よく耳にする母親学級や両親学級。これらは自治体などでやっているパターンと、通院している産婦人科などでやっているパターンとがあります。どちらも「初産で妊娠◯ヶ月の方(もしくは出産予定日が◯月~◯月まで)」のように、参加する条件や日程が決まっていることがほとんど。自治体の場合は住んでいる市区町村の広報やホームページに日程と開催内容が載っていますし、産婦人科の場合は時期が来たら案内されることが多いようです。「母親学級」は、出産・子育てなど主に赤ちゃんについてママが学ぶもの、「両親学級」とは、主に出産・子育てをするママについてをママとパパが学ぶもので、それぞれ内容が異なっています。最近ではこれらに加えて「父親学級」という言葉を耳にすることが多くなりました。父親学級では、赤ちゃんのお風呂入れの実習や、妊婦体験など実際に体験する内容が多いようです。
パパは赤ちゃんに直接授乳することはできませんし、結果的にママが育児の中心になることが多いようですが、ちょっと蚊帳の外になりがちなパパに必要なのは「ママがどんな心と体で産前・産後を過ごしているのか」を知り、サポートしてあげることです。
父親学級のプログラムの内容は赤ちゃんの抱き方や沐浴、おむつ交換などの実技が多く、まさに「即戦力」になるための具体的なテクニックが身に付きます。重りをお腹にくくりつけて階段の上り下りをするといった妊婦体験のイメージが強い人もいるようですが、最近では妊娠中のママに必要な栄養素を学び、ご飯を作る料理教室なども登場しています。病院で開かれる教室では、産婦人科の先生から妊娠から出産の仕組みや出産時のリスク、呼吸法なども学べたりするようです。実は父親教室参加が立ち会い出産の条件になっている病院もあるとのこと。ママとなる妊婦さんの約8割が「夫に父親学級に参加してほしい」と願うのもわかりますね。参加することによって、ちょっとやさしくなったり、家事に協力的になったりといったパパの変化もあるよう。でも、以前に比べれば増えてきているものの、実際に参加しているパパはまだ多くはないようです。
通常の父親学級は、先に述べたように「沐浴のしかた」や「オムツ替え」のレクチャーが中心で子育ての具体的なサポートがほとんどです。もちろんそれもとっても大切なのですが「どれだけ妻の気持ちに寄り添って育児をスタートさせられるか」に重点を置いた父親学級もあらわれました。
そのひとつが『アイナロハの父親学級』。ここでは沐浴の仕方などは一切扱わず、妊婦や産後の女性のからだや心の痛み、そして女性が我慢している憂鬱や焦りを理解してもらうことが中心になっています。そして、仕事で参加できないパパのためになんと出張父親学級も行ってくれるのです。
また、日本初の父親学級としてスタートした『ファザーリング・スクール』では、パパが育児を楽しむために必要なマインド・スキル・知識を学ぶことができることに加え、ネットワーク(パパ友)をつくることを通して、「笑っている父親」を目指しているそうです。全8講義というプログラム構成でしっかり、じっくり父親の準備ができると評判です。
他にも『イクメンプロジェクト』など、イクメンパパたちの体験が投稿されているサイトも登場しパパたちの輪が広がっています。
こうした父親学級やイベントに参加したパパたちの感想の多くは「とにかく参加してよかった」というもの。ママは入院した際に病院からいろんな事を教えてもらうことができるものの、パパにとってはなかなか機会がないので、事前の学習や実習は、ある程度シミュレーションができて不安を軽減できるようです。積極的にパパを誘ってみる価値はありそうですね。
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます