ヒートポンプ式は、空気中の熱エネルギーを利用して、温風を発生させる仕組みになっています。この仕組みにより、洗濯槽内を除湿しながら、衣類を乾燥させることができます。
温風の温度は、およそ60℃以下と低めで、衣類が傷みにくい点や、消費電力を抑えることができるため、比較的低コストで使用できるという点がメリットになります。さらに冷却水が不要な点や、稼働中のフタの開閉が可能である点も、ヒーター式にないメリットといえそうです。
ヒートポンプ式は、エアコンや冷蔵庫、家庭用給湯システムなどにも採用されています。
ヒーター式は、ヒートポンプ式が開発されるまで主流だった乾燥方式です。 ヘアドライヤーと同じで、電気を直接熱に変えて、その熱を洗濯槽に送って、洗濯物を乾燥させるという仕組みになっています。
さらにヒーター式は、水冷除湿タイプと排気タイプに分かれます。水冷除湿タイプは、乾燥時に発生する水蒸気を冷やすための冷却水が必要になるタイプです。排気タイプは、乾燥時に発生する水蒸気を機外へ排気させるので冷却水は不要です。
洗濯乾燥機ヒーター式のメリットは、ヒートポンプ式よりも本体価格が安価な点と、軽量である点になります。
ヒーター式の最大のデメリットは、ヒートポンプ式よりも電気代がかかるという点になります。さらに、水冷除湿タイプは、乾燥時に発生する水蒸気を冷やすための冷却水が必要になり、水道料がかさむ点もメリットになるでしょう。
排気式は、水道料は不要ですが、部屋の湿度や温度を上げるという点がデメリットになります。またどちらのタイプも、80℃前後とかなり高温になるため、衣類が傷みやすく、乾燥中は扉の開閉ができない、というデメリットもあります。
洗濯乾燥機の乾燥機能を使わない場合は、ヒートポンプ式もヒート方式も、電気代などのコストはほとんど変わりません。
しかし乾燥機能を使った場合、ヒートポンプ式の方が、コストを大幅に抑えることができます。メーカーや機種によって違いはあるものの、一応の目安としては、1回の乾燥につき、ヒートポンプ式の電気代はヒーター式のおよそ3分の1程度に抑えることが可能です。
このため乾燥機能をよく使う場合、ヒートポンプ式のほうが断然お得で選ぶ価値があるといえるでしょう。
乾燥機能をあまり使わず、初期費用を抑えたい場合、ヒーター式を検討されてもよいかもしれません。
洗濯乾燥機は、ほぼ毎日使うものですから、コスト面を重視して選ぶのであれば、やはりヒートポンプ式に軍配が上がるかもしれません。ただ、ほぼ毎日使うのですから、コスト面だけでなく、使い勝手のよしあしにも目を向ける必要がありそうです。各ご家庭のニーズと照らし合わせて総合的に判断して、最適と思える一台を選ぶようにしたいものですね。
ライター:sion
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