「宿命」と「運命」の違いや例文を紹介!英語ではどう書く?

「宿命」と「運命」の違いや例文を紹介!英語ではどう書く?

「宿命」と「運命」はよく似た言葉ですが、意味の違いを正しく答えられる人は少ないのではないでしょうか。本記事では言葉の意味の違いや例文、英語での表記などを紹介します。

「宿命」と「運命」の意味

「宿命」と「運命」は漫画や小説、日常会話でも使用される言葉です。どちらも「命」という漢字がつきますが、意味は異なります。

「宿命」の意味

「宿命」とは、絶対に避けられないものという意味です。辞書には次のような説明があります。

”生まれる前の世から定まっている人間の運命。宿運。しゅくみょう。「海に生きる―にある」「つらい―を負う」”

「宿」は「前世からの」という意味です。つまり、「宿命」とは前世から決まっていることを表します。例えば、寿命が尽きることは努力で変えることはできません。どんなに手を尽くしても避けられないものごとが「宿命」です。

出典:goo辞書(デジタル大辞泉)

「運命」の意味

「運命」とは、自分の意志とは関係なく巡ってくる幸・不幸のことです。辞書には下記のように説明されています。

”1 人間の意志を超越して人に幸、不幸を与える力。また、その力によってめぐってくる幸、不幸のめぐりあわせ。運。「―のなせる業」「―をたどる」

2 将来の成り行き。今後どのようになるかということ。「国家の―」”

「運命」の「運」は「巡り合わせ」という意味があり、日ごろの言動次第で変えることが可能とされています。

「宿命」が生まれる前から結果が決まっているのに対し、「運命」は行く末が確定していない状態を指す言葉です。

出典:goo辞書(デジタル大辞泉)

「運命は偶然よりも必然である」とは?

「運命は偶然よりも必然である」は、芥川龍之介が『侏儒の言葉』という作品の中で記し、朝ドラの登場人物が引用したことで注目を浴びました。

”運命は偶然よりも必然である。運命は性格の中にあるという言葉はけっして等閑(なおざり)に生まれたものではない”

等閑とは「物事をいい加減に扱うこと」です。上記の文章の意味はさまざまな考察がなされていますが、「運命だと諦めて流されてしまうのではなく、自分の意思をしっかりと持つことが重要だ」とする説が有力とされています。

「使命」「天命」との違いは?

「宿命」「運命」と同じような言葉に「使命」と「天命」があります。これらの意味に違いはあるのでしょうか。

「使命」とは、漢字のとおり「命の使い方」という意味合いを持ちます。自分の命が尽きるまで、何を目標にしてどんなミッションを実行するかを指す言葉です。

「天命」とは「天から与えられた使命」という意味で、自分の人生をかけてやり遂げるべきことを表します。神様との約束とも言われ、神によって与えられた果たすべき役割を意味する言葉です。

「宿命」と「運命」の使い分け・例文

「宿命」と「運命」を使い分けるポイントは、状況や結果を変えられるかどうかです。「宿命」と「運命」の使い分けと例文を紹介します。

「宿命」の使い方と例文

前もって決められていて変えられないことなら、「宿命」を使いましょう。

1.彼は宿命のライバルだ。

2.医者になる宿命を持って生まれた気がする。

1の場合、彼がライバルになることは生まれる前から決まっていたという意味合いになります。2の場合も同様に、医師になることが既に決まっており、他の職業を選択する道はないことを指しています。

「運命」の使い方と例文

「運命」を使う場合は、自分の意志とは関係なく表れるものや生じることに対して使用しましょう。

1.ついに運命の人に巡り合えたと思ったが、どうやら違ったようだ。

2.運命を受け入れて、この仕事を全力で頑張るよ。

上記の例のように、自分の行動次第で結果が変わる場合、「運命」を使うのが適しています。

「宿命」と「運命」の英語での違い

「宿命」と「運命」は、英語に訳すと同じ単語を利用することがあります。代表的な単語は、次の通りです。

“宿命:destiny, fate

運命:destiny, fate, presumptive fate, prospective fate”

よく使用されるのがdestinyとfateですが、意味合いが異なります。destinyはポジティブな内容や、好転が期待できる場合に使用する言葉です。一方、fateはあまり良くない内容や悲観的な場面で用いられます。覚えておくと便利です。

出典:weblio和英辞典

「宿命」と「運命」を正しく使い分けよう

「宿命」とは、前世から決まっていることや、絶対に避けられないものを表す言葉です。「運命」とは、人の意思とは関係なく起こる幸・不幸を指します。

「宿命」と「運命」の使い分けのポイントは、意思や努力で変えられるかどうかです。「宿命」と「運命」の意味を理解し、正しく使い分けましょう。

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