この小さな島には1,000羽以上のうさぎが暮らしています。島内を散策していると、豊かな自然の中を野生のうさぎたちが自由に駆け回る姿を見ることができます。こちらから探す必要はなく、歩いていると自然と出会えます。
人から餌をもらえると学習しているようで、振り返るとうさぎがついてきていることもしばしば。
近くの島の方に伺うと、「朝に訪れるのがおすすめ」とのこと。うさぎたちがお腹をすかせて寄ってきてくれます。午後は、午前中に観光客から餌をもらい、お腹いっぱいになっている可能性も…。
ここで気をつけたいポイントがあります。餌は島内では売っていません。そのため、出発前にフェリー乗り場で購入するか、キャベツやにんじんなどの野菜を事前にカットして用意しておきましょう!
また、うさぎは朝夕に活発に行動する習性があるため、動いている姿を見たい方は、その時間帯をめがけて訪れるのがおすすめです。ただし、夕方の場合は帰りのフェリーの時間に注意してください。
かわいいといっても、野生のうさぎたちです。事前に公式サイトで観光のルールを確認しておきましょう!
◆直接触れない、餌を手で直接与えない
◆餌を道路上で与えない
◆人間の食べ物を与えない
◆餌を食べ切るまで見守る(残った餌は回収)
◆うさぎを追いかけない
◆自転車で暴走しない
◆うさぎを持ち込まない、持ち出さない
◆帰りは手を洗い、衣服についた汚れを落とす
(手指消毒用アルコールなどの持参もおすすめ)
うさぎたちとの素敵な思い出を作るため、ルールはきちんと守りましょう。お子さまが一緒の場合は、目を離さないように気をつけましょう!
今はのどかな「うさぎ島」には、もう1つの顔があります。
この島は日清・日露戦争時代に砲台が設置され、第二次世界大戦時には毒ガス兵器を製造していたという歴史があります。その名残から、島内には砲台跡・発電場・毒ガス貯蔵庫などの貴重な戦争遺跡が残っています。
では、なぜ「地図から消された島」なのか。
それは、毒ガス製造が日本軍の軍事機密だったためです。毒ガス製造の事実とともに、数年にわたり地図から島の存在自体が隠されていたのです。戦時中、毒ガス製造は秘密裏に行われ、その製造過程で多くの方が犠牲になった凄惨な事実も、終戦後、長きにわたり日本国内でほとんど知られていなかったそうです。
日本陸軍の毒ガス工場としての痛ましい歴史については、島内にある「毒ガス資料館」で詳しく学ぶことができます。コンパクトな資料館ながら、当時の資料や作業服、写真などが展示された見応えのある場所です。
私自身、「地図から消された島」としての側面を知らずに訪れた大久野島。思いがけず、戦争の悲惨さや平和の尊さをあらためて見つめ直す時間になりました。大久野島を訪れた際は、戦争遺跡や「毒ガス資料館」にも、ぜひ立ち寄ってもらいたいです。
今回は、瀬戸内海に浮かぶ「大久野島」をご紹介しました。「うさぎ島」と「地図から消された島」としての顔をあわせ持つこの島。
豊かな自然を楽しみながら、この島が歩んできた歴史を通じて、平和を見つめ直す時間を過ごしませんか?
しまなみ海道のサイクリングで立ち寄るのもおすすめです。
《大久野島へのアクセス》
広島県・忠海港、大三島・盛港からフェリー
片道15分/大人360円、子ども180円
〈毒ガス資料館〉※2026年9月時点
◇場所:広島県竹原市忠海町5491番地
◇開館時間:9:00〜16:00(最終入館15:40)
◇休館日:年末年始(12月29日〜1月3日)
※臨時休館することもあります
◇入館料:19歳以上150円
(19歳未満は入館料免除)
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