今食べたい!残暑の疲れに効果的な「冬瓜」を家庭料理で使うコツ

今食べたい!残暑の疲れに効果的な「冬瓜」を家庭料理で使うコツ
投稿日: 2019年9月30日 更新日: 2019年9月30日
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「冬の瓜」と書く「冬瓜」。冬野菜のような名前ですが、夏から収穫されるれっきとした「夏野菜」です。
冬瓜はアジアの熱帯地方が原産なだけあって、この時期の夏の暑さなどからくる疲れた体に摂りたい栄養が含まれています。
「いま食べないのはもったいない野菜」ながら、馴染みのない方には、少しトライしづらい一面も。

冬瓜の栄養と、調理の際の下処理法。煮物、味噌汁、炒め物と冬瓜を使った家庭料理用のレシピもご紹介します。

夏から摂れる野菜なのに冬瓜のワケ

夏から摂れる野菜なのに冬瓜のワケ

冬瓜は日本には古来中国から伝わった、アジアの熱帯地方が原産のウリ科の植物。

冬瓜という文字で冬野菜のような印象を受けますが、実は「夏からが旬」の野菜です。
その名の語源は、「夏に収穫しても冬までもつ瓜」から「冬瓜」とされ、実際に冬瓜の皮がきめ細やかなので、水分が保たれて、夏に収穫し常温保存しても2~3ヶ月常温保存できる、夏から秋にかけて食べられることが他の野菜にはなかなか無い特徴だったことから、冬瓜となっている夏野菜です。

味は淡泊でも栄養は豊富

冬瓜には様々な栄養があり、厳しい日本の夏を乗り切るために必要な成分がいくつも含まれている嬉しいお野菜です。

昔から冬瓜は「むくみをとったり、熱を下げてくれたりする野菜」といわれています。

残暑の疲れからくる、むくみ対策に!

むくみの原因になりがちなのが、ナトリウム(塩分)の取り過ぎです。水分を抱き込んで体内の細胞に留めてしまうため、それがむくみの要因となります。
カリウムは体内に入って排泄される際にナトリウム(塩分)を伴って体から出ていくため、カリウムが豊富な冬瓜が「むくみをとる」と昔から言われていたのはそのためです。

残暑の時期はまだまだ上手な水分補給も心掛けないとならない季節。
その点、冬瓜は水分が90%の野菜なので、水分をとりつつ、尿量も増やし、体内に溜まったナトリウムを排泄させてくれます。

夏の疲れで体調が落ちると、腎臓の機能も低下してむくみがちになる方には、ぜひ摂ってもらいたいお野菜です。
(炎天下などで過ごされて大量に汗をかいて過ごしている方には、冬瓜は大量に食べるとカリウムが過多で、ナトリウム不足になってしまうため、要注意です。加減しましょう。)

クーラーからくる、冷え性対策に!

残暑の疲れは、屋外など高い気温の中で強い日差しを浴びたり、大量の汗をかいたりする疲れもある半面、クーラーの効いたオフィスや室内に長時間いることで、実は冷え性の方には辛いことも。

冬瓜に含まれているシトルリンには、体内の一酸化窒素(NO)を増やす働きがあるとされています。
シトルシンにより増やされたNOには、血管を柔らかくし、血管を広げる効果がある為、血流がよくなります。それにより血の巡りが悪くなり体温が上がらない場合には体温が上昇し、冷え性が改善されるという効果が期待できます。
また、血の巡りが悪く手先足先だけに血が溜まり暑さを感じている方には、血流が良くなることで手先足先の血が流れ涼しく感じることができます。
冬瓜が「熱を下げてくれる」といわれるのはそのためです。

どうやって食べたらいいの?

どうやって食べたらいいの?

同じウリ科の植物には、キュウリ、スイカ、ゴーヤなどがありますが、冬瓜は、生で食べる胡瓜やスイカとも調理法が少し違いますし、強い苦みを下処理してから使うゴーヤともまた料理法が違います。
中国の宮廷料理や和食の懐石料理などでは昔から食べられますが、手の込んだ特別な料理ではなく、普段の家庭料理の中で使うにはどうしたらよいか、下処理と合わせてご紹介いたします。

まずは下処理

まずは下処理

ワタの部分は切り落とします。ゴーヤのようにワタが苦いということはありませんが、種部分が残っていると、食べた時に口に残り、食感が悪く感じるので取り除きましょう。

野菜の皮はピーラーでむきたくなりますが、冬皮の表面はとても固く厚みがある皮なのでピーラーでは、表面しかむけないこともあります。
包丁を使って、濃い緑の皮がしっかり無くなり、薄い緑の部分が残る程度にむきましょう。

薄い皮の部分には、繊維が残っているので、そのままでは味の染み込みも食感も悪くなります。
斜めに1ミリ程度の深さで交差するように隠し包丁を入れると、味の染み込みも、火の通りも良くなります。

