「魔法のケーキ」とは、昨年秋冬頃から大流行したフランスでは「Le gâteau magique(ガトーマジック)」という名前で呼ばれています。
で、なんで「魔法のケーキ」と言われているかというと、材料をすべて混ぜて焼いただけなのに、一番下は、フランという、心地よいしなやかさがあるフランスの庶民的なお菓子、真ん中はとろりとした濃厚なカスタードクリーム、一番上はふわふわのスポンジの3層になっているからなんです。
それぞれの層を個別に作って、あとから重ねるわけではなく、1つの生地を焼けば、自然と3層になる、正しく“魔法”のようなケーキを作るには2つのポイントがありました。
①卵黄生地とメレンゲの混ぜ方
②低温・長時間で湯せん焼きすること
です。
では早速作ってみましょう!
<材料>(直径15cm丸型1台分)
卵黄生地
卵黄・・・2個分
砂糖・・・40g
バター・・・60g
薄力粉・・・50g
牛乳・・・250ml
バニラエッセンス・・・適量
メレンゲ
卵白・・・2個分
砂糖・・・20g
ご覧のように、魔法のケーキには何も特別な物は使いません!とってもシンプルな材料です。
実際に作り出す前に、まず下準備をしておきたいことがいくつかあります。
・卵は卵黄と卵白に分け、卵白は使うまで冷蔵室に入れておきます。
・バターは湯せんで溶かし、常温に冷ましておきます。
・薄力粉はふるっておきます。
・型にオーブンシートを敷いておきます。
・バット(型よりひと回り大きいタルト型などでも可)にペーパータオルを2枚敷き、オーブンの天板にのせておきます。
なお、今回はひと回り大きいタルト型を使いました。
1.卵黄生地を作ります。
ボールに卵黄と砂糖を入れ、泡立て器で全体が白っぽくなるまで、すり混ぜます。
2.1に溶かしたバターを加えて、全体が完全になじむように混ぜます。
バターが生地になじめばOKです。
3.2にふるった薄力粉を加え、生地につやが出るまで混ぜます。
生地を持ち上げた時に、ゆっくり落ちてしばらく形が残っていればOK!
4.3に牛乳の1/4量を加えて混ぜ、生地になじませます。その後、残りの牛乳も加えて、さらに全体をよくなじませます。そして、バニラエッセンスをふり入れます。
せっかくまとまりかけていた生地が、しゃばしゃばになっても気にしません!
5.メレンゲを作ります。
ボールに卵白を入れ、ハンドミキサーの低速で30秒ほどほぐし、砂糖1/2量を加えて、高速で30秒ほど泡立てます。残りの砂糖も加えて30秒泡立て、低速でさらに1分ほど泡立て、キメを整えます。
持ち上げると、しっかりしたつのが立ちました。これくらいの固さにします。
6.すぐに4の卵黄生地に5のメレンゲを加え、泡立て器でボールの底から生地をすくい上げるように6回ほど混ぜ合わせます。そして、表面に浮いているメレンゲを泡立て器の先で混ぜてほぐします。
魔法ケーキのポイント①で紹介したように、くれぐれも卵黄生地とメレンゲは混ぜすぎないようにしましょう!
泡立て器の先端で、表面のメレンゲをなでるようにして細かくします。
7.型に6を流し入れ、ゴムベラなどの先端で表面を平らにします。
この時に、液体が下に、メレンゲが表面に浮いてくることになります。
8.タルト型に7をのせ、80℃ほどのお湯をタルト型の深さ2cmくらいまで注ぎ入れます。そして、150℃に予熱しておいたオーブンの下段に入れ、35分ほど焼きます。
ポイント②で紹介したように、150℃の低温でじっくり「湯せん焼き」します。
9.焼き上がったら、竹串を生地の縁から中心に向かって斜めに刺し、とろっとしたクリーム状のものがつけばOKです。
もしまだ液体に近い状態なら、さらに5分ずつ焼いて様子を見て下さい。
10.9の粗熱がとれたら、ラップをして冷蔵室に2時間以上入れて冷やせば完成です!
さぁ、ちゃんと3層になっているのか、ドキドキしながら切ってみると・・・
写真では少し分かりにくいかもしれませんが、下からフラン、カスタードクリーム、スポンジになんとかなっていました〜☆切ってみるまで上手く出来たかわからないのは、かなりの緊張感です^^;
いざ、食べてみると、見た目以上に層がきっちり分かれていて、口の中でフワフワ、トロ〜り、モチモチが実感できました。味は素朴な優しい甘さで、ほっこり幸せ気分になれますよ。今まで体験したことがないケーキで、フランスで人気が出たのも納得です!
最初作る時は、本当に3層に出来るのかが不安でしたが、いつもの道具、いつもの材料で難しい工程もなく、しっかり「魔法のケーキ」が出来ました。
名前からもインパクトがありますが、見た目も期待を裏切らないので、ぜひこれから人が集まることが多い時期に、この「魔法のケーキ」を出してみんなを驚かせてみてはいかがでしょうか?
前述しましたが、卵黄生地とメレンゲをしっかり混ぜすぎると、単なるフワフワのスポンジケーキになってしまいます。あまり混ぜすぎないことで、型に入れた際に液体とメレンゲが分かれやすくします。
また、焼く温度も通常のケーキのような高温で焼いてしまうと、すべてがしっかり焼けてしまうので、低温でじっくりが重要です。冷蔵庫でたっぷり冷やすと、中のクリーム部分が冷たくなってさらに美味しいですよ。
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