プレスリリース
「乳がんの治療を、医師に“任せる”から、“共に考え決める”時代へ。」 多遺伝子検査が治療選択に果たす役割と、対話がもたらす納得 調査から見えた安心して治療に臨むための課題と可能性
エグザクトサイエンス株式会社
2026.03.11
エグザクトサイエンス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:ステファン・ペレ)と株式会社リサ・サーナ(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:上田暢子)は、乳がん治療に関する理解、説明の受け方、および多遺伝子検査(注1)の認知・活用実態を明らかにし、治療選択のプロセスにおける課題と可能性を明確にすることを目的に、乳がん患者さんを対象とした意識調査を実施しました。本調査は2025年7月9日~7月12日にかけて実施され、乳がんの多遺伝子検査が保険適用となった2023年9月以降に乳がんと診断された全国の患者さん360名(男性7名含む)を対象としています。
近年、乳がん治療の選択肢が広がる一方で、「自分はどの治療を選ぶべきか」を判断することに迷いや不安を抱える患者さんは少なくありません。治療が個々のがんの性質に基づいて決まる時代において、患者さんが情報をどう理解し、医師とどのように話し合えているかが、ますます重要となっています。
このような背景を踏まえ実施した本調査結果では、乳がん治療における患者さんの高い情報ニーズと、「納得して選びたい」という強い想いが改めて浮き彫りとなりました。一方で、医療現場における情報提供の機会や、医師との信頼関係のもとでご自身に適した治療を共に考えるSDM(共同意思決定)のさらなる推進が、今後の重要な課題として示されています。
調査では、患者さんの約半数(44.4%)が「がんの性質によって治療法が変わることを知らなかった」と回答。また、3人に2人(65.6%)が「最も避けたい治療は化学療法」と感じており、治療選択における迷いや不安の大きさがうかがえます。このような状況下で、治療選択に客観的な根拠をもたらす多遺伝子検査は、患者さんの「納得して治療を選びたい」という強い想いに応えうる手段として認識されています。多遺伝子検査について聞いたことがある患者さんの半数以上が、この検査の目的を「ホルモン療法に加えて化学療法の上乗せ効果が期待できるかを予測する検査」、「乳がんの再発リスクを予測する検査」、「患者一人ひとりに適した治療方針を選ぶのに役立つ検査」として理解していました。そして、全体の8割以上が多遺伝子検査について認知しており、実際に検査を受けた患者さんの98.7%が「受けてよかった」と回答し、検査が“納得感”をもたらしていることがわかりました。検査を受けた理由としては、「客観的な数字をもとに自分にあった治療を考えたかった」(48.8%)や「化学療法を受けるかどうか迷った」(34.1%)が上位に挙げられています。一方で、多遺伝子検査対象者(165名)のうち、実際に検査を受けたのは48.5%とおよそ半数にとどまりました。検査を受けなかった75名のうち、その決定に影響を与えたのは、45.3%が「医師からの説明がなかった」、16.0%が「治療方針について決めていた」ことを理由に挙げています。この結果は、治療選択の客観的な根拠を “伝える機会”がなければ患者さんの安心や納得にはつながらないという現実を示唆しています。
本発表は、当社の活動をステークホルダーの皆様に報告することを目的としており、医療機器等の宣伝・広告、または医学的なアドバイスを目的とするものではありません。
※特記のない数値は、乳がん患者360名(男性7名含む)の回答結果に基づきます。
【調査結果ハイライト】
1. 乳がん検診およびブレスト・アウェアネス(注2)による早期発見の重要性
- 定期的に乳がん検診を受けている人は、不定期または受けたことがない人に比べ乳がん検診で乳がんが発見される割合が高く(60.5% vs 28.7%)、より低いステージ(0期とI期)で発見される傾向がありました。なお、ステージIVと診断された方はいませんでした。
- 乳房の状態を意識する生活習慣を意味する「ブレスト・アウェアネス」の認知度は低く、実践する人も多くはありませんが、2年に一度の乳がん検診とブレスト・アウェアネスを組み合わせ、日頃から意識することでより早期に発見できる可能性があります。
2. 乳がん患者さんの治療に対する不安や懸念
- 乳がん診断時点で、約半数(44.4%)の患者さんが「がんの性質やステージによって治療法が変わることを全く知らなかった」と回答しました。診断直後は、治療に関する具体的なイメージを持てていない患者さんが多いことがわかりました。
