム作品を作りたい、と谷川さんから提案があり、自ら構成や演出にも深く関わられ、本作「夜はやさしい」が完成しました。
本作は、ヨーロッパ、アフリカ、南米など世界6カ所の「夜」を旅していきます。それぞれの場所で、大自然や人々の喧噪、音楽や生きものたちの鳴き声など、バラエティに富んだ環境音が星空を彩ります。各地をつないでいくのは谷川さんの詩。名作「朝のリレー」を彷彿とさせる、各地をつなぐ“夜のコラージュ”ともいうべき作品です。

「夜はやさしい」
初公開から16年の時を経ても色あせない、子供から大人までいつまでも深く心に残る、まるで一篇の詩のようなプラネタリウム体験をお楽しみください。
開催概要

※鑑賞にあたっては事前予約が必要です。
予約は2025年6月25 日(水)から、下記サイトにて
未来館オンラインチケットサイト

谷川俊太郎さん(撮影:深堀瑞穂)
見て聴く夜 谷川 俊太郎少年時代に見たプラネタリウムは東京の夕暮のスカイラインから始まったのですが、そのとき流れるのがバッハの<G線上のアリア>、音楽とともに空がだんだん暗くなって星が輝き始める、それが私の宇宙を感じる原体験のひとつになっています。青空の下で聞く物音や音楽と、星空の下で聞くそれとでは、ずいぶん大きな違いがあるように思います。少年時の感動を再現したいという個人的動機からスタートして、このプログラムは夜の視覚空間と聴覚空間のいわば詩を媒介にした化合…を目指します。
(2009年公開時に制作したリーフレットより)
「夜はやさしい」について
世界の6つの地域(アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南アメリカ、北アメリカ、オーストラリア)のある夜の様子を、プラネタリウム投影機「MEGASTAR-II cosmos (メガスターツー コスモス)」によるリアルな星空と、フィールドレコーディングで収録された各地のリアルな環境音で再現。谷川さん書下ろしを含む自選の詩に導かれながら、世界の夜を旅していきます。あたかもその夜、その場にいるような感覚を通して、人々が星の下でさまざまな思いをめぐらせてきた“夜”という時間をとらえ直し、地球と宇宙の広がり、そしてその中にいる自分の存在を改めて感じられるプラネタリウム作品です。再上映にあたってのメッセージ
谷川 賢作さん (挿入歌「夜はやさしい」作曲)父の発案の「夜はやさしい」にそっと身を委ねると、決して、ことばで書かれたものだけが「詩」ではないのだと、気付かされる。地球に生きる鳥たち、動物たちの鳴き声、様々な人々のお喋りと歌や踊り、風の音、波の音。この愛しい惑星の、全ての音たちのハーモニーで奏でられる「音の詩」を、まるで、そっと神が見守っているかのような、星々の瞬きも「光の詩」。
時々、お気に入りの車椅子に腰掛け、静かに夜空の星々を見上げていた、晩年の父の後ろ姿を思い出します。それら全ての「詩」を指揮していたのかな、微笑みながら。

谷川 賢作さん
日本科学未来館 毛利 衛 名誉館長 (「夜はやさしい」監修)
16年ぶりに「夜はやさしい」を見て胸をつかれたのは、「耳をすませていると文字を忘れる」という一節でした。祝いの宴の太鼓と波音が交じり合うセネガルのにぎやかな夜の場面に添えられた言葉です。言葉に対して物理学者のような厳格さを持っていると感じた谷川さんが“文字を忘れる”ほどに、地球上には豊かな音が鳴っていて、自然や我々の存在そのものの大きさを教えてくれる。そのことに気づいた今、より一層この作品を味わえるようになった気がします。

毛利 衛 名誉館長
Tender is the Night MAP ~本作でめぐる“夜”の風景

Tender is the Night MAP
出発地の東京から世界6カ所にわたり、各地の夜空がドームスクリーンに映し出され、あたかもその夜にその場所にいるかのような音場が観客を包み込みます。☆は星空の見どころです。
1.インドネシア バリ島 12月 【アジア】
数万のヒンドゥー寺院があり、「神々の島」とも呼ばれる地。210日というバリ暦では、毎日どこかでお祭りがあります。60年ぶりの豊作を祈る祭りのガムランの音が、田んぼから聞こえるにぎやかな蛙の声とまじり合います。
☆小さな星が寄り添うように集まる「すばる」。インドネシアでも昔から農作の目印です
2.ドイツ ミュンヘン 6月 【ヨーロッパ】
バイエルン州の州都。夜のビヤホールには人が溢れ、広場では音大生のストリートミュージシャンたちが音楽を奏でています。ソプラノの澄んだ歌声が響き渡り、街角はまるで劇場のようです。
☆ドイツでは“大きな荷車”と呼ばれる「北斗七星」。北極星の周りをめぐり天頂まで昇ります
3.セネガル ダカール 3月 【アフリカ】
アフリカ大陸最西端にある国で、ダカール・ラリーの終着点。かつて奴隷たちが船に乗せられたゴレ島は今は世界遺産に。三日三晩続く祝いの宴、タムタムの音に、子供たちのはしゃぎ声と悠久の時の詰まった波音が重なります。
☆オレンジ色の1等星アークトゥルスが輝く「うしかい座」。そのモデル、天を担ぐ巨人アトラスは山脈として知られています
4.ブラジル バイーア 1月 【南米】
バイーア州・サルヴァドールは、ブラジル音楽の中心地。年越しのフリーコンサートには、世界的なミュージシャンが帰国して登場。30万人が集まり、皆一晩中歌い踊ります。
☆南半球では夏に見られる「オリオン座」や「おおいぬ座」。シリウスから南に向かうと「大マゼラン雲」が浮かびます
5.アメリカ ニューオリンズ 4月 【北米】
ミシシッピー河のほとり、ジャズの発祥地とされる音楽の都。この街でルイ・アームストロングは生まれ育ちました。静かに船が行き交う昼間の河畔とは一変、夜のバーボンストリートには、にぎやかなライブ音楽が溢れ出します。
☆赤いアンタレスとその周りの星が釣り針のように連なる「さそり座」。天の川が濃く見えるこの辺りが銀河系の中心方向です
6.オーストラリア アーネムランド 12月 【オーストラリア】
オーストラリア北部にある、アボリジニの村。自然と一体となった伝統的な暮らしが続く地域です。夜の歓迎の儀式では、ディジュリドゥの音が大地にこだまし、波と虫の音とともにゆっくりとした時間が流れていきます。
☆全天88星座の中で最も小さい「みなみじゅうじ座」。天の川に穴が空いたように見える場所の正体は、暗黒星雲です
クレジット(敬称略)

プラネタリウム投影機 「MEGASTAR-IIcosmos」について
約1,000万個の恒星を投影します。2004年に設置された当時、「世界で最も先進的なプラネタリウム」(※)としてギネス世界記録に認定されました。2025年3月の改良によって星がより鮮明になり、最新のデータにもとづいて作られた恒星原板(星の位置と明るさを忠実に再現した特殊なガラス板)を用いることで、さらにリアルで美しい星空が再現できるようになりました。
(※)現在の記録タイトルは「プラネタリウム投影機により投影された星の最多数」に変更されています
ドームシアターについて
高輝度RGBレーザー4Kプロジェクター2台による全天周・超高精細立体視映像システムと連動したプログラムを上映することで、空気感や気配までも感じられるような、明るく鮮やかな映像をドーム型スクリーンに映し出します。
(「夜はやさしい」は3D作品ではありません)

ドームシアター
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