花粉症とはいったいどういうメカニズムなのでしょう?
まず、体の外から侵入してくる異物(花粉などのアレルゲン)に対し、体内でIgE 抗体というものが作られます。そのうえでさらに侵入してくる異物(花粉)がIgE 抗体に結合すると化学物質が分泌されて、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が出てくるのだそうです。IgE抗体が作られたらすぐに花粉症になるわけではなく、体内に抗体が蓄積され、一定量を超えてくると花粉症を発症するとのこと。そのIgE抗体は、遺伝や環境などにより作られ方が違うので、アレルギー症状の現れにくい人と症状が出やすい人がいるということです。
赤ちゃんはこれまで2シーズンを経験していないと花粉症にならないと言われてきました。0歳児の赤ちゃんは、1シーズン目ということなので、対象外のように思えますが、実はお腹の中にいた時に、ママを介して花粉を経験しているパターンもあるとも言われています。また、3か月未満の赤ちゃんでは、体内で免疫が形成されている最中なので、その期間に花粉を取り込んでしまうと、花粉症になりやすいという説も。
ただ、相手は赤ちゃんですので、いつから発症するということよりも、0歳児でも月齢に関係なく花粉症になる可能性があるという認識を持っておくことが大切です。
生後6カ月頃までは不快症状をうまく表現できないこともあり、鼻づまりや鼻水が主な症状として現れます。風邪などの感染症での鼻水は、黄色っぽかったり、粘性のある鼻水ですが、花粉症の鼻水は、無色透明でサラサラしているのが特徴です。鼻水を拭いてもダラダラと出続けるような状態。その他にも、目の充血やかゆみ、口呼吸になる、連続してくしゃみをするなど、徐々に大人の花粉症と同じような症状が出てくるそうです。
一般的には、赤ちゃんが花粉に接触する時間をできるだけ少なくすることが有効的と言われています。妊娠中の外出時にも、マスクを着用するなどして花粉をブロックしたいですね。花粉は、晴れて風の強い日の午後に多く飛散し、雨の日には少なくなるそうです。ニュースや天気アプリの情報などでも花粉飛散量の予報が出ているので、それらを参考にして赤ちゃんとの外出や外遊びの時間帯を計画するのもいいですね。
また、外出後は衣服を払い、家の中に花粉を持ち込まないようにしましょう。洗濯物や外に干した布団にも花粉が付着しています。しっかり取り除いて取り入れる習慣をつけましょう。布団は取り込んでから掃除機をかけるのが効果的なようです。
もし、赤ちゃんに花粉症の疑いがあったらどうすればいいのでしょうか?
市販されている花粉症の薬に関しては、赤ちゃんに適切なものであるかの判断はしがたいため、まずは専門のお医者さんに相談しましょう。アレルゲンを特定する検査、花粉を回避するための指導、その上で、必要に応じて症状をやわらげる薬などが処方されるはずです。赤ちゃんの身体に合った、安全な抗アレルギー薬や点鼻薬、点眼薬を使用することが重要ですので、自分で勝手に判断せず、お医者さんの指示に従いましょう。
これからの季節は、スギ花粉だけではなく、かゆみが強力なヒノキ花粉や、呼吸器・循環器系にダメージを与えるPM2.5の飛散についても気になるところです。花粉ブロックの知識をしっかり身に付けて、赤ちゃんの鼻のムズムズを遠ざけてあげましょう。
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