こうした状況で「片づければ何も見えなくなる=見た目のスッキリ」を目指すと失敗します。すべての衣類を毎回ちゃんと畳んで定位置に戻すのは(言うは楽でも)実際とてもハードルが高い。1~4軍がひしめき合うきちきちの空間ではなおさらです。
こだわるべきは「できるだけストレスなく普段の出し入れができる=しくみのスッキリ」。がんばらなくても片づく空間づくりを目指しましょう。そういうクローゼット収納は家族も片づけに巻き込みやすい。快適に使えるうえに家事のシェアも進んで一石二鳥なのです。
収納が苦手な人ほど、衣類の管理を何重にも難しくしています。まずは場所。洗濯後にこんな現象が見られませんか……?
・戻す場所がバラバラで、把握してる人しか戻せない
・寝ている子どもを起こしたくなくて戻せない
・戻さず仮の置き場所から直接取って着替える方が楽
これらは戻す動線に無理があって起こること。一軍衣類の定位置は自分と家族の今の生活に合わせてもっともっと柔軟に作り替えられるはずです。
・たたむ場所からいちばん近い押入れを一軍衣類のクローゼットにする
・既存のクローゼット収納の手前に一軍衣類の収納環境を増設する
・予備の部屋をクローゼットルームにして、すべての衣類を一括で収納する
確かに配置の入れ替えにはそれなりの労力が伴います。一方、生活動線を無視して作ったしくみはもろく、キープするエネルギーが後々まで必要になります。あなたはどちらを望みますか……?
人は本当に正直です。出し入れの動作に少しでも不便を感じると、その作業はおっくうになり収納ルールが守られなくなります。ダメなのはあなたではなく、動作にストレスのかかる収納環境です。
・合わないサイズの引出し収納のを重ねたせいで天井がたわんで開け閉めしにくい
・部屋の扉を開け、クローゼットの扉を開け、引出しを開けないと戻せない
開け閉めがスムーズで、少ないステップでしまえる環境に変えましょう。こんな方法もひとつです。
・扉つきのクローゼットなら、中はオープン棚とカゴにして放り込むだけにする
・引出し収納はそのままにして、クローゼットの扉を外してしまう
カラフルなプラスチックハンガー、クリーニング店の針金ハンガー、立派な木製ハンガー……など、いろんな種類がごちゃ混ぜになっているクローゼットをよく見かけます。
見た目がスッキリしにくいのはもちろん、そういうクローゼットは「何もかかっていないハンガーに気づきにくい」という傾向があります。あなたのクローゼットはどうでしょうか。まず空のハンガーがあれば、すべて抜いてみましょう。それだけで意外にスペースに余裕ができるものです。
プラ製・木製ハンガーは厚みがあるものが多く、本数が多いとそれだけでスペースを取ります。針金製のものは厚みこそないけれど、ハンガーどうしがからまりやすい、重みで変形しやすい、衣類がずり落ちやすいなどのデメリットが多く普段使いには向いていません。
ハンガーを、機能的な省スペースのものに思いきって入れ替えてみると、衣類の量が同じでも使い勝手がぐんと良くなります。
捨てる捨てないに囚われ過ぎず、まずは簡単なところから一歩踏み出してみてください。配置、環境、道具の3つの観点から見直すことで、ぐっと作業がしやすくなり、リバウンドをしにくい収納ができますよ。
ライター:sea(しー)http://taskaji.jp/user/profile/2551
コメント
全て既読にする
コメントがあるとここに表示されます