ツツジは早春から初夏にかけて、ピンク、赤、白、オレンジ、黄色などのさまざまな色の花を咲かせます。
花は一輪または房状に咲き、花弁は5弁です。
どのツツジも枝を横に広げる性質があります。ツツジは30cmの低木から2mにもなる中高木まであります。
品種によって秋にも花が見られるものや、落葉するものがあります。落葉するものは秋になると葉が色づき、美しい景色を作り出します。
ツツジは多くの品種があり、園芸愛好家によってさまざまな交配が行われてきました。
その結果、花の色や形、生育条件によって多様なハイブリッド種が誕生し、約4,000種類のツツジ科があるほどです。
その中から常緑のものと落葉性のものに分けることができます。日本では常緑性のものをシャクナゲ、落葉性のもをサツキと呼ぶことがあります。
一般家庭向きの種類は下記のものがあります。
【常緑】
・ヤマツツジ
代表的なツツジで、野山や丘陵など、日本各地に分布しています。
他のツツジに比べると背丈が高くなることが特徴で、生け垣に向いています。
・キリシマツツジ
クルメツツジ、サタツツジとも呼ばれます。常緑ツツジの中で最も一般的に植えられ、300種類以上の園芸品種があります。
キリシマツツジの多くの品種は丈夫で高さ1〜2mほどになり、枝を横に大きく広げる性質があります。
・ヒラドツツジ
リュウキュウツツジを含めた大葉系のツツジ類の総称です。この系統の花は大輪で樹姿も大きく、生育のスピードも早いのが特徴ですが、寒さに弱い傾向があります。
・リュウキュウツツジ
名前から琉球産のツツジと思われがちですが、原産は不明です。耐寒性があり、函館地方でもよく咲き、越冬することもできます。花色を指すムラサキリュウキュウやシロリュウキュウがあります。
・モチツツジ
淡紅紫色の花をよく伸びた枝先に1〜5花つけます。江戸時代に誕生した古い品種です。
・ミヤマキリシマ
九州の1000m以上の山地に分布しています。近年では、鉢で育てられる矮性品種が普及しました。小さく仕立てられた自然味ある鉢植えがベランダ園芸としても人気です。乾燥には注意が必要な品種です。
【落葉】
・レンゲツツジ
4月にみごとな大輪の花を咲かせます。群馬県の県花としても知られていますが、暑さによく耐えるので都会地でも育ち、日本各地で見られます。ウマツツジやベコツツジとも呼ばれます。
・ミツバツツジ
関東地方によく見られるツツジです。花期は3月で、ツツジの中でも早く咲くことから「1番ツツジ」と呼ばれています。周囲に花が少ない季節に咲くので重宝されています。
「節度」「慎み」「恋の喜び」「初恋」
ツツジの花言葉は、色や種類によって異なりますが、「節度」「慎み」などがあります。
これは、筒状になっているツツジの花が、控えめで節度のある人を連想させることからきています。
また、赤いツツジの花言葉は「恋の喜び」、白いツツジには「初恋」など、恋愛に関する花言葉があり、色によって意味が変わります。
他にも、ツツジの仲間のサツキやシャクナゲ、アザレアたちにもそれぞれ独自の花言葉があります。
ツツジは日光を好むので、日が当たる場所に植えてあげると花がいっぱいになります。自生地のような環境をイメージして育てるのがコツです。
乾燥を嫌うので、土が乾く前に水を与えます。特に夏は、朝と夕方の2回与えるようにしましょう。
ツツジは酸性土壌を好みますが、庭植えの場合は雨が降れば自然と酸性に傾きます。鉢植えの場合はピートモスや鹿沼土などをを使います。
肥料は油かすに粒状の化成肥料を同等に混ぜたものを花後と8月下旬に株周りにまいてください。
剪定は花後、なるべく早い時期に行います。花芽ができあがった8月以降の剪定は翌年に花が咲かなくなるので避けてください。
ツツジは刈り込みに強いので玉づくりなどにするのもおすすめです。11月以降は樹冠から飛び出している枝は間引くようにしましょう。
アブラムシやハダニ、ツツジグンバイムシが春から秋に発生します。
これらが発生すると葉が汚れてきますので、開花期を除いて、定期的に薬剤を散布してあげると効果的です。
また、ツツジ類に付くガの仲間であるベニモンアオリンガが発生すると、食害で花のつぼみが落ちてしまいます。
5〜6月と8月〜9月の2回発生するので、殺虫剤で防除しましょう。
ツツジは日本でも古くから親しまれてきた花で、多くの場所で見ることができます。
特に春から初夏にかけては、多くの神社でツツジ祭りが開催されています。
ツツジの見事な花壇や庭園を楽しんでみてはいかがですか?
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