パンジーはスミレ科スミレ属の植物。英名でも同様にパンジーと呼び、「pansy」と表記します。花の形が物思いにふける人に見えることから、フランス語で思考という意味の「pensée」に由来して名付けられました。日本ではパンジーという呼び方のほか、和名で三色菫(さんしきすみれ)や遊蝶花(ゆうちょうか)と呼ばれることもあります。
元々春から初夏にかけて咲く花でしたが、品種改良の結果冬にも咲く品種が生まれました。そのため現在の開花時期は12月〜5月となっています。また1月16日、2月7日、5月25日の誕生花にもなっています。
多くの種類が存在し、花色も赤やオレンジ、水色やピンクや黒などバリエーションが豊かです。例えば「フリズルシズル」はフリル形の花びらが特徴の青色のパンジーです。「ムーランフリル」や「虹色スミレ」は様々な色の花が咲きます。「モルフォ」はまるでモルフォ蝶のような青と黄色の花を咲かせます。「オトノ」はサカタのタネが開発した品種で、開花が早く、春まで咲く事が特徴です。
スミレやビオラとの違いが分からなくなる事が多いパンジーですが、西洋で自生していたスミレを品種改良したものがパンジーです。一方パンジーとビオラは主に大きさが異なっており、パンジーをさらに小さい品種にしたものがビオラという位置付けとなっています。
パンジーの花言葉は複数存在し、「もの思い」「思い出」「純愛」「私を想って」などがあります。パンジーの名前同様、花言葉も花の形から由来するものが多くありますが、バレンタインの由来となった司祭バレンティヌスにもとづくものも存在します。バレンティヌスが牢獄にいる際、窓辺に咲いていた花の葉に「私を忘れないでください」という言葉をつけて鳩に託しました。これがパンジーの伝説となり、花言葉の由来となったそうです。
またパンジーは花の色別で異なる花言葉を持ちます。例えば黄色には「つつましい幸せ」、白色には「温順」、紫色には「思慮深い」という意味があります。恋愛の意味を持つ花なので、プレゼントに使ってみてはいかがでしょうか。
パンジーは発芽から枯れるまでの期間が1年の一年草と呼ばれる植物です。日当たりの良い場所、水はけの良い土で栽培しましょう。発芽に適した気温は20℃程度です。種まきは秋口にピートバンを使って行い、発芽まで涼しい日陰で管理します。本葉が5~6枚になったら地面や植木鉢に植え付けてあげてください。寒さにも強いので、冬でもできるだけ屋外で育ててあげましょう。
水やりは土の表面が乾き次第たっぷりとしてあげてください。追肥は鉢植えの場合は液肥を、地植えの場合は固形肥料をあげましょう。1本の茎からたくさんの花をつけますので、花がらはこまめに取り除いてあげるとよいです。またアブラムシやヨトウムシといった害虫の被害にあうため適宜対処してあげましょう。
パンジーを種から育てたい方はこういったネット通販でも販売されています。https://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%BC/100005/
園芸店で苗を買う際は茎がしっかりしたものがおすすめです。
参考文献
花屋さんで人気の469種類 決定版 花図鑑(西東社・2020)
美しい花言葉・花図鑑-彩りと物語を楽しむ-(ナツメ社・2015)
ちいさな花言葉・花図鑑(自由国民社・2019)
園芸大図鑑 あらゆる植物が育てられる全1000品種以上掲載 新装版(ブティック社・2020)
色・大きさ・開花順で引ける季節の花図鑑(日本文芸社・2004
花のことば辞典 四季を楽しむ(講談社・2019)
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