彼は何かを期待したり、欲しがったりするのではなく、
ただ単に、お辞儀という「行為」を楽しんでいるのです。
幼児は皆、「行為者」という自我が不在で、
「行為」自体を純粋に楽しみます。
彼らは「純粋な意識」に一番近い存在であると言えるでしょう。
しかし残念なことに、人間は成長する過程において、
「純粋な意識」に自我というヴェールをかけていきます。
そして「純粋な意識」を覆い隠し、
外側に幸せを求めるようになるのですが、
その望みはかないません。
なぜなら、私たち人間の至福とは、
ヴェールに覆い隠された内面の「純粋な意識」だからです。
私は孫に対して、「何が正しいとか、何が間違っている!」
というようなことは言えません・・・・・
もちろんママは、
「これはダメ! あれはダメ!」と躾をしていますが(笑)。
彼の純粋な眼差しは、私の身体を突き抜け、
その背後にある深淵な叡智を眺めているようです・・・・・
「今、この瞬間、孫は私の教師です!」
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