- また、約3人に2人(65.6%)の患者さんが「最も避けたい治療は化学療法」と感じており、治療に対する不安や懸念の存在が浮き彫りになりました。
3. 診断後の乳がん患者さんの高い情報探索意欲と、情報提供機会の重要性
- 乳がん患者さんの82.5%が多遺伝子検査を認知しており、患者さん自身が積極的に検査や治療に関する情報を求めている実態が明らかになりました。
- 多遺伝子検査については、「化学療法の上乗せ効果が得られるかを予測する検査」(63.1%) や「乳がんの再発リスクを予測する検査」(55.7%)と捉えている人が多く、治療方針を検討するうえで役立つ検査として一定の理解が広がっていることがうかがえました。
- 多遺伝子検査を知るきっかけとして最も多かったのは、患者会に加え、インスタグラムやXなどのSNS上で乳がん経験者が情報を発信する「患者コミュニティ」(41.5%、119名)からの情報でした。
- 「BRCA遺伝子検査(注3)」との混同は9.1%(28名)と少なく、異なるサブタイプとの混同は9.1%(9名)にとどまり、多遺伝子検査に対する理解度は比較的高いことがわかりました。
- しかし、多遺伝子検査対象(注4)165名のうち、実際に検査を受けたのは48.5%と、およそ半数にとどまりました。一方、検査を受けなかった75名のうち、約半数(45.3%、34名)が「医師からの説明や紹介の機会がなかった」と回答しており、医療従事者による情報提供の重要性が浮き彫りになりました。
4. 治療への「納得」と「安心」
- 患者さんが多遺伝子検査を受けた主な理由として「客観的な数値をもとに自分に合った治療を考えたかったから」(48.8%)が最も多く、次いで「化学療法を受けるかどうか迷っていたから」(34.1%)が挙げられました。
- 検査結果を受け取った患者さんのほぼ全員(98.7%、75名)が、検査を受けて「とてもよかった」または「よかった」と回答し、多遺伝子検査に対する高い満足度が示されました。
- この設問の自由回答欄には「自分の再発リスクや抗がん剤の効果予測を知ることができたので納得して治療に臨めた」、「抗がん剤を受けない選択ができた」などのコメントが挙げられ、患者さんが「納得」と「安心」をもって治療方針を選択したいと考えていることが明確に示されています。
5. 個別化医療とSDM(共同意思決定)のさらなる深化に向けて
- 多遺伝子検査の結果、「化学療法の上乗せ効果が小さく、実施が推奨されなかった」とされた患者さんのうち、25.0%では経口とはいえ化学療法が実施されていたことが確認されました。
- 今回の調査結果は、多遺伝子検査で得られる情報を最大限に活用し、患者さんと先生が十分に話し合ったうえで、納得し安心して最適な治療を選択するSDMをさらに深めていくことの重要性を示しています。
【聖路加国際病院 乳腺外科部長 吉田 敦 先生によるコメント】
- 今回の調査結果は全般的に、実臨床での感覚と一致した納得いくものであった。
- 特に、多遺伝子検査の結果を踏まえて、不要な化学療法を少なくできることの意義は非常に大きいと考えられ、患者さんにとって不要な化学療法を安心して省略できる有用なツールである。また、再発スコアが高い場合には、化学療法の説明がしやすく、化学療法が必要な患者に前向きに治療を受けてもらうことにも繋がっている。
- 一方で、乳腺外科がない・乳腺専門医がいない病院では、多遺伝子検査について説明すらされていない状況もあること、また開発コストについて理解はできるものの、保険診療の3割負担で約13万円という費用負担は患者さんにとってやはり大きいことは課題である。
エグザクトサイエンスは、患者さんにとって最先端のがん診断検査をより身近なものとし、早期発見から治療選択までのあらゆる段階で「納得」と「安心」をもって治療に臨んでいただける医療の実現に貢献することを目指しています。今回の調査結果を踏まえ、ご協力いただいた株式会社リサ・サーナさまをはじめ、患者団体の皆さまと連携をより強化し、「患者さんの声」と科学的根拠を両軸に、治療選択の迷いや負担を少しでも軽減し、患者さんの生活に意義ある変化をもたらすため、これからも努めてまいります。
また、適切な情報にアクセスできる環境を広げることは、患者さんが自分に合った治療を納得して選択し、検診や予防に積極的に参加していくうえでも重要です。エグザクトサイエンスは、より良い情報提供を通じて、患者さんが安心して医療と向き合える社会の実現にも貢献してまいります。
【調査結果概要】
1) 乳がん患者さん360名(男性7名を含む)のうち、自身で乳がんを発見したと回答した人は53.3%(192名)にのぼりました。

