鶏肉は、新鮮であればあるほど、美味しくいただけます。つまり、美味しい鶏肉を選ぶためには、鶏肉の鮮度をしっかりと見極めて、可能な限り新鮮な鶏肉を選ぶのが最大のポイントになります。
通常、鶏肉は解体してからおよそ12時間後が最も美味しくなると考えられています。解体直後は、まだアデノシン三リン酸(ATP)が、うま味の元であるアミノ酸に変化していないため、あまり美味しくないようです。
パック詰めされてからの時間がより短い鶏肉が、鮮度がよく美味しい鶏肉と考えられます。
では鮮度のよい鶏肉の選び方についてこれから一緒に見ていきましょう。
ドリップとは、お肉から出る汁のことです。ドリップが出てトレーに溜まっているいるような鶏肉は、陳列されてから相当に時間が経っていて、かなり鮮度が落ちている証拠です。
なるべくドリップの出ていない鶏肉を選ぶようにしましょう。
鮮度のよい鶏肉は、つやと透明感があり、また、色も鮮やかなピンク色をしています。パック詰めされてから、時間が経って鮮度の落ちた鶏肉は、「つやがなくドリップが出ている」あるいは、「カサカサに乾燥している」「色が黒ずんでいる」などの変化が見てとれます。
解凍品と表示されている場合は、半冷凍に近い状態でパック詰めされていることが多く、その場合は、パック詰めされてから、あまり時間が経っていなくても、ドリップが出てしまっていることがあります。
そのため解凍品の場合は、鶏肉の「つや」と「色」が、美味しい鶏肉を選ぶ上で、特に重要な判断ポイントになります。
鮮度のよい鶏肉は、毛穴が盛り上がっていて、皮はやや黄みを帯び、細かなひだが寄っています。 逆に鮮度の落ちた鶏肉は、毛穴が閉じて、皮が白っぽくかつ水っぽく、平べったい形状になっています。
市場に最も多く流通しているのはブロイラーで、全体のおよそ9割を占めています。ブロイラーは、短期大量生産を目的で飼育されています。そのため、鶏舎で、鶏同士がひしめきあっているような過密な環境で、運動不足の状態でエサを食べ、成長が早いのが特徴です。あまり体を動かさずに成長するため、やわらかい肉質が特徴です。
多くのブロイラーは、病気の発生を防ぐために抗菌物質を混ぜたエサが与えられています。そのため、肉への抗菌物質の滞留を懸念されている方も多いようです。ただ、国は食肉へ
の安全性に関しては、非常に厳しい基準を設けていて、食肉中の残留農薬や抗菌性物質の検査なども行っています。基準や検査をクリアしたものだけが市場に流通していると考えられるため、極端に心配する必要はなさそうです。
ただ、それでも、やはり心配だという場合は、抗菌物質は、脂肪や内臓に蓄積しやすいため、それらの部位を省いて調理されてはいかがでしょう。あるいは、抗菌物質のエサを使用されずに育つ「地鶏」や、生産者が独自のこだわりで、エサや飼育期間を決めて育てている「銘柄鶏」を選ぶという方法を検討されてもよいかもしれません。
ブロイラーにせよ、地鶏や銘柄鶏にせよ、どの鶏肉を選ぶ場合も、「新鮮なものを選ぶこと」、それが美味しくて安全な鶏肉の選び方の最大のポイントになることだけは確かです。
ライター:sion
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