どの自治体でも必ず配布している母子手帳は、正式名称を「母子健康手帳」といい、母子保健法に定められ発行されています。妊婦健診や赤ちゃん誕生の際にも必要になってくるものなので、知らない人はいないでしょう。一方の父子手帳は、自治体が独自で発行している父親向けの育児冊子です。各自治体によって様々な工夫が凝らされていて、最近のイクメンブームとともに世の中に広まってきているものです。過去には育児は母親がするものという考え方が主流でしたが、今では父親のワークライフバランスや、育児参加も積極的に支援する流れも定着しつつあると言えそうです。
父子手帳には、パパも知っておきたい子育てに必要な知識や、妊娠中の母体の変化、生まれた我が子の成長を記録できるコーナーなど、各自治体の工夫により様々な情報が幅広く掲載されているようです。例えば……
・父親としての心構え、子どもとの関わり方
・仕事と育児とのバランス
・妊娠から出産までの母体の変化や、その時々の妻への接し方
・入院前後や産後の手続き
・月齢別育児の基礎知識
・赤ちゃんの1日
・我が子のとっておきの写真を貼っておくページ
・我が子の成長記録
・先輩パパの体験談
女性は、自身の妊娠ということで、体の変化やお腹の赤ちゃんの存在感も身をもって感じられるので、妊娠がわかった時からすでに母親としての認識を強く持っています。一方で男性は、妻から妊娠を告げられても少し現実味が薄く、赤ちゃんが生まれてきて初めて父親になったことを実感することになるのかもしれませんね。父子手帳は、主に初めて父親になる人に、妻の妊娠・出産、生まれてくる赤ちゃんとそれを取り巻く環境について解説してくれる頼れる存在なのです。
生まれたばかりの赤ちゃんは3時間おきに泣いたり、夜なかなか寝なかったりします。それを事前に父子手帳で読んでおけば、産後まだ体調の戻らない妻のサポートをかって出ることができるかもしれません。また、先輩パパの体験談を読んで、赤ちゃんをお風呂に入れるということは、お風呂に入れるだけではなく、「お風呂の準備をして、お風呂に入れて、お風呂上りに体も拭いてケアもする一連の流れ」だということもわかります。
また、産後の妻はホルモンバランスが崩れているため、急に不安になったりネガティブになったりもするものです。それに対していちいち反論してしまっては、せっかく赤ちゃんが生まれて幸せな家庭も険悪になってしまいがち。妻の産後ブルーは、大きな心で受け止めるなど、なかなか他では学べない内容も載っているのが父子手帳なのです。
一度通して読むと、だいたいの流れがつかめてくるので、それを元にどの部分だったら父親が担当できるのかを考えたり、赤ちゃんが生まれる前に妻と話し合ったりもできます。事前に知識を得ることでよりスムーズに赤ちゃんを迎える体制になれるはずです。スタートから父子の絆も深まるかもしれません。
まず、自分の住む地域に父子手帳があるのかを確認してみましょう。
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