梅の開花は春の訪れを告げてくれます。
冬の殺風景から一斉に花が咲くと、一気に華やぎます。
全国各地に名所、名木が数多くあり、「万葉集」にも歌われているほど古くから親しまれている花木です。
中国原産の植物として日本に入ってきたと言われていますが、九州の山地に野生種があり、日本にも自生していたのではないかとも言われています。
園芸品種が多く、300を超える種類があります。
交配の系統により原種に近い「野梅性」、枝の断面が紅色の「紅梅性」、梅とアンズの中間の性質を持つ大果の「豊後性」、アンズとの雑種にあたる「杏性」の4つに分類され、それぞれ早咲きと遅咲き、咲き方も一重・八重と様々です。
花色は白や紅色を中心に幅広く、花を楽しむ「花ウメ」と実を収穫する「実ウメ」に分けられます。
野梅性はトゲ状の小枝が多く樹肌に艶があり、紅梅性は茎の中心が赤く花色は明るい紅色、豊後性は枝や葉が大きく香りが少なく、杏性は豊後性より枝や葉が細く葉に毛がないのが特徴です。
庭木と鉢植え(盆栽)の2通りの楽しみ方があります。
丈夫な木で栽培は難しくありませんが、「梅切らぬ馬鹿」ということわざがある通り、12月下旬〜1月中旬ごろまでに樹形を整えた剪定や施肥、虫害防除などの管理が必要です。
日当たり・排水がよく肥沃な場所を選び、枝が広がるスペースと冷たい風が当たらない場所を確保しましょう。実ウメは1本では受粉しにくいため、別品種を2本以上植えるのが結実の条件です。
苗は接ぎ木が多いため品種と接ぎ口の状態を確認し、土質は有機質肥料の多い保水力のある土を好み、植え付けは12月中旬から2月(寒冷地は4月まで)が適期です。
肥料は12月下旬から2月上旬、8月下旬から9月上旬の2回、草木灰や堆肥、鶏糞などを木の生長に合わせて施します。
有機質と一緒に化成肥料を混ぜて与えるのもよいでしょう。
窒素分が多すぎると枝の生長が促され花つきが悪くなるので控えてください。
梅は剪定で花のつく枝を増やし、樹形をつくっていく木です。花芽は7月上旬〜中旬に今年伸びた新梢の短枝に作られ、翌年春に咲くため、花後の剪定は結実部分を切らないよう注意が必要です。
長い枝には花芽があまりつかないため、12月下旬から1月頃に10芽ほど残すか半分の長さまで切り詰めて短枝を出させますが、切りすぎると強い枝が伸び花つきが悪くなります。
果実目的の場合は夏の剪定が大切で、枝葉にまんべんなく日を入れ風通しをよくします。
花芽のつく短枝は3年ほどで花芽がつかなくなるため、6〜7年に1回を目安に12月下旬から2月上旬に強剪定を行い、太い枝を切った後は保護剤を塗りましょう。
「忠実」「気品」。
古くから花木の鑑賞だけではなく、お菓子や薬としても幅広く愛されてきた梅。
万葉時代には花と言えば梅のことを指し、松竹梅として長寿の印にもされているほどです。
梅は私たち日本人の歴史や文化に深く寄り添ってきました。
ぜひ、その美しい梅を大切に後世に伝えてきましょう。
【もっと詳しく知りたい方】
ページ下部「記事の出典:花・香・実を楽しめる梅「Japanese apricot」」をご覧ください。
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