結婚を機に、静岡県富士市のアパートで7年ほど暮らしました。物件としては南向きでしたが、リビングが南側に配置されていなかったため昼間でも薄暗い状態。常に電気を付けていました。
北側の部屋は結露も酷かったですね。設置した家具には黒カビが発生し、桐箪笥も一部カビが気になる状況でした。
長男が生まれて手狭になってきたタイミングで、マイホームの購入を考えるようになりました。
【写真】玄関扉の上部にはLEDライトが設置されており、自動で点灯する仕組み。「扉全体が明るくなり、我が家が『おかえりなさい』と言ってくれているような気持ちになります」
現在、実家が建っている場所は、都市計画道路の予定地に入っています。立ち退きが決まれば補償金が出ますので、そのタイミングで実家を建て替えて同居することも考えていました。
私は仕事で公共工事も手掛けているのですが、たまたま都市計画道路の担当者と話す機会があり、実家のあるエリアは「立ち退きの対象となるのは25年ほど先ではないか」とのこと。
思ったよりもだいぶ先でしたので、別に家を建てた方が良いと決断できました。実家は鉄筋コンクリート造のため、解体費用だけで600万円ほど掛かることもネックでしたね。
【写真】リビングダイニングに隣接する畳スペースは、将来の仏間。「私も妻も、どこかに畳の場所が欲しいと思っていましたし、仏壇を置いても違和感がない場所が欲しいと思っていました」現在は五月人形など季節用品の収納として活用しているが、いずれは母屋にある仏壇を移す予定だそう。
実家の離れなら、都市計画道路の予定地に掛かりませんが、とても狭いのでそのまま住むのは難しそうです。こちらは100万円程度で解体できる見込みでしたので、建て直すことを考えました。
建売住宅を購入しようか考えた時期もありましたが、やはり土地代が掛からないことは大きく、敷地内に注文住宅を建てた方がリーズナブルだという結論に達しました。
【写真】外壁には、メンテナンスコストを抑えやすいタイル貼りに。アウトレット品を安く仕入れて貼ったそう。「廃番品なので将来メンテナンスをする際に困る可能性がありますが、『類似商品を使えばいい』と割り切って考えました」アプローチに使用した石畳は、亡きお父様がお気に入りだったものを解体前に全て外し、再設置している。
私は現場監督の仕事をしているため、せっかく注文住宅を建てるなら勤務先で施工したいと考えていました。家事動線などをじっくりと考えながら、納得がいくまで時間を掛けて間取りを考えるには、やはり自社で建てるべきだと感じましたね。
抑えた価格で、耐震+制震の構造を筆頭に、自分たちの意見を存分に反映させつつ、社内の建築担当の監督達の参考意見を聞きながら家づくりができる自社を選びました。
【写真】2階には、約10畳の子ども部屋を設けた。「今後、子どもをもう1人授かったら分割して2つの居室にできるように設計しています」
家づくりの予算は、2,500万円前後で考えていました。合わせて、太陽光発電の売電価格はこれから年々下がっていきますので、今のうちに太陽光パネルを設置したいと考えていました。
売電収入を見込んで前居の家賃プラスアルファ程度なら、住宅ローンの返済に充てられると判断。前居の家賃と光熱費の合計額が、住宅ローンの返済額と同額程度に収まるよう、太陽光設置の担当者に計算してもらってコストコントロールをしています。
【写真】建てられる目一杯のサイズで、極力シンプルに設計したというY邸。「実家がRC造でフラットな屋根形状なのですが、雨漏りに悩まされていました。その経験から、自然に雨が流れる勾配屋根にしたかったことと、太陽光パネルの設置を考慮して屋根をかけました。4.2kw搭載しましたが、設置価格と現在の売電収入を考えると10年程度で元が取れそうです。また10年で売電が終了するのも見据え、10年目以降は蓄電池を設置出来るように空配管も設置してあります」
住宅ローンの借入は、勤務先と取引があったアルヒ株式会社でお願いしました。現在とても金利が低いので、全期間固定金利で借りたかったんです。建築費用2,400万円に対して利息は100万円弱、大満足です!
今後10年間は、住宅ローン減税の恩恵をフルに受けるつもりです。しかし、46歳で20年の住宅ローンを組んでいますから、完済時には66歳。それまで働いていられる自信はありませんので、子育てに掛かる費用を見据えつつ、繰上げ返済も検討したいと思っています。
【写真】玄関ホールには、天井まである収納を設置。家族全員の靴が入る容量を確保している。「40cmの隙間はトイレットペーパーのストックを入れる場所にするなど、空間を細部まで有効に活用しました」
新居は、1階にLDKと畳スペース、水廻り。2階に寝室と子ども部屋、ウォークインクローゼットという間取り。1階はキッチンを中心として、玄関・リビング・畳コーナーのいずれにもアクセスしやすく、子どもを見守りやすい配置にこだわりました。収納の多さも特徴ですね。
現場監督にも様々な提案をしてもらい、何気ないアドバイスの数々がとても参考になりました。「電気を付けなくても明るい家にしたい」という想いが強かったのですが、道路に面した南側だけでなく、東側から入る朝日も心地良い空間を考えてくれました。
【写真】キッチンは夫人がホーローキッチンをチョイス。前面には、手元がリビング側から見えない高さまでカウンターを立ち上げた。壁際には、お子様が宿題などをできるデスクカウンターも造作している。
マイホームが完成し、遊びに来た人は皆「広い!」と驚いてくれます。息子が元気よく遊ぶのに十分なスペースがあり、大きな音を出しても周囲に気を遣う必要もない環境が得られたことが、何よりも良かったです。
引っ越したばかりですが、今のところ不満は見当たりません。強いて挙げるなら、寒さで床が冷たい時があって、「床暖房を設置すれば良かった!」と言うところくらいですかね。早く荷物を片付けて、新居での暮らしを満喫したいですね(笑)。
【写真】5畳もの広さを確保したウォークインクローゼット。「十分な広さだと思っていましたが、タンスを3竿とダンボールを入れたらあっという間に埋まってしまいました(笑)」
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます