梅のエキスが溶けだした梅酒には、クエン酸が豊富に含まれています。
クエン酸といえば疲労回復に効果がある栄養成分です。疲れの原因である「乳酸」を分解してエネルギーに変換し、疲れにくい体作りをサポートしてくれます。
他にもクエン酸は血液をサラサラにし、食欲増進や成人病予防にも効果的。
脂肪の燃焼を促すので、実はダイエットにもおすすめのお酒です。
冷えやすい体質に悩む人にも梅酒はぴったり。血行促進の効果があり、冷え性改善につながります。
では、いったい梅酒にはどのくらいのクエン酸が含まれているのでしょうか。
なんと梅酒に含まれるクエン酸の量はレモンの15倍にものぼります。さらに驚くことには、梅干をそのまま食べた時よりも、6倍近い量のクエン酸を摂取することができるのです。
すっぱいものや梅干しが苦手な人はぜひ梅酒を試してみてください。
また梅酒には「ピクリン酸」という成分が含まれています。この成分は胃腸を刺激し、活発な運動を促す働きがあります。便通を助けるので便秘に悩む女性の強い味方です。
さらに、日本人が不足しがちなミネラルとカルシウムも摂取することができます。
梅酒の歴史は古く、江戸時代の文献ではすでにその名前が認められるといいます。ただし、当時は砂糖が貴重でとても高価なものでした。一般人にはなかなか手が出せない高級品だったそうです。
当時はいわゆる「薬用酒」として民間療法に使用されていました。腹痛や下痢、喉の痛み、やけどや打撲を治療するために梅酒が活躍していたそうです。
昔の人たちはすでに梅が持つ殺菌成分やクエン酸、ピクリン酸がもたらす効果に注目し、賢く付き合っていたというわけです。
効果を得るためには、毎日適量を飲み続けることが大切です。
梅酒にはアロマテラピー効果もあります。仕事が終わった後や、気分転換したい時に飲めば、心も体もリラックスすることができますよ。
梅酒はおいしく楽しみながら体も心も健康になれる魔法のようなお酒です。
江戸時代とは違い、今は気軽に梅酒を買うことができる時代です。疲れや夏バテ知らずの元気な体を手に入れましょう。
【料理研究家】オガワチエコ
ル・コルドン・ブルー等で料理と製菓を学んだ後、和、伊、エスニック、仏菓子それぞれの専門店で調理技術を習得。著書に『彼の家に作りに行きたい!純愛ごはん』(セブン&アイ出版)。道具も、調味料もないカレの家でいかに間単に失敗なく美味しい料理を振舞うかに特化したレシピ本になっている。NO.054
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