料理用の切り分け方

料理用の切り分け方

切り方はお好みにもよりますが、煮物なら2㎝程度の大き目の角切り(薄い皮目の部分は面取りをすると煮崩れしにくい)が火も通りやすく食べやすい大きさになります。

また煮物の際には、大根のように下茹でが必要になりますが、味噌汁なら太目の短冊切り、炒めなら5~7ミリのいちょう切りにすると「下茹で無し」で手軽に調理することができます。

冬瓜と鶏肉の煮物

冬瓜と鶏肉の煮物

■材料 2人分 【調理時間目安 25分】

・冬瓜   100g(2センチ程度にカット、皮目の部分は面取り)

・鶏胸肉  100g(1/2枚:一口大にカット)

・ぶなしめじ  30g(根本だけ切り捨てておく)

・レンコン   40g(皮をむき、3ミリの薄切り)

・油      少々

▼調味料

・出汁(かつお)  100cc

・さとう   大さじ1/2

・みりん   小さじ1 

・塩     少々   

・醤油    小さじ1/2

■作り方
1.小鍋に水を入れて、冬瓜と蓮根は下茹でする(5分程度)。別の鍋に油を敷き、鶏肉を入れて、中火で表面に焼き色を付ける。

2.下茹でした冬瓜と蓮根を2の鍋に入れ、調味料のさとう、みりん、出汁を入れ、落とし蓋をして中火で煮込む。煮込む際の水分量はひたひた程度が望ましいので、足りない場合は水か出汁を追加して煮込む。(約10分)

3.2の鍋に醤油、塩を加えて味を見てレンコンにも火が通っていること確認したら完成。

□ポイント

冬瓜の煮物は(出来立ての熱いうちも美味しいですが)冷めた冬瓜が出汁をたっぷり含んでトロリとした食感になり、冷蔵庫で冷やした後には絶品煮物になります。
豚肉や牛肉で作ると溶けだした肉の脂が煮汁に浮いてしまったりするのと、冬瓜の淡泊な味を引き出すために鶏肉で作るのがおすすめの煮物です。
薄味で多めの水分の中で落とし蓋をして煮ることで、冬瓜も煮崩れしにくく、味も染み込ませやすくなります。

冬瓜入り味噌汁 

冬瓜入り味噌汁 

■材料(2人分) 【作業時間目安15分】

・冬瓜   50g

・油揚げ  1/2枚

・豆苗   20g

・出汁   200cc

・味噌   小さじ1

■作り方
1.鍋に100ccの水を入れて冬瓜を入れて5分ほど煮て火が通ったら出汁を加えて、沸騰してきたら、油揚げと豆苗を入れひと煮立ちしたら火を止める。

2.味噌を溶いて弱火にかけて沸騰する前に火を止める。

□ポイント

太目の短冊切りにすると、煮えるのにも時間がかかりません。大根の味噌汁を作る要領で冬瓜のお味噌汁を作ると手軽に作れるので、日々食べられます。

豚のソテー 冬瓜の炒め煮添え

豚のソテー 冬瓜の炒め煮添え

■材料 2人分  【作業時間目安 15分】

・生姜焼き用豚肉  4枚

・冬瓜     40g(5~7ミリのいちょう切り)

・ナス     小1本(90g、3ミリの薄切り)

・ミニトマト  3個(半分に切る)

・ぶなしめじ  50g(一口大にカット)

・豆苗     30g(3センチにカット)

・すりおろしにんにく 少々

▼調味料 

・ナンプラー  小さじ1

・ゴマ油    小さじ1

・塩・胡椒   少々

・小麦粉    適量

■作り方
1.フライパンに、冬瓜、ナス、ぶなしめじ、豆苗を重なるように入れて、塩を少々振り、ゴマ油をかけて、出汁を注いでから蓋をして、炒め煮にする。(5分程度)

2.1に火が通ったら、トマト、すりおろしにんにく、ナンプラー、塩を加えて味をみる。

3.豚肉を塩・胡椒して、小麦粉を振って両面に衣を付け、フライパンに薄く油をしいてから並べ、中火で両面ソテーする。

4. 皿に3の豚肉を並べて、2の冬瓜の炒め煮を添えて出来上がり。

□ポイント

薄いいちょう切りにした冬瓜は火の通りも良いので、加熱し過ぎないようにしましょう。味付けも、冬瓜は和食や中華だけとは限りません。ナンプラーなどのアジアンな調味料との相性も良いのでぜひお試しください。

例えばトマト、ナス、胡瓜など夏が旬の野菜には、夏の暑さで火照った体を冷やしてくれる効果がありますが、夏が旬の「冬瓜」に他の夏野菜と同じように「体を冷やしてくれる効果」だけでなく、「冷え性対策」という一見相反する症状なのに、どちらも改善に期待できる栄養があります。
残暑の疲れが出やすいこの時期に嬉しい食材ですね。

コツ・ポイント

特別な野菜と気負わずに、普段の食事に取り入れて、ぜひ召し上がってみてください。特に汁物は手軽で、味噌汁以外にも、豚肉と合わせて洋風スープにしたり、豆乳仕立てのスープにしたり、と様々なバリエーションで楽しめます。

ライター:タスカジさん ふたば



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