一般にはツゲと呼ばれているものはモチノキ科の「イヌツゲ」を指すことが多いです。
印鑑や櫛などの加工に用いられる高級材料のツゲ(ホンツゲ)に葉は似ているが木材としてはやや劣るということでこの名がつけられました。
庭木としては大気汚染にも強く、互生する葉は刈り込みによく耐えることから和洋を問わず庭木としてよく使われています。
高さ5mぐらいになる常緑樹で、生け垣や玉物、玉の段づくり、トピアリーなどさまざまな姿に仕立てられ、樹勢が強く仕立てやすい木といえます。
モチノキ科のイヌツゲは互生で葉の出る位置が一枚ずつずれており、やや楕円形または長楕円形で少し鋸葉があります。
ツゲ科のツゲ属は「ホンツゲ」や「アサマツツゲ」と呼ばれます。
イヌツゲとホンツゲはよく似ていますが、ホンツゲの葉はイヌツゲに比べ2枚の葉が向き合うように出る対生で丸い形をしています。
このホンツゲも花壇の縁取りや刈込みに使われていますが、印材や櫛材にもなります。
イヌツゲの種類には、葉が卵円形で表面が膨らむ「マメツゲ」、光沢のある楕円形の葉が特徴の「キンメツゲ」、葉に黄斑が入る珍しい「斑入りつげ」があります。
枝が真上に伸び細いホウキ状になる「ホウキイヌツゲ(スカイペンシル)」、北の寒冷地に見られ6月頃赤い実がつく「アカミノイヌツゲ(クロソヨゴ)」もあります。
大変萌芽力が強いので、1〜2年放任して乱れてしまった木でもつくり直しができるのが大きな特徴です。
3〜5年ほどすると樹形も完成するので、その後は3月から10月にかけ年2〜3回、刈り込みをしていくのが理想です。
刈り込みは3〜4月が適期ですが、あまり枝を伸ばさず早め早めに新しく伸びた小枝を刈り込みばさみなどで刈るのがポイントです。
枝に細い竹を添えたり、シュロ縄を使ったりして樹形をつくることもできます。
イヌツゲは大気汚染や日陰にもよく耐え、土質も特に選びませんが、根が細かく張るので腐植質で肥沃な土地が適しています。
庭木の場合は大きさがわかる仕立てられたものを入手し、植え場所に適した大きさや樹形のものを選ぶのがおすすめです。生け垣用の苗木は幹がまっすぐで小枝が多く根のよいものを選びましょう。
植え付けの適期は4月〜6月上旬か9月〜10月で、植え穴にたっぷり堆肥を施し、仕立て物は40〜50cmほど高めに植えてください。
乾燥などで冬に葉が落ちた時だけ、油かすや鶏ふんを2月に与えると効果的です。
テッポウムシ、ハマキムシ、シャクトリムシなどが発生する前に薬剤散布して防除します。
5〜6月にハマキムシが発生しますが、巻いた葉を見つけたら葉ごと摘みとって駆除しましょう。
9月に刈り込むと被害が少なくなります。
イヌツゲはかわいらしい小さな葉が密集し、生垣や庭の仕切りをはじめ、トピアリーとしても楽しむことができます。
刈り込みにもよく耐え、丈夫で育てやすい樹種ですので、ぜひ、お庭のアクセントとしてイヌツゲを育ててみませんか?
【もっと詳しく知りたい方】
ページ下部「記事の出典:和洋を問わず庭木として人気の「イヌツゲ/犬黄楊/Japanese Holly」」をご覧ください。
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