プレスリリース
ノンホモジナイズ牛乳の技術を活かすコンセプトとデザインの研究
学校法人明治大学
2026.09.03
―タカナシ乳業株式会社と明治大学商学部加藤拓巳准教授の共同研究の知見に基づき開発された新商品「タカナシ 生乳本来のクリームが浮かぶカフェラテ」が誕生―

客観的に品質が優れていても、消費者に受け入れられない技術は多数存在します。多くの企業や農家にとってこうした技術の価値を消費者にどのように伝えるかは悩みの一つです。本プロジェクトで取り上げた食品は、ノンホモジナイズ製法で製造された牛乳(ノンホモ牛乳)です。一般的な市販の牛乳は、物理的安定性を高めるために乳脂肪分が均質化されています。一方、ノンホモ牛乳は乳脂肪分を均質化しないため、より自然の生乳に近い状態です。しかし、名前の印象や訴求点の抽象性から、これまで消費者に受容されてきませんでした。そこで、タカナシ乳業株式会社と明治大学商学部の加藤拓巳准教授は、ノンホモジナイズ製法(ノンホモ)で製造された牛乳のおいしさを、消費者に分かりやすく伝えるための共同研究を実施しました。ノンホモ牛乳は乳脂肪分を均質化しないため、搾りたての生乳に近い風味と、表層に浮かぶクリームが特徴です。研究では、この「クリーム」という実際の特徴を、言葉と視覚の両面から正確に伝える方法を、消費者を対象としたランダム化比較試験によって検証しました。その成果は国際会議 「KES 2026」 および日本デザイン学会第73回春季研究発表大会に採択されています。この知見に基づいて企画・開発された新商品「タカナシ 生乳本来のクリームが浮かぶカフェラテ」が、タカナシ乳業株式会社から2026年10月3日に発売されます。
■ 背景
一般に市販される牛乳の多くは、品質を安定させるために乳脂肪分を均質化(ホモジナイズ)しています。一方でノンホモ牛乳は、乳脂肪分を均質化せず、搾りたての生乳に近い状態を保つ製法です。静置すると表層にクリームの層(クリームライン)が形成され、牧場で味わう牛乳のようなコクが楽しめます。酪農・乳業の現場では、その品質の高さが長く評価されてきました。一方で、「ノンホモジナイズ製法」という製法名そのものは、日常的に牛乳を選ぶ場面で、そのおいしさを想像する手がかりにはなりにくいという課題がありました。
■ ノンホモジナイズ牛乳の技術を活かすコンセプト
ノンホモ牛乳の一つの特徴は、表層にクリームラインが形成されることあり、それは自然由来のクリームを味わいたいという消費者のニーズに適合することが明らかになりました。現在、カフェでクリームのある飲料は人気を博していますが、それを小売(スーパーマーケットやコンビニエンスストア)で提供する例は多くありません。そこで、ノンホモ牛乳の価値の源泉をクリームと定義し、それを際立たせるためにカフェラテの素材として導入しました。図1に示すとおり、従来のノンホモ牛乳の技術的訴求と比較して、「生乳本来のクリームが浮かぶカフェラテ」とするコンセプトの訴求により、購入意向が有意に高まりました。

図1. コンセプトの検証
■ クリームを際立たせるパッケージデザイン
消費者は商品を検討する際、それを口にしたときの感覚を思い浮かべる「メンタルシミュレーション」を行うことが知られています。食品のパッケージでは、スプーンですくう描写がこの想像を助けることが報告されていますが、飲料への適用例はほとんどありませんでした。本研究では、ノンホモ牛乳ならではのクリームの層を、スプーンですくう描写によって表現するデザインを検証しました。これは中身にない要素を付け加えるものではなく、実際に商品の中で起きている現象を、より伝わりやすい形で描いたものです。同様の調査設計で、複数のデザイン案を無作為に割り付けたグループに提示し、評価を比較しました。その結果、クリームをすくう描写を採用したデザインでは購入意向が有意に高まりました。

