鍋のシメで楽しむことが多い雑炊。
雑炊の作り方の特徴は、炊いたご飯を水で洗って表面のぬめりを取ることです。水で洗ったご飯に、出汁や具を入れて煮込みます。
ご飯を一度洗ってから煮ると、どのような効果があるのでしょうか?
これは2つの効果があり、第一にスープがさらさらした仕上がりになること。第二にご飯に味が染み込みやすくなるという効果があるそうです。
ご飯を洗わないで出汁で煮ると、ご飯のぬめりがスープに溶け出して、とろみのついた仕上がりになりますね。サラサラした雑炊ととろりとした雑炊。どちらが好みかは、人によって分かれそうですね。
おじやは、炊いたご飯を洗わずに、そのまま出汁や具材を加え煮てつくります。とろみが出るまで煮ることもあれば、ご飯をつぶつぶがほとんど残らないくらいまで煮込むこともあるようです。
とろみが出るまでよく煮ることにはどんな意味があるのでしょうか?
具材はよく煮ることで、食べやすく消化しやすくなります。また、汁気がなくなるまで煮ることで、溶け出した栄養素をすべて食することができるという利点もあります。
また、とろみをつけると、お年寄りも食べやすくなったり、身体が温まりやすいという利点もあるようです。
雑炊の由来には諸説ありますが、ご飯に水を加えて炊いたものを「増水」と呼んだのが由来という説があります。その後さまざまな具を加えるようになったことから「雑炊」と言われるようになったんだとか。
「おじや」の語源は、宮中に仕える女房たちが使った雑炊の呼称であるという説があります。米を煮る時の「ジャジャ」という音に接頭語の「お」をつけて呼んだのが始まりだとか。
雑炊とおじやの違いについては、さまざまな考え方があるようです。
先にあげた、煮る前に米を洗うものが「雑炊」、洗わないものが「おじや」と言うのが一般的なようですが、他にも煮汁や塩で味付けされたものが「雑炊」、味噌、醤油などで味付けされたものが「おじや」と言われることもあり、地域や家庭などによってさまざまな説があるようです。
おかゆやリゾットも、雑炊やおじやと似ていますね。それぞれの違いをご紹介します。
おかゆは風邪を引いた時などに、病時食として食べるイメージがありますよね。
おかゆが雑炊やおじやと違う点は、炊いた「ご飯」を使わない点です。
おかゆは生の米を、通常よりも多い水分量でやわらかくなるまで炊いた料理です。
離乳食や病人食、精進料理として食され、消化が良いことが特徴です。
リゾットは、炊いていない生の米をオリーブオイルやバターなどで炒めてから、白ワインや出汁、スープで炊いたイタリア料理です。
アルデンテくらいの硬さで仕上げ、魚介やキノコといった具材を加えます。
米を炒めてから炊く、というのがポイントです。
「雑炊」と「おじや」の違いをご紹介しました。由来や作り方の違いなど意外と知らないこともあったのではないでしょうか?寒い季節や風邪のときなど、ぜひお試しくださいね。
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http://tg-uchi.jp
参照:農林水産省「お米の魅力」
http://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1211/spe1_05.html
出典元:東京ガス「ウチコト」
http://tg-uchi.jp/topics/3825
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