物語は、豪華絢爛なパーティーで始まり、ヘラパレスという超高層マンションでの出来事を中心に展開します。
富裕層だけが住むこの場所では、成功した人生を歩んでいるように見えますが、1人の少女の死をきっかけに、各キャラクターが抱える問題が明らかになります。
物語は、韓国の格差社会を主題に、富裕層と庶民の間だけでなく、富裕層内部の階級や受験戦争といった社会問題も描きます。
頂上を目指す人々の欲望や熾烈な戦が繰り広げられます。
ペントハウスはシリーズ化していて、シーズン1、シーズン2、そしてシーズン3で完結します。
シリーズ全体を通して、登場人物たちの愛着が深まり、激動の展開やぶっ飛んだシーンも満載です。特にシーズン3では、チュ・ダンテの背景や心情が丁寧に描かれ、視聴者に同情を呼び起こします。
チュ・ダンテの生い立ちにまつわる物語は、貧困問題や格差社会などの社会課題をテーマにしているようにも思えます。
彼のキャラクターには心が揺さぶられる部分もあり、物語を通して貧困や格差社会からの這い上がりの難しさを感じることができます。チュ・ダンテの行動を見ると、彼の生きざまは雑草が生き抜く力強い姿とも重なります。
チュ・ダンテと匹敵するほどの悪女、それがチョン・ソジンです。チュ・ダンテ同様、ナルシシズム、マキャベリズム、およびサディズムというダークトライアドの特性を彼女も多く持ち合わせていますよ。
彼女は自己中心的な考えを持ち、自分の為や大切に思う娘の為なら、人を傷つけることに抵抗感がなく、権力や成功を追求しています。
彼女は罪深い人物であり、シーズン3でもその悪女ぶりがますますヒートアップしています。
思い通りにならなかったり、プライドを傷つけられる嫌な事を言われると、魔界人並みの形相をして、ヒステリックにわめき散らします。
その表情や行動から人の負の感情の恐ろしさをリアルに感じることができます。まさに、チュ・ダンテ同様に、魔界人並み、毒草、猛毒花のように、恐ろしいんです。
「ペントハウス」は、視聴者を一気に引き込み、ストーリーの世界に没入させます。その演技は、単なる演技以上に、視聴者がドラマの中に自分自身を置いてしまうほどの迫力を持っています。
この悪女の振る舞いによって、視聴者は負の感情が湧き上がることもありますが、ドラマは単なるドロドロの地獄絵図にとどまらず、多様なストーリーが絡み合いながら展開され、テンポよく進んでいきます。
日常で味わえない、その感情の揺さぶりが、日常生活に刺激を与え、視聴者を楽しませてくれることでしょう。
カン・マリさん関連の話は、クスッと笑える面白さも提供してくれます。彼女はヘラパレスに住みながら、ただ優雅な暮らしをしているわけではなく、韓国あかすりの仕事に汗を流しています。
彼女は世渡りが上手で、自分がこれぞと思う相手を立てて、かわいがってもらうことに長けています。
画像は、ヘラパレス住人のカン・マリさんです。この方、最終話まで出てくるんですよ。
彼女はシーズン1のストーリーの中で、ミン・ソラ事件の際に、悪事に手を貸すこともあったのですが、正義感も強い愛情深い人柄でもあるんです。そういう性格と、仕事中のある事柄が重なった結果、とても頼もしい存在を後ろ盾にすることができるんです。
誰に言われたわけでもないのですが、暗黙の了解で、ヘラパレスは、上階に住むほど、権力やお金があるとされているんです。
へラパレスの奥様達のお茶目な階級争いのバトルシーン他、彼女の愛嬌も相まって、憎めない存在であり、視聴者は彼女に好意を持つかもしれませんね。
面白い話も交えているので、メンタルが鋼級でなくても、見続けられると思います。
学校の先生も、個性豊かで面白いんです。この方は誰とはネタバレになるので言えませんが、変装をしていて、先生の中にわざと潜り込んでいるんです。
わざと自分とは違うキャラクターを演じていますよ。個性的で、クスっと笑えるシーンもあって、疲れた精神をほぐしてくれる存在?にもなっているかも。
過酷な環境で生き残りをかけて、先生もしたたかに生き抜いている姿が描かれています。こんなしたたかな人もいるんだな、と人間観察をする立場で観られるので、なんだか面白いです。
過酷な状況下では、人々は生き延びるために自らの生き方や個性を環境に適応させます。この先生の態度はあからさますぎるかもしれないですが、それもまた一種の適応の形なのかもしれませんね。
似顔絵を描く際は、個性を大げさに誇張して描きますが、まさに、この先生のキャラクターも似顔絵のように大げさで、分かりやすく面白いです。
シーズン3では、子供たちも変わってきますよ。成長していきます!
