一般的には、ママやパパの顔を認識しはじめる6か月頃ごろから、ママやパパの姿が見えなくなると大泣きして、追いかけてくるようになるようです。これを後追いといいます。後追いがもっとも激しくなるのはハイハイが上手になる8か月から1歳ごろで、1歳半から2歳ごろには落ち着いてくることが多いようです。ママの姿が見えなくて泣くようなら、後追いが始まったと思っていいかもしれませんね。
少しずつママやパパの存在が意識できるようになって、少しの時間離れても必ず自分の元に戻ってくるんだと赤ちゃんがわかるようになれば、自然と平気になっていくようです。また、ママの言っていることが理解できるようになってくると「待っててね」と声をかけたりすれば我慢できるようになります。後追いの期間は個人差があり、弟や妹ができることがきっかけで2歳以降でも後追いがはじまる再び始まる子もいれば、後追いが全まったくない子もいます。これも赤ちゃんそれぞれの個性なのですね。
後追いのような状況を、心理学的には「分離不安」といいます。赤ちゃんが後追いをする相手はママであることが多く、それは、24時間ずっと側にいてくれる赤ちゃんにとってかけがえのない存在だからです。分離不安は発達課題のひとつで、大好きな人との愛情の絆ができなければ現れません。ですから後追いは「赤ちゃんとの絆」ができている証しとも言えるかもしれません。
分離不安の強さは赤ちゃんによってさまざまなのですが、「置き去りにされた」「ひとりきりにされた」というような体験があると恐怖や不安体験として残り、分離不安は強くなることがあります。しかし、赤ちゃんの時にはまだそのような記憶があるわけではないので、離れるときに優しく「ちょっと離れるだけよ」「待っててね」など根気強く声をかけることで、だんだんと「大丈夫なんだ」とわかってくるようになってきます。
後追いの強さはさまざまといっても、ママにべったりストーカー状態の赤ちゃんが多いのも事実。そんな時、ママは赤ちゃんにつきっきりにならざるを得なくなり、家事はもちろん、自分の用事もままならなくなってしまいます。そんな時のイライラの解消法をいくつかお伝えします。
「ほんの少しの期間だから」と割り切る
後追いをするのはほんの少しの時期だけ。少しくらい部屋が散らかっていても、洗濯物や汚れたお皿がたまっていても問題なし!と、割り切ってしまいましょう。赤ちゃんが泣いたら「家事は終了」と開き直る事も大切です。食事の用意だって、出前や出きあいのものを活用したっていいのです。危険な場所や入って欲しくない場所は、ベビーゲートなどで対策し、どうしてもやらなければいけない事があるなら抱っこ紐やおんぶ紐を使いましょう。
家にこもり切りにならない
赤ちゃんと2人だけでずっと家の中にいると、気分も落ちこんでしまいます。例えば赤ちゃんが眠ったときは、家事ではなく趣味の時間にするなど自分の時間を持つことも大切です。天気の良い日であれば、赤ちゃんを連れてお散歩や公園に行くなどして気分転換をするのも効果的です。そして何より大切なのは、ママが赤ちゃんと一緒にいて楽しいと思えること。そんな心の余裕を持つために、児童館で保育者に遊んでもらったり、保育園の一時保育を利用したり、ベビーシッターに預けるか自宅に来てもらうなどして、第三者の手を借りることでも少し楽になるかもしれませんね。
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