育児休暇が取れるのは原則として子どもが1歳になるまで。父親、母親ともに対象となります。平成21年の改正によって、父親の育児参加で従来より育児休業期間を2か月延長することが可能になりました。
夫婦で育児休業を取る場合の休業期間の延長を「パパ・ママ育休プラス」と呼びます。
これまで「子育てに専念できる配偶者がいる者(妻が専業主婦である場合の夫など)」は育児休業の対象外となっており 休業の申請を会社が拒むことが法律上許されていましたが、この改正によって育児休業の対象外とする労使協定が禁止となり、すべての父親が必要に応じて育児休業を取得できることになりました。
つまり、父親が育休取得日の1か月前までに育児休業の申請をした場合、会社はこの申し出を断ることはできなくなったのです。
パパの育児休暇は子どもが生まれてから1歳になるまでの1年間ですが、ママが育休中でも一緒にとることができます。また、ママの産後休暇中のタイミングに使えば、育児休暇を2回に分けて取ることも可能になっています。
例えば、出産後、ママが心身ともに疲労している産後休暇中に育児や家事のサポートを行うために1回目の育児休暇を取得し、ママの職場復帰後の大変な時期にも2回目の育児休暇を取得して子育てを協力して行うことができます。里帰り出産をしないママにとっては、産後一人で家事と子育てを行うことは大きな負担になるため、この時期のパパの協力は欠かせないもの。ママの体調や子育ての状況に合わせてパパの協力が得られるのは大きいのです。
産後早めに育児参加をすることは、夫婦間の信頼関係を築くことにつながります。とはいえ多くのパパが不安になるのが自身のキャリアへの影響。
子育てから得られる体験は、ビジネスでは得られない視点やスキルを身に着けることができます。ある育休経験者のパパによれば、自分の子どもだけではなく、誰にでも優しく接する思いやりが生まれたとか。育休を取得した男性の職場では、コミュニケーションの柔軟性が生まれ、チームワークも向上するようです。また、育児休業を取得する意識から限られた時間での業務配分を常に考えるようになり、業務効率がぐっと上がります。結果、全体の生産性まで高まるのです。つまり育児への参加はキャリアアップにも寄与すると言えます。
夫婦円満にもなるし、職場へのメリットも大きい。パパの積極的な育児参加は、家族の新しいライフスタイルの形成に多大な影響力があるといえます。
今では結婚や出産など、将来的なライフイベントに備えられるような企業への転職を検討する人も増えており、企業にとってもこうした福利厚生の充実が、良い人材を確保することにつながっているのです。
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