シーズンの終盤になると、チュ・ダンテの子供とされていた、息子のソクフンとその妹のソッキョンは、意地悪ではない精神的に自立した人として成長します。
チュ・ダンテの息子のソクフンは、父親に対抗するような強さやしたたかを持つようになります。視聴者は、イケメンで言葉数少ない中に、強さと優しさを秘めたソクフンに好感を持つかもしれません。
ソクフンの妹として登場していたソッキョンも、物語の終盤に、昔はしなかったような行動をするんです。
それは、アルバイト中に出会ったホームレスに焼肉を提供し、自腹で酒を奢る場面なのですが、このホームレスがチュ・ダンテに似ており、非常に意味深いシーンのように思えます。
チュ・ダンテがチュ・ダンテという名でない頃、彼は、非常に貧しく、母を含む3人暮らしをしていました。
彼の少年時代に直面した辛さ・屈辱感は、計り知れず酷いものとして描かれています。彼の少年時代に、悪の心を芽吹かせた張本人は、罪深い大人達でもあることも描かれていて、そんな社会にきっと、視聴者は腹立だしさを感じるはずです。
彼がそのまま貧困の中で這い上がることなく育っていれば、焼肉を食べているホームレスのようになってしまったかもしれませんね。
チュ・ダンテは希望を踏みにじられても、母の教えを心に刻み、悪人ながらも愛する人のために野望を持ち、夢を実現したのですが、その実現までの過程は地獄に落ちるような悪行でした。
天罰が下るように、彼は、誤って自分が最も愛する人を、自らの手で殺めることにもなります。
彼の過去の子供の頃の屈辱的な辛い過去の回想シーンには、心が揺さぶられ、本当に悲しい気持ちになりました。物語には深いテーマが盛り込まれており、考えさせられる部分がありますね。
幼い彼が住んでいた場所にも注目してほしいです!
ハ・ユンチョルとチョン・ソジン、オ・ユニの関係はどうなるのか?
ハ・ユンチョルは過去に好意を寄せていたユ・オニがずっと心の中に残っていたことが明らかになります。彼は、オ・ユニを愛していながら、チョン・ソジンの誘惑になびき、権力や金に魅了されてしまい、結果的にユ・オニとの関係を終わらせることになっていたんです。ハ・ユンチョルの葛藤や内面の複雑さが感じられ、視聴者は、なんともいえない気分になるのではないでしょうか。
悪女感たっぷりのチョン・ソジンのキャラクターは、実は愛に飢え、愛されたいという欲求を持つ人物として描かれます。
彼女が狂気じみた悪女である一方で、時折彼女にも哀れな面や、気の毒な姿が見受けられるシーンがストーリーの中で描かれています。
ハ・ユンチョルとチョン・ソジンは、他の登場人物同様に、子供のことをとても大切に思っている親なんですね。
彼らは自分の命よりも、娘のハ・ウンビョルを大切に思っているのではないかと思うようなシーンが盛り込まれており、それは涙を誘います。
ハ・ユンチョルが娘に最後の別れを告げるシーンや、悪女のチョン・ソジンも娘と別れるシーンは、とても重苦しい気持ちになり心を揺さぶられました。彼らの親としての愛情や優しさが、物語の中で深く描かれています。
しかし、娘にとっては、特に、チョン・ソジンは毒親であり、反面教師にすべき人なのかもしれません。
シーズン2でローガン・リーが物語から退場することになり、大好きな登場人物だったので、心が折れそうになりました。しかし、シーズン3で再び登場して、とっても嬉しかったです。
シム・スリョンさんとローガン・リーさんは、結婚して幸せになって欲しかったですね。視聴者もきっと彼らを応援していたのではないでしょうか?
私もお二人を応援していました。このお二人が物語の最終話において重要な要素として描かれることに、とても満足です。
シム・スリョンは、最後のかたをつける為に、発砲したりもするんです。色々語りつくせないほどの事があるんです。
最終話あたりの彼女の心境は、自分のせいで大切な人が数人亡くなってしまっていたことに心を痛めているんです。ローガン・リーさんを愛していたんですが、彼女なりのある考えがあったんだと後で分かります。
実は、スリョンさん、亡くなるんです。しかもなくなり方が衝撃的ー!
奇跡や夢の実現を象徴するモチーフとしてブルーローズが使われていたりします。
ありえれば良かったとされる時間がとても素敵に描かれていて、より深い悲しみが心を襲いましたよ。
一番最後の大切なシーンは、ぜひ、まだ視聴していない方に見て欲しいので、ネタバレは控えます。
物語の結末のその後に、夢なのか、現実なのか、またはどちらでもないのか?という、不思議なシーンがあるんです。これは、視聴者の解釈に委ねられています。
年齢に関係なく、感情に訴える物語は誰もが心に響くものだと思います。いい年して、なんだかウルウルしてしまいましたよ。
実は、1月に韓国映画を見まくっていまして(ハマってました(笑!))
といっても、韓国映画視聴歴はすごく浅いんですよ。見始めて、凄く面白くて韓国映画が好きになっていたんです。
ペントハウスは、少し見始めただけだったので、気になっていたんです。本当、最終話まで見られて良かったです。嬉しかったです。ありがとうございました!
凄く心に響く物語でした。スケールも大きくて、別世界に連れ去ってくれますよ。興味があれば、ぜひ鑑賞してみてください!
『ペントハウス』の制作陣が手掛けた韓国ドラマ『7人の脱出』シーズン1全話を視聴したレビューはこちら!
•あ~あ、もっと観たかったけど終わっちゃった。このドラマに魅入られて、寝不足でフラフラになってしまいました。中毒性がありますので、健康に自信のない方はご注意を(笑)!
次がどうなるかのワクワク感が忘れられず、もう見られない喪失感でいっぱいです。最終話の終わり方も素敵で心に残る作品となりました。
•最終話の終わり方を思い返すと、ついウルウルしてしまいます!シム・スリョンさんとローガン・リーさんに、夢が叶って良かったね!と、ブルーローズの花束を捧げたい気持ちが湧いています。私は、一番このお二人が好きだったんです。
お二人は、赤い糸で結ばれていて、これからずーっと一緒にいられるってって、信じたいです。
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