両親や兄弟姉妹、祖父母など大家族が多かった昔は、一緒に住んでいる家族はもちろん、近所の人も自然に子育てに関わっていました。今では少子化、核家族化が進み、日中はママと子どもだけで過ごしている家庭も多くなっています。子どもと公園で遊んでいても、知り合いが少ないと不安でなかなか周囲には声をかけられなかったりしますよね。
そこで、自治体が地域のみんなで子育てを応援し合い、乳幼児をもつ親子が気軽に外出し、子育て家庭が地域の中でいろいろな人と関わりながら子育てできるまちづくりを推進するためにスタートしたのがこの応援券事業です。一時保育、子育て相談、子育て講座などの有料の子育て支援サービスに利用できる券(チケット)を、就学前の子どもがいる家庭に発行し、サービスを利用しやすくすることで、地域での子育てを支援しようという取り組みです。
この子育て応援券で注目を集めているのが杉並区。子どもの成長タイミングごとに交付される3種類の応援券とその金額が魅力となっています。
・妊娠中から利用できる「ゆりかご券」1万円
・出生届の提出時に交付される「出生時応援券」2万円
・0歳から2歳児の保護者に交付される「0歳から2歳児応援券」2万円(多子世帯用0歳から2歳児応援券2万5,000円)
これらの「応援券」は杉並区に3か月以上居住していればもらうことができます。
利用しているママたちは、ちょっとした用事があるときに一時保育に子どもを預けたり、ベビーマッサージや母乳マッサージ、リトミック教室などのスクール、コンサート鑑賞などのリフレッシュなどさまざまに使い分けているようです。また、一部医療機関ではインフルエンザの予防接種にも利用でき、使い勝手がよいとかなりの評判とのこと。利用できる施設が数多くあることからも、子育て応援券事業のなかではメディアによく登場している取り組みです。
富山県では、平成20年から子育て応援券事業をスタート。平成20年以降に生まれた子どもをもつ家庭を対象に子育て応援券を発行しています。
利用対象は一時保育や育児サービス、予防接種のほかにもちょっと変わったところでは読み聞かせ絵本の購入や歯のフッ素塗布などにも利用できます。
練馬区では、ヘルパーによる家事のお手伝いや、助産師による乳房ケア、育児相談などに利用できる応援券が8枚もらえます。
他にも栃木県那須塩原市、東京都練馬区、大阪市天王寺区、鹿児島県出水市などでも子育て応援事業を行っており、徐々に全国でも広がりを見せています。一方で終了している自治体もあるので、まずは自分の住んでいる自治体の支援事業はしっかり確認しておきましょう。
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