木綿豆腐と絹ごし豆腐は、木綿の布で作ったから木綿豆腐、絹の布で作ったから絹ごし豆腐というわけではありません。実は以下のような作り方の違いがあります。
<木綿豆腐>
豆乳に凝固剤を加え、一度固めたものをくずしてから圧力をかけて水分をしぼり、再び固めて作ります。
<絹ごし豆腐>
木綿豆腐よりも濃い豆乳に凝固剤を加え、そのまま固めて作ったものです。
この作り方の違いが、この後ご紹介する様々な違いにつながっていきます。
歴史をみると、木綿豆腐の方が古く、絹ごし豆腐の登場は江戸時代の中期だとか。やわらかく舌触りのいい豆腐を求めて出来上がったものだそうですよ。
木綿豆腐と絹ごし豆腐、それぞれの適した調理方法や食感の違いについてご紹介します。
食感:しっかりとした食感と舌触り、濃厚な味わい
調理法:焼く、炒める、煮る、揚げる
料理:豆腐ステーキやハンバーグ、炒り豆腐など
食感:きめ細かく、なめらかな舌触り
調理法:そのまま
料理:サラダ、冷奴など
食感の違いや豆腐の崩れやすさなどで、経験的に料理によって豆腐を使い分けている方も多いかもしれませんね。知らなかった方は意識して調理に活かしてみてくださいね。
木綿豆腐と絹ごし豆腐、栄養価に違いがあることをご存知でしたか?
主な栄養価の違いは以下の通りです。
<木綿豆腐>
木綿豆腐は作る過程で水分をしぼるため、栄養分が圧縮されます。そのため、たんぱく質、カルシウム、鉄分が、絹ごし豆腐に比べると2〜3割多く含まれているそうです。
<絹ごし豆腐>
絹ごし豆腐は、ビタミンB群やカリウムが木綿豆腐より多いと言われています。
木綿豆腐は水分をしぼることによって、ビタミンB群やカリウムなど、水溶性の栄養素が水分と一緒に流れ出してしまうからだとか。
カルシウムや、鉄分を摂りたいときには木綿豆腐を。ビタミンB1や、カリウムを摂りたいときには絹ごし豆腐を選んでみる、というように栄養価の違いで豆腐を選ぶのも良いかもしれませんね。
豆腐を作る過程で登場する「にがり」。豆乳ににがりを入れて固めることで、豆腐は作られます。なぜにがりを入れると固まるのでしょうか。
にがりは凝固剤のひとつ。塩を作るために海水を煮詰め、塩の結晶を取り出した後に残った液体のことを指します。 にがりの主成分は「塩化マグネシウム」。この塩化マグネシウムが、豆乳のたんぱく質と反応して固ります。
他の凝固剤と比べ、にがりで食材を固めるには技術が必要だそうです。にも拘わらず、にがりが昔から使い続けられる理由は、にがりを使うことで豆の甘みを味わえる豆腐になるからだとか。にがりは美味しい豆腐に欠かせないものなんですね。
豆乳やゆば、おから、大豆を使った他の食材はどのように作られているのでしょうか?
<豆乳>
豆乳とは、大豆を水に浸してすりつぶし、水を加えて煮つめ、固形分をこした後の液体です。
<おから>
おからは、豆乳を搾った残りの固形分のことをいいます。
<ゆば>
豆乳をじっくり加熱した時に、表面にできる薄い膜を引き上げたものが「ゆば」になります。
普段何気なく使っている豆腐や大豆食品。同じ材料から形を変え、さまざまな食材に変わるのは興味深いですね。普段食べているものがどのように作られるか、またどんなつながりや違いがあるかを伝えてあげると、お子さんが食に興味を持ってくれるかもしれませんね。
いかがでしたか?木綿豆腐と絹豆腐では、食感や味だけでなく、栄養価の違いもあったんですね。タンパク質を豊富に含み、低カロリーなのが魅力な豆腐。さまざまなお料理に使えて便利ですね。豆腐の種類や特徴を知って、お料理に生かしてくださいね。
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http://tg-uchi.jp/
参考:日本豆腐協会「豆腐の成分別含有量」
http://www.tofu-as.com/health/04analysis/index.html
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