まずは、自分がどんなところで暮らしたいのか改めて考えてみてはいかがでしょうか。現在、快適な暮らしができているか振り返るところから始めましょう。
住まいに対する不満は、大きなストレスとなりやすいもの。「狭い」「収納が足りない」「夏暑く、冬寒い」「うるさい」「設備が使いづらい」「子どもを遊ばせる場所がない」といった不満が蓄積し、憂鬱な毎日を送っているケースが多いようです。
それらが解決すると、どんな生活が待っているのでしょうか?
例えば、収納不足が解消することで「掃除がラクになった」「気軽に友人や家族を招きやすくなった」という方や、断熱性能が高い住まいに住み替えたことで「快適に過ごせるようになった」「冷暖房効率が上がって光熱費を抑えることができた」という方も多いようです。
一般的に、賃貸住宅と分譲住宅の居住性能や設備仕様を比べれば大抵の場合、分譲住宅に軍配が上がります。また、子育て世代にとってはファミリーサイズの賃貸物件自体が少なく、希望エリアによっては「購入しか選択肢がない」というケースもあるでしょう。
もちろん、「気軽に住み替えたい」「1ヶ所に定住しなければならないことがストレスになる」という方は、賃貸物件を借り続けるべきです。住まいが老朽化しても、設備や内装が好みではなくなっても、家族構成が変わっても、引っ越せば済むこと。収入が減った場合は家賃が安い物件に借り替えれば良いのです。
同年代の友人や職場の同僚が「マイホームを購入した」という話を聞くと、「私もそろそろ買わなければ」と焦ってしまうかもしれません。
年齢が若いうちに住宅ローンを組めば、早期に返済できる可能性が高い反面、収入面で不安を感じる方が多いようです。その逆もしかり。
国土交通省が発表している住宅市場動向調査の報告書によると、平均して30代後半から40代半ば頃にマイホームを購入する方が多いようです。
35年ローンを組む前提とすれば、リミットの年齢(完済時80歳)に近いですし、働きざかりで収入も安定している時期なので、納得の結果と言えます。タイミングとしてはここで「賃貸か購入か」決断を下す方が多そうです。
マイホームの購入を考えている方の中には「今は買い時でない」と考え、賃貸住宅で暮らし続けている方も多いようです。
もちろん、住宅価格も住宅ローン金利も常に変動しますから、投資家目線で「買い時」は存在します。
しかし、窮屈な住まいに我慢して過ごす時間、子どもの騒音で入るクレームに怯える日々から解放される、プライスレスな価値に、もう少し目を向けてみても良いのではないでしょうか?
もちろん、金銭的な事情で「買う」選択が難しいケースもあるでしょう。現実的に購入できるかどうか、金銭面の相談は、第三者目線で相談に応じてくれるファイナンシャルプランナーの力を借りて冷静に判断することをお薦めします。
その上で、「借りるか、買うか」損得勘定に流され過ぎず、どんな住まいで暮らすことが家族の幸せなのか、じっくりと考えてみてはいかがでしょうか?
斎藤若菜 フリーライター
ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。
【引用元記事】
https://magazine.aruhi-corp.co.jp/0000-0723/
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