イヌツゲの特徴
イヌツゲの種類
イヌツゲのお手入れのポイント
イヌツゲの植栽
イヌツゲの病気対策
まとめ
一般にはツゲと呼ばれているものはモチノキ科の「イヌツゲ」を指すことが多いです。印鑑や櫛などの加工に用いられる高級材料のツゲ(ホンツゲ)に葉は似ているが、木材としてはやや劣るということでこの名がつけられました。しかし、庭木としては大気汚染にも強く、互生する葉は刈り込みによく耐えることから和洋を問わず庭木としてよく使われています。このイヌツゲは高さ5mぐらいになる常緑樹で、生け垣や玉物(たまもの)、玉の段づくりにトピアリーなど、さまざまな姿に仕立てられます。これほど樹勢が強く仕立てやすい木はないといっても過言ではありません。
モチノキ科のイヌツゲは互生で葉の出る位置が一枚ずつずれています。やや楕円形(だえんけい)または長楕円形(ちょうだえんけい)で、 少し鋸葉(のこぎりば)があります。ツゲ科のツゲ属は「ホンツゲ」や「アサマツツゲ」と呼ばれます。イヌツゲとホンツゲはよく似ていますが、 ホンツゲの葉はイヌツゲに比べ、葉が向き合うように2枚の葉が出ている対生で丸いです。このホンツゲも花壇の縁取りや、刈込みに使われていますが、印材や櫛材にもなります。
イヌツゲの種類 (モチノキ科 / モチノキ属)
・マメツゲ
イヌツゲの変種で葉が卵円形で表面が膨らみます。
・キンメツゲ
光沢がある楕円形の葉が特徴で、小さい葉が密になります。
・斑入りつげ(フイリイヌツゲ)
葉に黄斑が入る珍しい種類です。
・ホウキイヌツゲは(スカイペンシル)
枝がすべて真上し、細いホウキ状の樹形になります。
・アカミノイヌツゲ(クロソヨゴ)
北の寒冷地によく見られる種類で、6月頃赤い実がつきます。
たいへん萌芽力が強いので、1~2年放任して乱れてしまった木でもつくり直しができるのが大きな特徴です。3~5年ほどすると樹形も完成するので、その後は3月から10月にかけ、年2~3回、刈り込みをしていくのが理想です。刈り込みは3~4月が適期ですが、あまり枝を伸ばさず、早め早めに新しく伸びた小枝を刈り込みばさみなどで刈るのがポイントです。また、枝に細い竹を添えたり、シュロ縄を使ったりして樹形をつくることもできます。
イヌツゲは、大気汚染や日陰にもよく耐え、土質も特に選びませんが、根がこまかく張るので、腐植質で肥沃な土地が適しています。庭木の場合は仕立てられたものを入手したほうが、大きさがわかるのでおススメです。植え場所に適した大きさや樹形のものを選んでください。生け垣用の苗木は、幹がまっすぐに伸び、小枝が多い苗木にし、根のよいものを選びましょう。
4月~6月上旬か9月~10月が植え付けの適期になります。植え穴にたっぷり堆肥を施しておき、仕立て物は40~50cmくらい高めに植えてください。乾燥などで冬に葉が落ちた時だけ、油かすや鶏ふんを2月に与えてあげると効果的です。
テッポウムシ、ハマキムシ、シャクトリムシなどが発生する前に薬剤散布して防除します。5~6月にハマキムシが発生しますが、巻いた葉をみつけたら、葉ごと摘みとって駆除しましょう。また、9月に刈り込むと被害が少なくなります。
イヌツゲはかわいらしい小さな葉が密集し、生垣や庭の仕切りをはじめ、トピアリーとしても楽しむことができます。刈り込みにもよく耐え、丈夫で育てやすい樹種ですので、ぜひ、お庭のアクセントとしてイヌツゲを育ててみませんか?
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