体内で「糖」に代謝される「炭水化物」や「糖類」自体を食事から摂ることを減らしていく減量方法。つまり「ごはん、パン、うどん、パスタ」などの主食となる炭水化物や糖質そのもののスイーツ類はもちろんのこと、果糖の含まれる果物類、炭水化物に近い野菜や糖質の高い野菜を摂るのを控えていきます。(炭水化物に近いジャガイモなどの芋類や、糖質の高いとうもろこしなど。)
代わりに肉類や大豆食品の「たんぱく質」や糖の吸収を抑える野菜や海藻類など「食物繊維」はしっかり摂ります。
加えて、筋肉は減らさぬように筋肉トレーニングを行いながら、代謝を高めて体内の脂肪を燃焼させ減量していく…というのが一般的な糖質カットダイエットのセオリーです。
これは、実施前から、そもそも糖質や炭水化物をあまり摂らない食生活だった方や、ある一定期間以上糖質カットダイエットをしている人にはそう辛くない食生活になりますが、実施前まで日頃、炭水化物や糖質たっぷりの食生活を過ごしていた方が実施されると「頭がボーッとする。集中できない。」としばらくはなりがちです。
これは脳のエネルギー不足の症状です。
脳のエネルギーになるのは「糖」と「酸素」です。この二つは血液によって脳へ運ばれます。この「糖」とは主に「ブドウ糖」のことで、主にご飯やパンなどの「炭水化物」を食べ、その炭水化物が代謝されると「糖(ブドウ糖)」となるため、血液に流れて脳に供給されます。
脳は体内の中でも実は多くのエネルギーを使う場所で、体内のエネルギー消費量の中でも20%も消費されます。ですから「(炭水化物を含めて)糖質」を完全にカットした食事に切り替えると、それまで豊にあったブドウ糖が血液から姿を消し、脳に糖が運ばれなくなることで「栄養不足」となり、ボーっとして集中できない、車でいえばガス欠状態で「脳をうまく働かせることができない」状態となります。
「脳をうまく働かせることができない」といっても、実は私たちの体はブドウ糖が脳に運ばれない時にもう一つのスペックともいえる「ケトン体」を使うことで、それを緩和したり、回避したりすることができます。
先ほど糖質カットダイエットが「実施前から、そもそも糖質や炭水化物をあまり摂らない食生活だった方や、ある一定期間以上糖質カットダイエットをしている人にはそう辛くない食生活」とお伝えしましたが、それは、そもそもその方が日頃から体内の脂質をエネルギーとして代謝している「脂質代謝」だったからといえます。
体内では、ブドウ糖が不足している状態で体内の脂肪を燃焼する際に、肝臓では「ケトン体」という物質ができます。このケトン体をブドウ糖の代わりに代謝することで、脳の中ではエネルギー不足が解消されます。ですから脂質代謝の方は炭水化物で糖が補給されなくとも、体内の脂質を分解する脂質代謝の機能が働き、脳にもブドウ糖の代わりにケトン体がしっかり補給されますから「ボーっとしたり、集中力が持てなくなったり…」というエネルギー不足の辛さを、味わうことがないのです。
その反対に、糖質カットダイエットの食事に切り替えると、お腹が空いていなくても、頭がボーっとしてしまう方は、体内に補給された糖をエネルギーとしてメインで代謝している「糖質代謝」である可能性が高いといえます。これを切り替えていくことが最初のハードルでもあるといえます。
欧米などのように分厚いステーキなど肉類から「たんぱく質」を多く食べる欧米食よりも、米飯を主食とした一汁三菜スタイルの和食を好んでいた方の方が、炭水化物比率が高めになりがちなので「糖質代謝」が多いことは、決して珍しくありません。
ダイエット愛好者にとってはケトン体とは魅力的な物質です。
ブドウ糖が枯渇した状態で肝臓が脂肪を燃焼すると「ケトン体」が生まれますが、ケトン体が体内で増えることで、実は更に脂肪の燃焼を助けてくれるものでもあるからです。
ですが、人体としては「ケトン体」はダイエットのために生まれたというよりも、主に脳のために、肝臓で脂肪酸を分解する過程でケトン体を生成するように進化したといっても過言ではありません。
脳が働かなくなってしまわないよう、脳に必要なブドウ糖がチャージされない状況になったときでも、予備電源のような働きで、脳に肝臓は脂肪を燃焼した際に作られたケトン体を送ることで脳のチャージを行っているのです。(脳の血管には脳関関門という作用があり、ごく限られたものしか通過することができません。体内でエネルギーとして使える脂肪も、脳にはこの脳関関門に遮られ届きません。そのため、ここを通過することができるケトン体を脂肪燃焼時に生成しているのです。)
ですので、脳にとっての栄養はブドウ糖が無い場合には、唯一といっていい栄養となるのはケトン体。そしてその「ケトン体を体内で作るための材料」になるのが「ココナッツオイル」なのです。
そしてココナッツオイルがその「ケトン体の原料」となることがわかったことで、ココナッツオイルが、さらにダイエットの味方になるものとして再注目されています。
もちろん、体内に原料となるココナッツオイルをそれまでの何倍も何十倍も摂ったからといってケトン体が何倍、何十倍と体内で分泌されるようになるのではありません。ですが、体内で必要になった際に、潤沢に作れるだけのケトン体の原料を体内にいれておくことで、必要な際に肝臓からケトン体が分泌されやすい状況を目指すことができるのです。
また糖質カットダイエットを始めた方が「糖質代謝」だったとしても、糖質カットや低糖質の食事を一定期間続けることで、体内では、糖が補給されないことを飢餓状態と捉え「糖質代謝」から「脂質代謝」に切り替えていきます。
頭がボーっとしたり、集中できないからといって、その度にご飯やパンなど炭水化物を食べてしまうと、体内ではまた代謝の切り替えのチャンスが遠のきます。その点、ココナッツオイルを補給することでケトン体の材料を摂ることは、代謝に切り替えを促す一手にもなるのでおすすめです。
「脳をうまく働かせることができない状態」はエネルギー不足からくるもの以外に、痴呆症やアルツハイマー認知症の症状を持つ人の脳の状態も、症状としては近い状態だといわれています。
ご飯やうどんなど、炭水化物入りの食事で糖質を摂取しても、体内で消化してブドウ糖に変えて血液に乗せて脳へ運ぶことができない。または、脳に運ばれたブドウ糖をエネルギーとして使えない状況になっているといいます。
その際にも、ココナッツオイルはケトン体の原料を体内に補給できる食材として、注目されているのです。
糖質カットダイエットは実施される方も多く浸透してきているダイエット法ですが、安易にスタートし、誤った方法で実施してしまうと身体に負担がかる危険性があります。特に子供や成長期の未成年では、摂るべき栄養が成人の大人と違ってくることもあるので、要注意です。初めて実施される時などは、指導者のもとや、事前に正しく十分な知識を得た上で、実施することをおすすめします。
「ケトン体」の効果を知るとココナッツオイルは、年齢を問わず、家族のどの世代でも摂り続けたいスーパーオイルといえますね。
ライター:タスカジさん ふたば
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