図2. パッケージデザインの検証
■出典
Kato, T., Ishida, M., Moriya, H., Tanaka, N., Hasegawa, E., Tamura, Y., Kuwabara, M., Minamiura, R., Kitamura, S., Kida, T. (2026). Make the cream stand out!: Concepts and packaging designs that enhance the perceived value of non-homogenized milk. Procedia Computer Science, 1-10.
加藤拓巳・石田光洋・守屋穂奈美・田中奈々子・長谷川悦子・田村悠人・桑原万裕子・南浦良太・北村眞一・木田太郎. (2026). ノンホモジナイズ牛乳の知覚価値を高めるクリームとスプーン. 日本デザイン学会研究発表大会概要集, 1-2.
■この記事に関連するページ
タカナシ乳業株式会社 Webサイト:https://www.takanashi-milk.co.jp/
加藤拓巳准教授Webサイト:https://takumi-kato.com/
ノンホモジナイズ牛乳の価値はクリームにあり~消費者に受け入れられてこなかった製造技術の価値転換~(2026年5月19日プレスリリース)https://www.meiji.ac.jp/koho/press/2026/qfki0t00000ioi1p.html
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客観的に品質が優れていても、消費者に受け入れられない技術は多数存在します。多くの企業や農家にとってこうした技術の価値を消費者にどのように伝えるかは悩みの一つです。本プロジェクトで取り上げた食品は、ノンホモジナイズ製法で製造された牛乳(ノンホモ牛乳)です。一般的な市販の牛乳は、物理的安定性を高めるために乳脂肪分が均質化されています。一方、ノンホモ牛乳は乳脂肪分を均質化しないため、より自然の生乳に近い状態です。しかし、名前の印象や訴求点の抽象性から、これまで消費者に受容されてきませんでした。そこで、タカナシ乳業株式会社と明治大学商学部の加藤拓巳准教授は、ノンホモジナイズ製法(ノンホモ)で製造された牛乳のおいしさを、消費者に分かりやすく伝えるための共同研究を実施しました。ノンホモ牛乳は乳脂肪分を均質化しないため、搾りたての生乳に近い風味と、表層に浮かぶクリームが特徴です。研究では、この「クリーム」という実際の特徴を、言葉と視覚の両面から正確に伝える方法を、消費者を対象としたランダム化比較試験によって検証しました。その成果は国際会議 「KES 2026」 および日本デザイン学会第73回春季研究発表大会に採択されています。この知見に基づいて企画・開発された新商品「タカナシ 生乳本来のクリームが浮かぶカフェラテ」が、タカナシ乳業株式会社から2026年10月3日に発売されます。
■ 背景
一般に市販される牛乳の多くは、品質を安定させるために乳脂肪分を均質化(ホモジナイズ)しています。一方でノンホモ牛乳は、乳脂肪分を均質化せず、搾りたての生乳に近い状態を保つ製法です。静置すると表層にクリームの層(クリームライン)が形成され、牧場で味わう牛乳のようなコクが楽しめます。酪農・乳業の現場では、その品質の高さが長く評価されてきました。一方で、「ノンホモジナイズ製法」という製法名そのものは、日常的に牛乳を選ぶ場面で、そのおいしさを想像する手がかりにはなりにくいという課題がありました。
■ ノンホモジナイズ牛乳の技術を活かすコンセプト
ノンホモ牛乳の一つの特徴は、表層にクリームラインが形成されることあり、それは自然由来のクリームを味わいたいという消費者のニーズに適合することが明らかになりました。現在、カフェでクリームのある飲料は人気を博していますが、それを小売(スーパーマーケットやコンビニエンスストア)で提供する例は多くありません。そこで、ノンホモ牛乳の価値の源泉をクリームと定義し、それを際立たせるためにカフェラテの素材として導入しました。図1に示すとおり、従来のノンホモ牛乳の技術的訴求と比較して、「生乳本来のクリームが浮かぶカフェラテ」とするコンセプトの訴求により、購入意向が有意に高まりました。

図1. コンセプトの検証
■ クリームを際立たせるパッケージデザイン
消費者は商品を検討する際、それを口にしたときの感覚を思い浮かべる「メンタルシミュレーション」を行うことが知られています。食品のパッケージでは、スプーンですくう描写がこの想像を助けることが報告されていますが、飲料への適用例はほとんどありませんでした。本研究では、ノンホモ牛乳ならではのクリームの層を、スプーンですくう描写によって表現するデザインを検証しました。これは中身にない要素を付け加えるものではなく、実際に商品の中で起きている現象を、より伝わりやすい形で描いたものです。同様の調査設計で、複数のデザイン案を無作為に割り付けたグループに提示し、評価を比較しました。その結果、クリームをすくう描写を採用したデザインでは購入意向が有意に高まりました。

図2. パッケージデザインの検証
■出典
Kato, T., Ishida, M., Moriya, H., Tanaka, N., Hasegawa, E., Tamura, Y., Kuwabara, M., Minamiura, R., Kitamura, S., Kida, T. (2026). Make the cream stand out!: Concepts and packaging designs that enhance the perceived value of non-homogenized milk. Procedia Computer Science, 1-10.
加藤拓巳・石田光洋・守屋穂奈美・田中奈々子・長谷川悦子・田村悠人・桑原万裕子・南浦良太・北村眞一・木田太郎. (2026). ノンホモジナイズ牛乳の知覚価値を高めるクリームとスプーン. 日本デザイン学会研究発表大会概要集, 1-2.
■この記事に関連するページ
タカナシ乳業株式会社 Webサイト:https://www.takanashi-milk.co.jp/
加藤拓巳准教授Webサイト:https://takumi-kato.com/
ノンホモジナイズ牛乳の価値はクリームにあり~消費者に受け入れられてこなかった製造技術の価値転換~(2026年5月19日プレスリリース)https://www.meiji.ac.jp/koho/press/2026/qfki0t00000ioi1p.html
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「ウィズ京葉ガス」2026年6月に掲載されました
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