ハボタンは冬の庭を彩る美しい植物で、日当たりの良い場所を好みます。北風や強い霜には注意しましょう。土壌は水はけが良く、有機質に富んだものが適しています。ハボタンは中性から弱酸性の土壌を好むため、酸性度が高い土壌だと成長が妨げられます。庭植えの場合は、苦土石灰などで土壌を中和しておくと良いでしょう。鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使用するのが手軽です。
水やりは、庭植えの場合は、植え付け時にたっぷりと水を与えます。その後は土の表面が乾いているときや、ハボタンの葉がしおれて元気のないときが水やりのサインです。鉢植えの場合は鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます。
肥料は5月から9月にかけて緩効性肥料を施し、10月上旬には液体肥料を与えます。それ以降は肥料のバランスが崩れると色づきが悪くなることがあるので、10月下旬からは肥料を控えめにします。
ハボタンは7月から8月に庭やトレイに種をまきます。発芽して苗になったら、約3週間後にポットに移し、さらに1か月後に庭や大きな鉢に植え替えます。最初からポットに種をまくと、移植の手間が省け、根のダメージも少なくなりますが、スペースを取ります。ハボタンは寒さに当たることで発色するので、室内や温室ではなく、屋外で育てることをおすすめします。花茎が伸びた後の4月頃にハボタンの剪定を行います。下葉を5~10枚ほど残してコンパクトに切り戻しましょう
ハボタンにはさまざまな種類と特徴があります。丸葉系のハボタンは、葉がキャベツのように丸く滑らかな形状です。代表的な品種には「東京丸葉系」や「大阪丸葉系」があり、寒さに強く栽培しやすいです。ちりめん系は、葉に細かい縮れがあり、フリルのような見た目です。名古屋で作られた「名古屋ちりめん系」が代表的です。さらに、葉の切込みが深い「さんご系」もあります。これはロシア産のケールと交配して作られたもので、代表的な品種には「紅孔雀」や「白さんご」があります。草丈が70cmから90cmほどに成長しある高性種もあります。これは、花束として利用されることが多いです。ハボタンの色は、白、ピンク、紫、黒など多様で、特にブラック系はシックで大人な雰囲気を作り出し、人気があります。
ハボタンはキャベツの仲間であるため、特定の病気や害虫からの被害があります。特にアブラムシやアオムシ、ヨトウムシなどの害虫が発生しやすいので、定期的に葉をチェックし、見つけ次第取り除くことが大切です。これらの害虫は葉を食害して植物の健康や見た目を損なうため、注意が必要です。あらかじめ殺虫剤で予防しておくことも重要です。その他にも、黒腐病、萎黄病、菌核病、苗立枯病などの病気も発生することがあります。風通しを良くし、肥料を適量に保つことが予防につながります。過剰な肥料は病気に対する抵抗力を低下させる原因の一つでもあります。被害を受けた株や葉は、他の植物に病気が広がらないように、焼却するか土中深く埋めてください。また、排水を良好に保ち湿気を避けることも大切です。
ハボタンは、11月から3月にかけて鮮やかな色合いを見せます。冬の花が少ない季節だからこそ、色とりどりのハボタンの葉が一層目を引きます。春が近づくと、中心の葉が盛り上がり、3月から4月頃にかけて菜の花のような黄色い花を咲かせます。その黄色い花の中に種子ができるので、次のシーズンに向けて種を収穫することもできます。紅白の葉はお正月や冬の象徴として親しまれていますが、春になると黄色い花が咲くことで、一気に春の訪れを感じさせてくれます。ハボタンのこの変化は、季節の移り変わりを楽しむ素敵なポイントです。冬の間に楽しんだ紅白の葉が、春には明るい黄色の花を咲かせることで、お庭に新たな生命力をもたらしてくれます。
「祝福」、「物事に動じない」、「利益」、「慈愛」「愛を包む」。
Q.ハボタンは花なの?
A.ハボタンは、厳密には花ではなく、キャベツやケールの仲間であるアブラナ科の植物です。観賞用に改良されたもので、葉が牡丹のように見えることから「ハボタン」と呼ばれています。
Q.ハボタンは何故お正月に飾られる?
A.冬でも鮮やかな色を保ち、色合いや花言葉の意味から縁起が良いとされ、古くから日本の正月飾りとして親しまれています。紅白色のハボタンはまるで晴れやかな姿で新年の訪れを祝福するかのようです。
Q.ハボタンの歴史は長いの?
A.日本には鎌倉時代中期に渡来したと言われています。現在のように観賞用として栽培されるようになったのは江戸時代中期で、園芸ブームによって品種改良が進みました。
ハボタンは「花キャベツ」とも呼ばれるように、花ではなくキャベツの仲間です。色彩が少ない季節に明るい葉の色で元気を与えてくれる貴重な植物です。さまざまな品種があり、色も豊富なので、お好みに合ったハボタンを探してみるのが良いでしょう。また、寄せ植えとしても相性が良いので、他の植物と組み合わせて楽しむこともできます。
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