好みのコーヒーの生豆を入れ、浅煎りか深煎りのコースを選び、スイッチを押すだけ。
本体内側は円筒形になっており、コーヒー豆はその中をぐるぐる回転しながら加熱されていきます。
空気が下から上に向かって吹き上がる構造になっていて、軽いチャフ(薄皮、シルバースキン)はフタ部分に飛ばされます。蓋の内側はドーナツ状の溝になっていて、チャフだけがそこに溜、除去される仕組みです。
あとは適宜サーモスタットでかるく冷却工程が入りながら、スイッチを入れて20分ほどで焙煎のできあがりです。
焙煎直後はあまり香りはせず、丸1日、できれば2日経つ頃に最高にかぐわしい状態になります。その2日めから3日め、遅くとも4日めあたりで飲みきると、市販の焙煎済みのコーヒー豆は香りが物足りなくて、もう飲めません。
また、焙煎済みより生豆のほうがぐっと割安です。
1グレードか2グレード、上質な豆を選べるのも利点です。
試したことのなかった産地の豆も、焙煎してみて新たな好みが発見できたり。
自家焙煎というとなんんだかマニアックすぎて敷居が高く感じていましたが、ほんとうに後戻りができないほど味わいのレベルが上がっています。
これが家庭用のロースターでボタンひとつで作れるというのは、ほぼ唯一無二だと思います。
とはいえ、すべて手放しで褒められる100点満点の製品かというと、さにあらず。
以下に欠点を挙げますと・・・
1.とにかくうるさい(笑)
フルパワーのヘアドライヤーが20分稼働しているところをイメージしてください。そんな騒音がします。
2.ハンドルが溶ける(笑)
本体上部についているハンドルは、焙煎中は立てておいた方がよいです。寝かせた状態だと、蓋の熱で焼きごてを押し当てたような溶け跡がつきます。
3.温度の微調整ができない
ひょっとしたら、メーカーさんは焙煎時間や温度調整の最終決定を春先に行ったのかも。
わたしは時流に逆らって深煎り派で、具体的にはフレンチローストよりもほんのわずかにフルシティロースト寄りが好みです。
晩秋や春先の室温だと、DARK(深煎り)モードでほぼ理想の仕上がりになります。
しかし夏場、エアコンのない30度超の部屋では浅煎りモードですら深煎り以上、ほぼイタリアンローストじゃないかというほど煎られ過ぎますし、冬だと逆に深煎りモードでも少々煎りが足りなくなります。
浅煎り派にはスイートスポットとなる室温域が狭いため、あまり向かないように感じます。
4.ローストの匂いがかなり残る
これはこの機種というより、焙煎行為につきまとうことですが・・・
コーヒー豆は焙煎時、独特の臭気が発生します。それが室内に長時間残ってしまうのです。
屋外で使えれば匂いの面は解決するものの、騒音や電気の取り回しの課題が生じます。
お風呂の場合は浴室乾燥や暖房を掛けるとロースト臭が逆流してきますし、トイレだと狭い個室で壁紙が匂いを吸着しそうです。風呂もトイレも密閉ができ、騒音を和らげることができるのに、残念。
結局騒音は我慢して、現在はキッチンの換気扇の真下に落ち着きました。
5.容量が少ない!
この機種がすすめる容量は40〜60gです。
ふつう、コーヒーを淹れる場合は1杯10g程度でしょうか。それだとひとりで毎日飲んで1週間弱もつ勘定です。しかし、家族で飲んだり日に何杯かコーヒーを楽しむ場合、2,3日で飲みきってしまいます。
わたしの場合は1杯で25g使うため、場合によっては1日で飲みきってしまうのです。
中庸なところで、100gの容量は確保して欲しいところです。
6.ローストのムラ
焙煎後の豆を見ると、色むらが目立ちます。つまり容器の外周部と中央部で温度差があり、焙煎度に差が生じてしまうのです。しかしこれは、些細な問題だと捉えています。
本来は数十万円〜数百万円するロースターを、アマチュア向きの家電タイプとして開発してくれたわけです。焙煎ムラ程度で文句をつけると罰が当たる、程度に考えています。
というわけで、今後新製品が出るとしたら、
・焙煎時間を任意に指定できる機能をつけていただきたい
・容量は最低でも100gほしい
…これらが実現されれば、アマチュア用としては完璧だと思います。
とはいえ、繰り返しになりますが、コーヒー豆の焙煎が自宅でできるのは素晴らしいことです。
課題も多い本機種ですが、どれも致命的というほどではありません。
なにより、簡単にコーヒー豆焙煎が楽しめるようになるというのはプライスレスです。
家に閉じこもりがちないまこそ、おすすめしたい一品です。
⇒ライソン ホームロースターLITHON 焙煎機 KLRT-001B
追記:
おいしいコーヒーのためにはコーヒーミル選びや淹れ方もほんとうに重要です。
よろしければ下記もぜひご覧ください。
失敗しがちなコーヒーミルの正しい選び方を解説しています:
※各商品は投稿された時点での情報になります。現在店舗にて取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。
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