パートとアルバイトは、法律的には明確な違いはありません。確かに、パートは、英語の「part-timer」から、アルバイトはドイツ語の「arbeit」から来ているという点は違っています。しかし、どちらも「労働者」という意味を持っているという点では同じなのです。
パートでもアルバイトでも、パートタイム労働法に定められている「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」という文面に該当する場合は、「短時間労働者(パートタイム労働者)」に該当します。
このほか、「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」も、上記の条件に該当する場合は、法律上は、すべて短時間労働者(パートタイム労働者)に含まれます。
逆に、上記の条件に該当しない場合は、たとえ職場でパートやアルバイトの扱いを受けていたとしても、法律上は、パートタイム労働者には該当しないということになります。
法律上の違いはないとしても、多くの企業が便宜上、パートとアルバイトを区別して扱っています。そのため、アルバイトとパートのそれぞれに対するイメージの多くは、社会通念として定着しています。
例えば、アルバイトは、大学生、高校生、専門学校生が対象、パートは、既婚女性が対象で主婦のイメージや、アルバイトはパートよりも、労働時間や雇用期間が短いといったイメージは、世間一般的に幅広く定着しているようです。さらに、アルバイトよりもパートの方が、仕事に対する責任が重くなるというイメージを持っている方も少なくないでしょう。
実際に、アルバイトは学生を対象として、パートは、主婦を対象として、求人しているケースは、数多く存在しています。また、労働時間や雇用期間もアルバイトよりもパートの方が長めに設定されているケースも多々見られます。
厳密には、現実問題としてのパートとアルバイトの違いは、それぞれの企業によって異なるというのが本当のところです。これは、多くの企業が、パートとアルバイトに対して、それぞれ独自に雇用条件に関する明確な違いを設けているためです。業種によって、アルバイトしか募集しないケースや、パートしか募集しないケースも出てきます。
アルバイトとパート、それぞれに定着しているイメージにとらわれすぎると、アルバイト、あるいはパートというだけで、中身を確かめずに、応募を見合わせてしまうことになりやすいです。最初からそうと決めつけずに、一応、業務内容や、労働時間、雇用条件など、求人の中身をよく確認してみましょう。そうすることで、理想の仕事につける可能性をさらに広げることができますよ。
ライター:sion
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