2) 本調査において、乳がん検診を定期的に受けていた人は、不定期に受けたことがある人に比べ乳がん検診で乳がんが発見される割合が高く(60.5% vs 28.7%)、より低いステージ(0期とI期)で発見される傾向がありました。

3) 乳房の状態を意識する生活習慣を示す「ブレスト・アウェアネス」の認知度は15.0%(54名)と低く、従って「ブレスト・アウェアネス」を毎日または定期的に実践している人も14.2%(51名)でした。

4) 乳がん診断時点で、44.4%(160名)の患者さんが「がんの性質やステージによって治療法が変わることを全く知らなかった」と回答しており、その際に、最も避けたい治療は『化学療法』が65.6% (236名)でした。


5) 一方で、診断後は多くの患者さんが自ら学び、多遺伝子検査の認知度は82.5%(297名)と高い結果となりました。検査を知るきっかけとしては、「患者会」が最も多く、次いで「医師」と「ウェブサイト」がほぼ同程度でした。

6)「BRCA遺伝子検査」との混同は少なく、多遺伝子検査への理解度が高いことが明らかになりました。

7) 360名のうち、多遺伝子検査の対象となった患者さんは165名でした。そのうち、実際に検査を受けた患者さんは48.5%(80名)、受ける予定または検討中が4.2%(7名)、受けなかった患者さんは45.5%(75名)、受けたかどうか覚えていない患者さんが1.8%(3名)でした。

8) 多遺伝子検査対象165名のうち、41.2%が「医師からの説明を受けていなかった」と回答しました。

9) 多遺伝子検査対象でありながら受けなかった75名に、受けないと決定するのにあたって影響を受けたのは、「医師による説明・紹介がなかった」が45.3%(34名)、「説明はあったが、検査を勧められなかった」が20.0%(15名)、「特に何かに影響されていない(すでに治療方針を決めていた)」が16.0%(12名)でした。「経済的余裕のなさ」を挙げた方は1.3%(1名)でした。

10) 一方、多遺伝子検査を受けた、または受ける予定の82名のうち、検査を受けようと思った理由として最も多かったのは、「客観的な数値をもとに自分にあった治療を考えたかったから」が48.8%(40名)、次いで、「化学療法を受けるかどうか迷っていたから」が34.1%(28名)でした。

11) 多遺伝子検査は、ホルモン療法単独でよいか、化学療法を追加すべきかの判断に役立つ情報を提供します。このうち、「化学療法の上乗せ効果が小さく、化学療法実施が推奨されなかった」とされた患者さんの25.0% (7名)に、経口化学療法が実施されていました。

12) 多遺伝子検査の結果を受領した76名のうち、検査を受けて「とてもよかった」と回答した患者さんは76.3% (58名)、「よかった」と回答した患者さんは22.4% (17名)でした。「よかったと思わない」「全くよかったと思わない」と回答した患者さんはおらず、全員が肯定的な評価を示しました。理由としては、「自分の再発リスクを知ることができた」「抗がん剤を実施した場合の予想効果を知ることができたので、納得して治療に臨めた」「抗がん剤を受けないことを選択できた」などが挙げられました。

