子どもの頃に親しんだももたろうの昔話。
百済(くだら)からやってきた温羅(うら)という鬼を、吉備津彦命(きびつひこのみこと)が退治した「温羅伝説」が元になったといわれています。
吉備津神社、吉備津彦神社は、ともに吉備津彦命を祭る神社。
実は、距離にして約2㎞ほどの近距離にある神社です。
写真は、吉備津神社「北隋神門」。
吉備津神社の見どころのひとつに、長い廻廊があります。
高低差があるので、入口からのぞくと不思議な感覚に。
廻廊を進みながら、両脇にまつられる宮や殿に立ち寄ることができます。
中でも御釜殿は、温羅と吉備津彦命との最後の約束を現代まで守り繋いできた殿です。
現在も「鳴釜神事」が行われ、その年の吉凶が占われています。
かわってこちらは、吉備津彦神社内にまつられる、たくさんの神社のうちのひとつ「稲荷神社」の鳥居。
吉備津彦神社は、歴史上の事件で吉備の国が備前、備中、備後に分けられた際に吉備津神社から分社されたものと言われています。
稲荷神社のほかに、吉備津彦命の従者であり、ももたろう昔話の犬、猿、きじのモデルになったといわれる楽々森彦命(ささもりひこのみこと)などがまつられています。
そして、こちらは「温羅(うら)」が住んでいたといわれる「鬼ノ城(きのじょう)」の西門。
古代山城の門の跡から復元されたものとのこと。
詳しい背景を知らずに訪れても、圧倒される佇まいです。
標高約400メートルの鬼城山(きのじょうざん)にある、鬼ノ城。
城からの眺めは、天候によっては海向こう香川県の讃岐富士が見えるほどの絶景です。
西門をスタートに、城壁に沿って散策できるウォーキングコースもあり、五つの水門と残りの南門、東門、北門をめぐりながら景色を楽しむことができます。
ももたろうの昔話と温羅伝説とのつながり、古の山城の神秘を味わいながらぜひめぐってほしい名所です。
これらの名所以外にも、温羅伝説ゆかりの場所があちこちにある岡山県。
矢喰宮(やぐいのみや)、血吸川(ちすいかわ)、鯉喰神社(こいくいじんじゃ)・・・。
いずれも温羅伝説に登場するものたち。
名前を聞くだけで、興味が湧いてきませんか?
昔話のももたろうと、温羅伝説と岡山県。
ぜひ、一度探索してみてください。
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