不妊治療にかかるお金~2つの制度~

不妊治療にかかるお金~2つの制度~
投稿日: 2016年12月1日 更新日: 2017年3月6日
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先日、不妊治療で給付金が支払われる商品が国内で初めて発売され話題となりましたが、ご存知でしょうか。調査データによると、結婚後に不妊を心配した経験のある夫婦の割合は27.6%、実際に検査や治療の経験がある割合は16.5%(※1)と、およそ6組に1組の夫婦が不妊治療をしており、もはや不妊治療は他人事ではないかもしれません。

不妊治療が増えている背景として、ひとつには初婚の平均年齢が29.4歳、初産の平均年齢30.7歳と、30年前と比べるとそれぞれ3〜4歳高い年齢になっていることがあげられます(※2)。また、女性の社会進出にともない、キャリアの充実や経済的な安定を優先したいなど、さまざまな事情で妊娠が先延ばしになってしまう夫婦が増えていることがあげられます。ただ、不妊治療にもお金がかかりますので、まず今回は、不妊治療のお金に関することについて確認をしてみましょう。

※1:出所:国立社会保障・人口問題研究所 第14回出生動向基本調査(2010年)より
※2:出所:厚生労働省 人口動態統計 平成27年より

不妊治療にはどのくらいの費用がかかるの?

一口に不妊治療と言っても治療法によって、その費用や保険の適用の有無が異なります。また、病院によっても治療費に幅があり、保険適用外の治療の場合、高額になることもあります(数千円〜数十万円/回)。ただ、国や地方自治体で助成金制度を設けていますので、その内容を確認しておきましょう。

チェックしておこう!不妊治療についての助成金

不妊治療の助成金は、国が実施する全国共通のものと、それに上乗せして使える地方自治体独自のものがあります。以下、国の助成金制度の特徴をまとめます。

◆国が実施する助成金制度◆
・対象となる治療:特定不妊治療と呼ばれる体外受精および顕微授精
・対象:43歳未満(妻の年齢)で行う治療・前年の夫婦合算所得730万円未満
・年間助成回数:限度なし
・通算助成回数:初回40歳未満通算6回・初回43歳未満通算3回
・通算助成期間:限度なし
・助成限度額:1回15万円まで(初回は30万円)
※凍結胚移植等の場合は7.5万円

さらに、地方自治体独自の制度として、たとえば東京都の場合、不妊治療のステージによってさらに5〜10万円が支給され、男性の不妊治療も助成の対象としています。お住まいの地域の制度をぜひチェックしてみてくださいね。

不妊治療費は医療費控除の対象

ほとんどの場合、保険が適用されない不妊治療の費用ですが、一般の医療費と同様、医療費控除の対象となっています。かかった不妊治療費用から助成金をのぞいた自己負担額と、他にかかった医療費を合わせて、年間の医療費が10万円以上になった場合、税金の還付を受けることができます。領収書はしっかりと保管の上、確定申告を忘れないようにしましょう。

不妊治療には、経済的な負担だけでなく、精神的、時間的、身体的な負担もかかりますので、夫婦でよく話し合い、検討することが大切です。まだこの分野の保険はほとんどありませんが、今後は少しずつ増えてくると思われます。いくらまでお金をかけるか、受けとることができる給付金はいくらか、また、今後の人生で必要になるお金はいくらかといったことをトータルで考えて、必要であれば民間保険を活用することも検討してみましょう。


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