13) 「SDM(シェアード・ディシジョン・メイキング; 共同意思決定)」を知っていると回答した患者さんはわずか4.2%(15/360名)でした。ただし、SDMの意味を説明したうえで「乳がんの治療を決定する際にSDMがどの程度できたと感じたか」を尋ねたところ、62.5%(225/360名)の患者さんが「十分できた」または「ある程度できた」と回答しました。


【調査概要】
調査名称: 「乳がん治療と多遺伝子検査に関する患者意識調査」
調査対象: 2023年9月以降に乳がんと診断された患者
実施時期: 2025年7月9日~7月12日
調査手法: Webアンケート形式(Questant)
有効回答数: 360件(男性7名含む)
監修: 吉田 敦 先生(聖路加国際病院 乳腺外科部長)
調査依頼元: エグザクトサイエンス株式会社
調査実施: 株式会社リサ・サーナ
協力患者団体: ピアリング、あけぼの会、キャンサーネットジャパン、E-Bec
■エグザクトサイエンスコーポレーションについて
エグザクトサイエンスコーポレーションは、アメリカ、ウィスコンシン州マディソン市に本社を置く、ゲノム(患者さんの遺伝子情報)に基づいた 最先端の技術を通し、がん治療のさらなる可能性を拓くことを使命とした、がんスクリーニング検査とゲノムを用いた診断検査を提供する ヘルスケア企業です。人生を変える行動を早期に講じるための必要な情報を提供します。結腸癌スクリーニング検査および Oncotype DX 検査の成功を基に、がん診断前、診断中、診断後に使用する革新的なソリューションを開発するパイプラインに投資しています。 エグザクトサイエンス株式会社はエグザクトサイエンスコーポレーションのグループ会社です。 詳細については, https://www.exactsciences.com/jp をご覧ください。 その他、乳がん患者さん向け Web サイト 「乳がん治療.jp」 http://nyuganchiryo.jp もご参照ください。
■リサ・サーナについて
株式会社リサ・サーナは、患者中心の医療を実現するため、PX(Patient Experience 患者経験価値)を 社会にフィードバックし、患者さんのQOL向上につなげることをミッションとしています。
がん患者向けコミュニティ型SNS「ピアリング」「ピアリングブルー」や、がん患者向けレシピサイト「カマエイド」などのWEBメディアの運営のほか、がんをはじめとする疾患をテーマにした、患者実態調査・ニーズ調査等各種リサーチ、セミナー開催、コンテンツ制作等を行っています。詳細については、 https://risa-sana.co.jp/ をご覧ください。
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近年、乳がん治療の選択肢が広がる一方で、「自分はどの治療を選ぶべきか」を判断することに迷いや不安を抱える患者さんは少なくありません。治療が個々のがんの性質に基づいて決まる時代において、患者さんが情報をどう理解し、医師とどのように話し合えているかが、ますます重要となっています。
このような背景を踏まえ実施した本調査結果では、乳がん治療における患者さんの高い情報ニーズと、「納得して選びたい」という強い想いが改めて浮き彫りとなりました。一方で、医療現場における情報提供の機会や、医師との信頼関係のもとでご自身に適した治療を共に考えるSDM(共同意思決定)のさらなる推進が、今後の重要な課題として示されています。
調査では、患者さんの約半数(44.4%)が「がんの性質によって治療法が変わることを知らなかった」と回答。また、3人に2人(65.6%)が「最も避けたい治療は化学療法」と感じており、治療選択における迷いや不安の大きさがうかがえます。このような状況下で、治療選択に客観的な根拠をもたらす多遺伝子検査は、患者さんの「納得して治療を選びたい」という強い想いに応えうる手段として認識されています。多遺伝子検査について聞いたことがある患者さんの半数以上が、この検査の目的を「ホルモン療法に加えて化学療法の上乗せ効果が期待できるかを予測する検査」、「乳がんの再発リスクを予測する検査」、「患者一人ひとりに適した治療方針を選ぶのに役立つ検査」として理解していました。そして、全体の8割以上が多遺伝子検査について認知しており、実際に検査を受けた患者さんの98.7%が「受けてよかった」と回答し、検査が“納得感”をもたらしていることがわかりました。検査を受けた理由としては、「客観的な数字をもとに自分にあった治療を考えたかった」(48.8%)や「化学療法を受けるかどうか迷った」(34.1%)が上位に挙げられています。一方で、多遺伝子検査対象者(165名)のうち、実際に検査を受けたのは48.5%とおよそ半数にとどまりました。検査を受けなかった75名のうち、その決定に影響を与えたのは、45.3%が「医師からの説明がなかった」、16.0%が「治療方針について決めていた」ことを理由に挙げています。この結果は、治療選択の客観的な根拠を “伝える機会”がなければ患者さんの安心や納得にはつながらないという現実を示唆しています。
本発表は、当社の活動をステークホルダーの皆様に報告することを目的としており、医療機器等の宣伝・広告、または医学的なアドバイスを目的とするものではありません。
※特記のない数値は、乳がん患者360名(男性7名含む)の回答結果に基づきます。
【調査結果ハイライト】
1. 乳がん検診およびブレスト・アウェアネス(注2)による早期発見の重要性
