プレスリリース

【国立アイヌ民族博物館】シアター作品『普段着のアイヌ』が映文連アワード2025を受賞！

公益財団法人アイヌ民族文化財団

2025.12.01

映文連アワード2025　ソーシャル・コミュニケーション部門　優秀企画賞を受賞！

「映文連アワード2025」授賞式に参加された監督 OKI氏と野本館長

国立アイヌ民族博物館（場所：白老町、館長：野本正博）のシアターにて、2025年4月より上映を開始した映像作品『普段着のアイヌ』が、「映文連アワード2025」の「ソーシャル・コミュニケーション部門　優秀企画賞」を受賞いたしました。
これを機に、ぜひ当館にて『普段着のアイヌ』をご覧ください！
映文連アワード
『映文連アワード』は、プロフェッショナルの仕事にふさわしい作品を積極的に発掘・顕彰することによって短編映像業界の活性化を図るとともに、次世代を担う新しい才能（学生・個人）を発掘し、映像業界のインキュベータとしての機能を担うことを目的として、2007年に創設されました。今年のテーマは「映像自由区 Filmmakers' Frontier」で、157本の応募がありました。

シアター作品『普段着のアイヌ』

トンコリ奏者として国内外で活躍するOKIを監督に迎え制作した、国立アイヌ民族博物館開館以来初のシアター新作です。主演者それぞれの生きがいをテーマに、天内重樹の狩猟、熊谷カネの料理、そして瀧口夕美のアイヌ語を通して、今の時代を生きる「普段着のアイヌ」を映し出すドキュメンタリー作品です。

詳細は前出のプレスリリース【国立アイヌ民族博物館】シアター新作『普段着のアイヌ』公開をご覧ください。

監督より、受賞のことば

1669年、シャクシャインの戦いのあと、アイヌは戦争を放棄、時代の変化に順応しながら度重なる苦労と嘆きの果てに、先祖の記憶を今に伝えてきた。
輝きを失った森であっても、落ち葉に隠れた一粒の種から、新しい苗木が育ち、やがて森は賑わいを取り戻す。この映画に登場するアイヌ　ウタリもまた地面に落ちた種の一つ。
浴びる太陽の強さ海の青さは個性を生み、ひとりひとりの生き様が先祖の記憶をよりいっそう鮮明に輝くものとする。
その願いを込めて私たちはこの映画を作りました。
この映画に登場した、熊谷カネ、瀧口夕美、天内重樹、制作の国立アイヌ民族博物館、ウポポイを代表して挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（OKI）

館長より、受賞のことば

表彰式の壇上で、監督のOKIのスピーチを聞いて感じたことは、アイヌウタリ一人一人に「語られる物語」と「語られない物語」があり、『普段着のアイヌ』の向こう側には、現在の複雑な事情が見えてくる。わたしたちは、何が語られないのかについても敏感でいなくてはならない。初監督のOKIをはじめ、出演してくれた三人のウタリに、そして、制作関係者の皆さんに感謝申し上げます。
『映文連アワード2025』は、「映文連国際短編映像祭」の一環として、大阪でも上映会を予定しており、今回の受賞作品の中から『普段着のアイヌ』を選んでいただいたことにも感謝したい。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(野本　正博)

※大阪会場等での上映会は2026年1月～2月の開催を予定されています。
詳細は映文連アワード2025のウェブサイトでご確認ください。