種から苗を育てるまでには温度や水の管理など技術が必要なため、初心者の方は苗からスタートしたほうが気軽に挑戦でき失敗も少なくて済みます。
特に発芽までに時間がかかるイチゴやキュウリ、トマトなどは市販の苗の購入がおすすめで、プランター栽培はスペースも量も限りがあるため苗を利用すれば種を無駄にすることもありません。
良い苗は病気や害虫がなく茎が太く葉が青々としてポッドの底から古い根が出ていないもので、トマトなどはつぼみがついているものを選び、購入後はなるべく早く植えて水やりと日光に注意しましょう。
悪い苗は茎が細くひょろひょろと長く、葉の間隔が開いて下葉が黄色く変色し、ポットの底から枯れた根が出ているもので、これらは老化した苗なので避けましょう。
ミニトマト
品種例:イエローミミ・オレンジ千果・アイコ
キュウリ
品種例:シャキット・フリーダム・ピコQ
ナス
品種例:マー坊・みず茄・緑の極
ピーマン
品種例:ぷちピー・ピー太郎・ライムホルン
イチゴ
品種例:めちゃウマッ!イチゴ・おおきみ・天使のいちご
ミニニンジン
品種例:ピッコロ・スイートキャロット
コマツナ
品種例:楽天・きよすみ・よかった菜
苗をプランターに植え付けていきましょう。まずは大きさ、深さ、支柱の固定のしやすさがポイントとなる適したプランターを選びます。
植え付けの際は葉や根を傷つけないよう十分注意し、人差し指と中指の間に根元を挟んで取り出すといいですよ!
苗を植える時は株の成長を妨げないよう苗同士のスペースを広げ、3株以上植える時はジグザグ植えで間隔をあけてください。
①培養土をプランターに入れ、苗を置いたときにふちから土の表面まで3cm開くよう底の土を調節します。
②あらかじめ水を与えた苗を取り出し、根元の土をしっかり押さえて倒れないよう安定させ、茎がまっすぐか確認します。
③ふち下に3cmのウォータースペースを残して残りの培養土を入れ、④プランターを軽く地面に落として空気を抜き、土かさが減った分は足します。
⑤底から水が流れるほどたっぷりと水を与え、ラベルに野菜の名前や植え付けた日を書いておくと管理しやすいです。
つる性の野菜や丈が高くなる野菜には支柱が必要で、トマトやナスなど重い実がつく株は強風で倒れないようにします。
支柱は竹製が主流でしたが、今はプ�スチック製やビニールコーティングされたものが増え耐久性も延び、野菜の成長に合わせて伸縮する支柱も登場しました。
竹はカビたり腐ったりして長持ちしませんが、切断できて処理にも困らず自然由来なので、筆者は竹を選びました。
支柱選びは基本的に実がつく野菜には太いものを選ぶとよいでしょう。
1コンテナに1本、または3〜4本を交差させて立てる方法や、ひもや針金を水平にまわすあんどん仕立てなど、立て方は様々です。
1本仕立ては茎を1本に伸ばして栽培する野菜に適し、あんどん仕立てはつるや茎が長く伸びる野菜に向きます。
支柱を立てる時に「こんなに勢いよく刺してもよいものか…」と心配になりませんか?
根に刺さることでもちろん根は傷つきますが、固定が悪く風などで揺さぶられる方が成長に影響するので、心配せずに刺してください!
つるをひもや支柱に絡ませる「誘引」は、生長した茎や枝、つるを支柱に紐で結びつける作業です。
枝をバランスよく誘引することで日当たりや風通しもよくなり、収穫量も変わってきます。
紐は茎と支柱に8の字でしっかりと結び、茎が太ることを想定してゆとりを持たせましょう。
ニガウリやインゲン豆などはツルが支柱に絡みつくので、生育の初期に誘引すればそのまま成長していきます。
水は野菜の生長に必要不可欠で、水やりは土の乾き具合、野菜の種類や状態、天候、プランターの材質なども考慮する必要があります。
目安は春・秋が1日1回、夏が1日1〜2回、冬が2〜3日に1回で、基本的には朝か夕方が好ましく、夏の暑い時間帯や冬の寒い時間帯の水やりは根を傷つけるため避けてください。
ウォータースペースいっぱいにためた水が鉢の底から少し出るくらいが理想で、水やりは水と一緒に土の中の空気を入れ替える役割も兼ねています。
水が溢れないよう、ジョウロのハス口を上に向けてゆっくりやさしく与えてください。
肥料を追加で与えることを「追肥」と言い、プランター栽培では水やりで肥料分が流れ出てしまうため追肥で補う必要があります。
市販の家庭菜園用肥料は生育に重要な「窒素」「リン酸」「カリ」がバランスよく配合されており、追肥のタイミングは植え付けから2〜4週間後が目安です。
液肥は水やり代わりに与えられ早く効くため初心者向けですが効果も早く切れるため週1回が目安で、固形や粒状肥料は液肥より回数が少なく済みます。
生育の早い野菜には速効性を、栽培期間が長いものには緩効性タイプを使うのがおすすめです。
肥料は施す時期や間隔なども野菜の種類や使用する肥料によって異なるため、袋や容器に記載されている使用上の注意を守って扱いましょう。
化学肥料には、無機養分一つのみを保証する「単肥」と、窒素・リン酸・カリウムのうち二つ以上の成分を保証する「複合肥料」があります。
複合肥料の中でも、単肥や複合肥料を配合して造粒・成形したもの、あるいは化学的操作を加えて製造された複合肥料を「化成肥料」と呼びます。
よい実を収穫するには芽かきと摘心もポイントです。
トマトやピーマン、ナスなどは成長すると葉の付け根から「わき芽」が伸び、放置すると実が収穫できなくなるため手で摘み取ります。これを「芽かき」といいます。
キュウリなどツルの伸びるものの先端を摘んで株の生長を抑える「摘心」もあります。
どちらも枝や葉の数を制限することで日当たりや風通しを良くし、実に養分を届ける働きがあります。
野菜が健全に育てば病気の心配はあまりありませんが、水やりの時に葉の裏も含めよく観察し早期発見・早期対処を心がけましょう。
病害虫は日当たりや風通しが悪く蒸れる場所を好むため、芽かきをして環境を整え、水やりは土がはねて菌や害虫が付着しないよう優しく行ってください。
枯れ葉や黄色くなった下葉は病気の発生源になるため取り除き、害虫は見つけ次第退治しましょう。コンパニオンプランツや防虫ネット、防虫テープなどでも予防できます。
予防しても100%防ぐことは難しく、薬剤に頼る場合は自然素材や食品添加物を主成分とした安心して使えるものを選びましょう。
そもそも筆者が家庭菜園に興味を持ったのは、息子に野菜作りを通して食べ物に興味、関心を持って欲しいと思ったからです。
息子はニンジン、私は枝豆の種を選び、「種を植えれば生えてくる!」と浮かれていましたが、どちらも見事に失敗。次は苗からスタートすると、とても簡単でした。
天気があまりよくなく心配していましたが、病気にもならずゆっくりのんびり生長してくれています。
とりかかるまでのハードルは高めの家庭菜園ですが、始めてしまうとその楽しさにハマってしまうこと間違いなし。このシリーズをきっかけに野菜作りの面白さを知っていただけたら幸いです。
【もっと詳しく知りたい方】
ページ下部「記事の出典:【初心者向け】お庭がなくても野菜ができる「プランター菜園」part3~植え付けと育成~」をご覧ください。
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