- 定期的に乳がん検診を受けている人は、不定期または受けたことがない人に比べ乳がん検診で乳がんが発見される割合が高く(60.5% vs 28.7%)、より低いステージ(0期とI期)で発見される傾向がありました。なお、ステージIVと診断された方はいませんでした。
- 乳房の状態を意識する生活習慣を意味する「ブレスト・アウェアネス」の認知度は低く、実践する人も多くはありませんが、2年に一度の乳がん検診とブレスト・アウェアネスを組み合わせ、日頃から意識することでより早期に発見できる可能性があります。
2. 乳がん患者さんの治療に対する不安や懸念
- 乳がん診断時点で、約半数(44.4%)の患者さんが「がんの性質やステージによって治療法が変わることを全く知らなかった」と回答しました。診断直後は、治療に関する具体的なイメージを持てていない患者さんが多いことがわかりました。
- また、約3人に2人(65.6%)の患者さんが「最も避けたい治療は化学療法」と感じており、治療に対する不安や懸念の存在が浮き彫りになりました。
3. 診断後の乳がん患者さんの高い情報探索意欲と、情報提供機会の重要性
- 乳がん患者さんの82.5%が多遺伝子検査を認知しており、患者さん自身が積極的に検査や治療に関する情報を求めている実態が明らかになりました。
- 多遺伝子検査については、「化学療法の上乗せ効果が得られるかを予測する検査」(63.1%) や「乳がんの再発リスクを予測する検査」(55.7%)と捉えている人が多く、治療方針を検討するうえで役立つ検査として一定の理解が広がっていることがうかがえました。
- 多遺伝子検査を知るきっかけとして最も多かったのは、患者会に加え、インスタグラムやXなどのSNS上で乳がん経験者が情報を発信する「患者コミュニティ」(41.5%、119名)からの情報でした。
- 「BRCA遺伝子検査(注3)」との混同は9.1%(28名)と少なく、異なるサブタイプとの混同は9.1%(9名)にとどまり、多遺伝子検査に対する理解度は比較的高いことがわかりました。
- しかし、多遺伝子検査対象(注4)165名のうち、実際に検査を受けたのは48.5%と、およそ半数にとどまりました。一方、検査を受けなかった75名のうち、約半数(45.3%、34名)が「医師からの説明や紹介の機会がなかった」と回答しており、医療従事者による情報提供の重要性が浮き彫りになりました。
4. 治療への「納得」と「安心」
- 患者さんが多遺伝子検査を受けた主な理由として「客観的な数値をもとに自分に合った治療を考えたかったから」(48.8%)が最も多く、次いで「化学療法を受けるかどうか迷っていたから」(34.1%)が挙げられました。
- 検査結果を受け取った患者さんのほぼ全員(98.7%、75名)が、検査を受けて「とてもよかった」または「よかった」と回答し、多遺伝子検査に対する高い満足度が示されました。
- この設問の自由回答欄には「自分の再発リスクや抗がん剤の効果予測を知ることができたので納得して治療に臨めた」、「抗がん剤を受けない選択ができた」などのコメントが挙げられ、患者さんが「納得」と「安心」をもって治療方針を選択したいと考えていることが明確に示されています。
5. 個別化医療とSDM(共同意思決定)のさらなる深化に向けて
- 多遺伝子検査の結果、「化学療法の上乗せ効果が小さく、実施が推奨されなかった」とされた患者さんのうち、25.0%では経口とはいえ化学療法が実施されていたことが確認されました。
- 今回の調査結果は、多遺伝子検査で得られる情報を最大限に活用し、患者さんと先生が十分に話し合ったうえで、納得し安心して最適な治療を選択するSDMをさらに深めていくことの重要性を示しています。
【聖路加国際病院 乳腺外科部長 吉田 敦 先生によるコメント】
- 今回の調査結果は全般的に、実臨床での感覚と一致した納得いくものであった。
- 特に、多遺伝子検査の結果を踏まえて、不要な化学療法を少なくできることの意義は非常に大きいと考えられ、患者さんにとって不要な化学療法を安心して省略できる有用なツールである。また、再発スコアが高い場合には、化学療法の説明がしやすく、化学療法が必要な患者に前向きに治療を受けてもらうことにも繋がっている。
- 一方で、乳腺外科がない・乳腺専門医がいない病院では、多遺伝子検査について説明すらされていない状況もあること、また開発コストについて理解はできるものの、保険診療の3割負担で約13万円という費用負担は患者さんにとってやはり大きいことは課題である。
エグザクトサイエンスは、患者さんにとって最先端のがん診断検査をより身近なものとし、早期発見から治療選択までのあらゆる段階で「納得」と「安心」をもって治療に臨んでいただける医療の実現に貢献することを目指しています。今回の調査結果を踏まえ、ご協力いただいた株式会社リサ・サーナさまをはじめ、患者団体の皆さまと連携をより強化し、「患者さんの声」と科学的根拠を両軸に、治療選択の迷いや負担を少しでも軽減し、患者さんの生活に意義ある変化をもたらすため、これからも努めてまいります。
また、適切な情報にアクセスできる環境を広げることは、患者さんが自分に合った治療を納得して選択し、検診や予防に積極的に参加していくうえでも重要です。エグザクトサイエンスは、より良い情報提供を通じて、患者さんが安心して医療と向き合える社会の実現にも貢献してまいります。
【調査結果概要】
1) 乳がん患者さん360名(男性7名を含む)のうち、自身で乳がんを発見したと回答した人は53.3%(192名)にのぼりました。

