フクシアは初夏に咲く美しく鮮やかな花です。昭和のはじめにアメリカから鉢花としてやってきました。暑い国が原産ですが、高温多湿には弱く、日本の夏は苦手です。30℃が続くような真夏には涼しいところに移動させるなど管理が必要です。
フクシアの特徴
フクシアの種類
フクシアの花言葉
フクシアのお手入れ
フクシアの病気対策
まとめ
フクシアは、中南米や西インド原産のアカバナ科フクシア属の低木です。常緑性または落葉性で、花は下向きに咲くのが特徴です。その美しい花姿から「貴婦人のイヤリング」と言われるほどです。色は、赤、白、ピンク、紫、オレンジなど様々です。一重咲きから八重咲きまであり、がく筒と花弁の色や形が異なります。花の大きさも1cm以下の極小輪から8cm以上の大輪まであります。
フクシアは原種と園芸品種があり、その数は数千種にも及びます。ここでは、代表的なフクシアの種類について紹介します。
・トリフィラタイプ
トリフィラ ( triphylla) を元に作出された園芸品種の総称です。花色は赤やオレンジで、細長い筒状のがくが特徴的です。暑さに強く、大株に育ちます。 代表的なものにエンジェルスイヤリングシリーズがあります。
・マゲラニカタイプ
マゲラニカ ( magellanica) を元に作出されたものです。花色は赤や紫で、花弁と萼片も深い色合いが魅力的な品種です。フクシアの中でも寒さに強いのが特徴で、日本の冬にも耐えられる品種があります。イギリスではよく生け垣として使われます。
・ブッシュタイプ
枝が硬くて直立する樹形のフクシアです。花色は白やピンクなど淡い色合いが多く、一重咲きから八重咲きまで様々です。暑さに弱いため、夏は涼しい場所での管理が必要です。
・トレイラータイプ
枝がしなやかで垂れ下がる樹形のフクシアです。花色は赤や紫など鮮やかな色合いが魅力で、ハンギングバスケットやスタンダード仕立てにするのにオススメです。
「激しい心」、「好み」
フクシアの花は、細かい柄の部分である花柄を弓なりにして、垂れ下がるように咲いています。その花の形がイヤリングに似ていることから、英語で「Lady’s-eardrop/レディーイアードロップ(女性の耳飾り)」と呼ばれています。そのイヤリングにも人それぞれの「好み」があることからこの花言葉が誕生したのかもしれません。
フクシアは亜熱帯地域の出身ながら日本の夏の暑さと湿度が苦手で、冬の寒さにも弱いです。そのため、フクシアは多年草ですが、日本では一年草扱いされることがあります。したがって、フクシアは日本の気候に適しているとは言えませんが、鉢栽培にして、季節に応じて適した場所に移動できると安心です。水切れや水のやり過ぎに注意し、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。水は花にかけずに株元に与えるようにしましょう。日光を好みますが、暑さには弱いので夏は明るい半日陰の涼しい場所に移動させます。また、冬も5℃以下になる前に室内に取り込んでください。生育期の4月~6月と9月~10月に、緩効性化成肥料を置き肥するか、液体肥料を2~3週間に1回与えてください。花が終わった後の5月下旬~6月中旬に、草丈を1/2の高さに切り戻し、風通しをよくしましょう。この時期にしっかり剪定することで夏越しさせやすくなります。根詰まり防止の為、2年に1回、3月頃にひと回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。古い土を半分ほど落とし、新しい土を加えてください。一般に、フクシアの種まきの時期は採種後すぐの「採りまき」が定番です。
フクシアは成長が旺盛な植物なので、葉が密になりやすいです。そのため、湿度が高くて風通しの悪い環境になりやすいため、ハダニやオンシツコナジラミなどの害虫や、灰色カビ病などの病気に注意が必要です。病気にかかると、葉や茎が枯れたり、花が咲かなくなることがあります。定期的に植物の状態をチェックし、風通しを良くしてください。病気や害虫が発生した場合は、薬剤を散布して対処します。
フクシアは管理が難しいものの、上品で魅力的な花を咲かせる植物です。色や形が異なる花を組み合わせて寄せ植えにしたり、ハンギングバスケットやスタンダード仕立てに挑戦してみてはいかがですか?
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