――今回は、引っ越しをする上で便利なサービスをお聞きしたいと思います。早速ですが、知人から「混載便」を利用すると引っ越し費用を抑えられるという話を聞きました。引っ越し会社各社のホームページで確認したのですが、全然記載がなくて…。
いきなり、裏技が出てきましたね(笑)。混載便とは文字通り、1台のトラックに複数の方の荷物を積み合わせる輸送方法のこと。長距離の引っ越しは費用が嵩みがちですが、同じ方向に荷物を運びたい人が何人かいる場合、同じトラックに混載することで輸送量を安くすることができることがあります。
例えば、東京~大阪間でしたら毎日のように行き来がありますが、東京~富山を往復する機会はさほど多くありません。こうした時に、複数のお客様の荷物を搭載できれば、我々としてはありがたい訳です。会社の都合に合わせていただいてスケジュールを組みますので、その分、お値段は安くなります。
――あまり公にされていないのはなぜなのでしょう?
アート:いつでも誰でも利用できるサービスではないからです。ただ、過去に混載便を利用したことがあるお客様から「混載便で良いので安くなりませんか?」とお話をいただくことは、時々あります。 また、前述の混載便とは若干ニュアンスが異なりますが、別々に暮らしていた方が結婚を機に同居するケースで、荷物を混載するケースがあります。それぞれがお近くにお住まいで、ご夫婦の荷物を合わせて1台のトラックに収まると判断した場合、ご主人様と奥様の家、それぞれで荷物をピックアップして1台のトラックに同梱し、新居に運ぶことができます。同じ引っ越し日にして、申込人をお一人にまとめていただけば、荷物量によって適切なプランをご提案できます。個々に頼んでいただくよりも割安です。
――ご夫婦の荷物を混載する方法でしたら、利用できる方が多いでしょうね。他に、お勧めのサービスはありますか?
アート:共働きで忙しい方や、妊娠中の方などに大変喜ばれているのが、作業時間と手間を軽減できる「梱包サービス」ですね。割れ物が多く大変なキッチン回りのみ依頼を受けるケースも多いです。「梱包の仕方が分からない」「包んで入れるひと手間が大変」「キッチンをギリギリまで利用するので事前に梱包ができない」といった理由でご利用いただいています。キッチンまわりだけの梱包の場合、一般的な量でしたら、2時間程度お時間を頂けば作業が終わりますが、ファミリーで食器の量が多い場合ですと、丸1日掛かることもあります。 また、当社が開発したオリジナルの「梱包資材、エコ楽ボックスの食器ケース」がお薦めです。引っ越し日の5日ほど前に無料で5箱1セットを貸し出しておりまして、120点ほどの食器を収納できます。一つ一つ食器を紙で包む必要がなく、そのまま梱包できますので、荷造り・荷解きが大変楽になります。
――梱包せずにしまえる食器ケースは、使い勝手が良さそうですね。インターネットサイトで検索すると、アートさんの食器ケースを参考に自作している方もいるようです(笑)。そこまでする方は少ないと思いますが、私たちが真似できることはありますか?
アート:当社では、すぐ使うものは黄色、食器など割れ物には赤のガムテープを使用して梱包しています。このように色分けすることで、我々の作業も、お客様の片付けもスムーズになるんですよ。
――梱包時以外に、サービスが必要になる時はどんなときでしょうか?
アート:例えば、建て替えを考えているお客様にとって「トランクルームサービス」は必須です。ほとんどの方が、建て替えの場合は一旦仮住まいに引っ越し、竣工後に新居へ戻ります。引っ越しが2回必要になる訳ですが、トランクルームサービスともども、まとめてご依頼いただくケースが多いですね。トータルで予算を算出致しますので、1回の手続きで引き取り・保管・配送まで対応致します。 また、入居前に、ハウスクリーニングやハウスコーティングを利用するお客様も多いですね。事前にハウスコーティングをしておけば、入居後の床掃除や手入れが簡単になりますよ。
――最後に、引っ越し当日に利用したい、ちょっと便利なサービスがあれば教えて下さい。
アート:当社では、新生活を快適に送るためのオリジナル商品を開発・販売しております。例えば、冷蔵庫の下に敷く「5安心マット」はフローリングの傷防止や滑り止め対策、防水・抗菌・防炎効果がありますし、「カーボンマット」は荷物をしまう前、靴箱やキッチン収納に敷くと防臭・防カビ効果があります。「マット7万能型」を敷けば家具が安定し、調湿・抗菌・防カビ・防ダニ・消臭・傷防止の効果も! 他にも、家具の底に貼るだけで震度7クラスの地震対策になる耐震粘着マット「プロセブン」や、洗濯機の振動を軽減して掃除もしやすくする置台「かさあげくん」なども好評です。
――家具の下に設置するマットなどは、後で敷きたいと思っても重労働でしょうから、引っ越しのタイミングにお願いしたいですね。
アート:スタッフが設置しますので、絶好のタイミングと喜んでいただいています。特に「5安心マット」や「マット7」「プロセブン」は耐震対策として人気で、東日本大震災後、「最小限の被害で済みました」「逃げ道を確保できました」とお礼の連絡をいただいたこともあります。設置は無料ですので、是非利用していただきたいですね(商品代は実費)。
斎藤若菜 住宅ライター
ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。
【引用元記事】https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-1091/
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