2) 本調査において、乳がん検診を定期的に受けていた人は、不定期に受けたことがある人に比べ乳がん検診で乳がんが発見される割合が高く(60.5% vs 28.7%)、より低いステージ(0期とI期)で発見される傾向がありました。

3) 乳房の状態を意識する生活習慣を示す「ブレスト・アウェアネス」の認知度は15.0%(54名)と低く、従って「ブレスト・アウェアネス」を毎日または定期的に実践している人も14.2%(51名)でした。

4) 乳がん診断時点で、44.4%(160名)の患者さんが「がんの性質やステージによって治療法が変わることを全く知らなかった」と回答しており、その際に、最も避けたい治療は『化学療法』が65.6% (236名)でした。


5) 一方で、診断後は多くの患者さんが自ら学び、多遺伝子検査の認知度は82.5%(297名)と高い結果となりました。検査を知るきっかけとしては、「患者会」が最も多く、次いで「医師」と「ウェブサイト」がほぼ同程度でした。

6)「BRCA遺伝子検査」との混同は少なく、多遺伝子検査への理解度が高いことが明らかになりました。

7) 360名のうち、多遺伝子検査の対象となった患者さんは165名でした。そのうち、実際に検査を受けた患者さんは48.5%(80名)、受ける予定または検討中が4.2%(7名)、受けなかった患者さんは45.5%(75名)、受けたかどうか覚えていない患者さんが1.8%(3名)でした。

