リッパーで丁寧に糸を切り、衿を切り外し、衿台のカラーバンド(内側の首と触れる部分)とネックバンド(外側)の間を広げます。
芯材も切り外してかまいません。
糸くずは粘着テープで取るのが便利です。
どちらも100円ショップで入手したものですが、どの100円ショップでも置いてあるわけではないので、大きめの店舗を当たってください。
シートの方しか入手できない場合は、テープ状にカットして使用してください。その場合、普通のはさみやカッターでは切りにくいので、ロータリーカッターを使うか、あるいは折りたたんだ状態ではさみで切るなどの工夫をしてください。
普通のアイロン台ではアイロン接着には柔らかすぎるので、新聞紙2、3日分を重ねて、上に敷き布を敷きます。
アイロン台の上に捨て布(画像では黒い帯状の布)を敷き、半分までの長さの接着テープをカラーバンドとネックバンドの間に挟んだ衿台を置き、その上にさらに捨て布をかぶせます。
接着テープは衿台の上端からはみ出させます。
カラーバンドとネックバンドにずれがないことを確かめて、中温(天然素材の場合)のアイロンで、動かさずに上から押さえつけます。
接着方法の詳細はテープの取説を参照のこと。
アイロンを外し、冷めないうちに上下の捨て布を一気に取り去ります。
これにより、衿台からはみ出た接着テープは捨て布にくっついていき、あとにはきれいに接着された衿台が残ります。
衿台の残りの半分も、同様の手順で接着します。
衿台の長さ全体を一度に接着すると、先にアイロンがけをしたところでは温度が下がってしまって、あて布を取り去るときに溶けた接着シートが糸を引いてしまいます。
これを防ぐために半分ずつ作業します。また、接着する衿台がカーブしている場合は1枚の接着テープでカバーできるのが衿台の長さの半分までという理由もあります。
衿台のエッジに接着シートのカスや糸くずが残っていたら、はさみでていねいに切り落とします。
このシャツは元がボタンダウンだったので、前身頃にボタンの跡が残っていますが、洗濯で目立たなくなります。
すり切れは衿だけでなく、衿台の内側でも起きます。第一ボタンを外して着ると見えてしまうので、できるだけ目立たなく補修します。
クッキングシートの上に取り外した衿の端切れを並べ、接着シートをかぶせてさらにクッキングシートをかぶせ、アイロンで加熱します。
画像では、同時に複数枚数作っています。
裏面にアイロン接着シートが付いた共布補修パッチができます。
補修する場所に合わせてパッチをカットします。
パッチをアイロン接着します。
一気に接着するのではなく、柄を合わせながらアイロンの先でスポット接着していき、ずれがないことを確認してからアイロン底面で加熱し、接着します。
かなり目立たなくなりました。
〇スタンドカラーのエッジ部分に多少ゴワゴワ感が残る場合もあります。それを避けるためには、接着テープをエッジからはみ出させて捨て布で取り去る方法ではなく、エッジから1~2㎜程度引っ込めた状態で接着する方法も考えられます。
○共布にする切り外した衿地は、色あせで濃淡があります。共布パッチは貼り付ける場所の色あせ具合に合わせて作りましょう。
余った共布を別の布製品の補修に使うのもおしゃれです。
○衿台も共布パッチも、洗濯を重ねると部分的に接着がはがれることもあるので、その場合アイロンで再接着します。
なお、クリーニングには出さない方がいいでしょう。事情を知らずに衿に高圧高温プレスをかけた場合、接着がずれる可能性があります。
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