8) 多遺伝子検査対象165名のうち、41.2%が「医師からの説明を受けていなかった」と回答しました。

9) 多遺伝子検査対象でありながら受けなかった75名に、受けないと決定するのにあたって影響を受けたのは、「医師による説明・紹介がなかった」が45.3%(34名)、「説明はあったが、検査を勧められなかった」が20.0%(15名)、「特に何かに影響されていない(すでに治療方針を決めていた)」が16.0%(12名)でした。「経済的余裕のなさ」を挙げた方は1.3%(1名)でした。

10) 一方、多遺伝子検査を受けた、または受ける予定の82名のうち、検査を受けようと思った理由として最も多かったのは、「客観的な数値をもとに自分にあった治療を考えたかったから」が48.8%(40名)、次いで、「化学療法を受けるかどうか迷っていたから」が34.1%(28名)でした。

11) 多遺伝子検査は、ホルモン療法単独でよいか、化学療法を追加すべきかの判断に役立つ情報を提供します。このうち、「化学療法の上乗せ効果が小さく、化学療法実施が推奨されなかった」とされた患者さんの25.0% (7名)に、経口化学療法が実施されていました。

12) 多遺伝子検査の結果を受領した76名のうち、検査を受けて「とてもよかった」と回答した患者さんは76.3% (58名)、「よかった」と回答した患者さんは22.4% (17名)でした。「よかったと思わない」「全くよかったと思わない」と回答した患者さんはおらず、全員が肯定的な評価を示しました。理由としては、「自分の再発リスクを知ることができた」「抗がん剤を実施した場合の予想効果を知ることができたので、納得して治療に臨めた」「抗がん剤を受けないことを選択できた」などが挙げられました。

13) 「SDM(シェアード・ディシジョン・メイキング; 共同意思決定)」を知っていると回答した患者さんはわずか4.2%(15/360名)でした。ただし、SDMの意味を説明したうえで「乳がんの治療を決定する際にSDMがどの程度できたと感じたか」を尋ねたところ、62.5%(225/360名)の患者さんが「十分できた」または「ある程度できた」と回答しました。


【調査概要】
調査名称: 「乳がん治療と多遺伝子検査に関する患者意識調査」
調査対象: 2023年9月以降に乳がんと診断された患者
実施時期: 2025年7月9日~7月12日
調査手法: Webアンケート形式(Questant)
有効回答数: 360件(男性7名含む)
監修: 吉田 敦 先生(聖路加国際病院 乳腺外科部長)
調査依頼元: エグザクトサイエンス株式会社
調査実施: 株式会社リサ・サーナ
協力患者団体: ピアリング、あけぼの会、キャンサーネットジャパン、E-Bec
■エグザクトサイエンスコーポレーションについて
エグザクトサイエンスコーポレーションは、アメリカ、ウィスコンシン州マディソン市に本社を置く、ゲノム(患者さんの遺伝子情報)に基づいた 最先端の技術を通し、がん治療のさらなる可能性を拓くことを使命とした、がんスクリーニング検査とゲノムを用いた診断検査を提供する ヘルスケア企業です。人生を変える行動を早期に講じるための必要な情報を提供します。結腸癌スクリーニング検査および Oncotype DX 検査の成功を基に、がん診断前、診断中、診断後に使用する革新的なソリューションを開発するパイプラインに投資しています。 エグザクトサイエンス株式会社はエグザクトサイエンスコーポレーションのグループ会社です。 詳細については, https://www.exactsciences.com/jp をご覧ください。 その他、乳がん患者さん向け Web サイト 「乳がん治療.jp」 http://nyuganchiryo.jp もご参照ください。
■リサ・サーナについて
株式会社リサ・サーナは、患者中心の医療を実現するため、PX(Patient Experience 患者経験価値)を 社会にフィードバックし、患者さんのQOL向上につなげることをミッションとしています。
がん患者向けコミュニティ型SNS「ピアリング」「ピアリングブルー」や、がん患者向けレシピサイト「カマエイド」などのWEBメディアの運営のほか、がんをはじめとする疾患をテーマにした、患者実態調査・ニーズ調査等各種リサーチ、セミナー開催、コンテンツ制作等を行っています。詳細については、 https://risa-sana.co.jp/ をご覧ください。
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